浦和明の星女子中学は最難関女子中学の一つで埼玉県のカトリック系女子校として有名です。校訓・モットーは「正・浄・和」一人ひとりを大切に。50分で大問2題。全40問の構成。大問1は新書、大問2は小説。記述問題はありませんが、漢字・語句はミスは致命傷になりかねません。書き抜き問題や記号問題で、読解力が究極に問われている問題です。
Consideration of the entrance examination questions for Urawa Akihoshigaoka Girls’ Junior High School in the first round of 2025.
実質倍率は1.7倍
募集人数 120 | 応募者数 1919 | 受験者数 1882 | 合格者数 1090 | 実質倍率 1.7 |
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試験について入試データ→浦和明の星女子中
浦和明の星女子中学校の2025年第1回の実質倍率は1.7倍でした。首都圏御三家女子の併願、埼玉の女子最高峰として有名な学校です。例年1.8倍は切らない学校でしたので、少し合格しやすくなったと数値上は言えます。しかし、実際の内容は最難関たる知的文章と端的な答えを書き抜くための「読解力」が問われます。一般的な数十字での記述問題はないため、読解スピードがあり、かつ論理的思考力が求められています。
大問1:新書「シンデレラはどこへ行ったのか」
2023年9月発売 廣野 由美子著
『赤毛のアン』『若草物語』『リンバロストの乙女』『あしながおじさん』などの少女小説に描かれる、強く生きる女性主人公の物語はいつ、どのように生まれ、広まっていったのか。英国の古典的名作『ジェイン・エア』が与えた衝撃と、そこから始まる脱シンデレラ物語の作品群を読み解き、現代における物語の意味を問う一冊。「シンデレラはどこへ行ったのか」本の紹介より引用
廣野 由美子さんはNHK Eテレ「100分de名著」の『フランケンシュタイン』『高慢と偏見』『シャーロック・ホームズ スペシャル』にゲスト講師として出演していたのでご存じの方もいらっしゃると思います。
出題は10問、18解答 文字数は約4600文字
※文字数は1行36文字で換算しました。
文章中に漢字の読み書きが1問ずつあるのでさっと書き込みながら一読する受験生が多かったと思われます。問題文に漢字を書いて、後で解答用紙に書き写した方が集中力が持続するのでオススメしていますが、この所作は子ども自身と指導者により、過去問の演習と普段の「型」があれば漢字が不安であっても大きな差は生まれません。しかし、それ以降は緻密な問題配分がなされています。記号問題は前半は四者択一からはじまり、後半の三題は5者から「適切でないものをすべて」、「2つ選択」と条件が変わるため、より集中力と分析力が必要になります。また、最後の設問では「資料」(文字数にはカウントしていません)が提示され、より深い問いを求められています。指定条件をよく読んで、最短で答えきることがポイントです。高校入試、大学入試を受ける子どもでもたいへんかなと思われます。「抜き出し」問題が多いので、確実にとれる問題と後回しにする問題を分ける。そして、大問2にうつるかどうかの嗅覚がないと、大問2の途中で時間切れになる可能性が高いです。
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大問2:小説「エヴァーグリーン・ゲーム 」
発売日は2023年11月01日。石井 仁蔵 著 第12回ポプラ社小説新人賞受賞作。
世界有数の頭脳スポーツであるチェスと出会い、その面白さに魅入られた4人の若者たち。64マスの盤上で、命を懸けた闘いが繰り広げられる話。第12回ポプラ社小説新人賞受賞作。世界有数の頭脳スポーツであるチェスと出会い、その面白さに魅入られた4人の若者たち。64マスの盤上で、命を懸けた闘いが繰り広げられる話。「エヴァーグリーン・ゲーム」本の紹介より引用
出題は13問、22解答 文字数は約9700文字
長文なので、読みきるまで不安にならないことがポイントです。文章内容のチェスとは具体的には何かわからなくても、オセロよりは難しいボードゲームであるとイメージすれば読み進められたと思われます。知識は漢字の読みと、よく出る四字熟語「以心伝心」、「五分五分」は得点必須。他の問題ををいかに解き切るかがポイントです。記号問題は理由を答える問題が4択なので大問1よりも解きやすかったのではないかと思います。最後の問題は文章読解の助けにもなっており、似たような形式を過去問や模試でも経験している子どもは多いはずです。抜き出しと自分の言葉で熟語で考える問題ではありますが、選択するページも指定されているのでここまでたどり着けたならば、合格者平均点は取れたと思われます。
文章を正確に読み取ることと、記号問題への適応、書き抜き問題の訓練度が合否の分かれ目になったと思います。設問から、「何」が問われているかがわからないと対応できず、文章と設問をうろうろしたら合格は掴めないなという所感です。文章題にプラスして設問として資料や会話からも考察する訓練を経て合格を勝ち得た子どもは、将来、大学入学共通テストの国語においても高得点が期待できるでしょう。2025年の共通テストだと大問3にあたります。
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