前回は、長田弘訳の外国の絵本を紹介しました。今回はプログラミング思考と国語の学習について、指導の一例を紹介します。引き出しとして参考にしていただければ幸いです。
プログラミングとは?
プログラミングというと、写真のようにコードを思い出しませんか?確かに、プログラミングは、コンピューターに指示を与える方法の一つです。それは、特別な言語を使ってコンピューターに何をしてほしいかを伝えることです。例えば、「画面にメッセージを表示する」とか、「ゲームを作る」といったことができます。しかし、それは一部の考え方でど正解ではありません。一言で言うと、「手順を踏む」ということです。手順を間違えると実行されなかったり、異なった実行になります。プログラミングを学ぶことで、子どもたちは論理的思考や問題解決能力を鍛えることができ、自分のアイデアを現実にする手段を身につけることができます。
プログラミング的思考とは?
プログラミング的な思考は、問題を解決するために論理的に考え、手順を組み立てることです。例えば、プログラミング的な思考を使って数学の問題を解くと、問題を細かいステップに分解し、正確な手順を考えることが重要です。また、ゲームを作る際にも、ゲームのルールや動作を考え、それをプログラミングの言語に変換することがプログラミング的な思考の一例です。つまり、問題を分析し、それを解決するための手順を考え、それを実行に移すことがプログラミング的な思考です。様々な場面で実際にこの思考は自分自身でも使っています。
プログラミング的思考においてルールや動作で気を付けること
明確な目標を設定する
ゲームやプログラムの目的を明確に定義し、それに基づいてルールや動作を設計します。今はインプットか、アウトプットか。時間は何分かをマインドセットします。何割できるかの仮説はつけておくといいです。
論理的思考を鍛える
問題を分析し、それを解決するための論理的な手順を考える訓練が必要です。これにより、プログラムの動作やゲームのルールを明確にすることができます。論理的な手順は漢字ならば書き順や組み立てや読み、そして意味。文章題ならば文章の構造、設問者の設問が何を聞いているか、そういう答えを出すか。
システムの設計
ルールや動作を設計する際に、システム全体を考える訓練が重要です。つまり、個々の要素がどのように相互作用し、全体の機能をどのように支えるかを考えることが必要です。
ユーザーの視点を考慮する
ユーザーがゲームやプログラムをどのように使うかを考え、それに合わせてルールや動作を設計するという観点から、ユーザーを問題作成者や採点者とします。ユーザーの使いやすさや楽しさ=採点することを考慮することで、より良いプログラムやゲームを作ることができます。正解=解答もことです。これらの訓練を通じて、ルールや動作を設計する能力を向上させることができます。テストでは問題作成者や採点者にあたります。
国語のテストを解くときに、プログラミング思考をどう重ねるか
- 問題を分解する:問題を小さなステップに分解して解決することが重要です。国語のテストでも、問題文や文章を細かく分析し、要点を把握するために同様の手法を使うことができます。
- 論理的に思考する:国語のテストでも、文章の論理的な構造や論拠を理解し、答えを導き出すために論理的思考を活用します。
- パターン認識する :パターン認識は問題解決に役立ちます。国語のテストでも、文章や文法のパターンを認識し、類題を解く際に役立ちます。設問の読み違いも誤答を招くことがままあります。
- 効率的な解法を仮説する: 効率的なアルゴリズムを考えることが重要です。国語のテストでも、問題に対する効率的な解法を考え、時間を節約しながら正確に解答することができます。筑波大学附属駒場中の問題中学入試ではわかりやすいかもしれません。
アルゴリズムを考えるとはどういうことか。
アルゴリズムを考えるとは、ある問題を解決するための手順や方法を明確に定めることです。これは、特定の目標に向かって一連の手順を考え、それを実行に移すプロセスです。例えば、料理のレシピです。料理のレシピは、何をどの順番で行うかを示した手順書であり、その手順に従って料理を作ることで目標である美味しい料理を作ることができます。同様に、プログラミングにおいても、特定の問題を解決するために、どのような手順を使うかを考えることが重要です。その手順を定めたものがアルゴリズムです。個人的には算数が好きな子の場合、答えを導き出すまでに3つくらいやり方が浮かんでどれが一番時間がかからず書けるか、この瞬間が楽しいというような感覚。国語の記述であればアンダーラインを引いて、文を組み立て、文字数を把握し、書ききれるか。書ききれないと判断したらどういう工夫が必要かいくつかのやり方が浮かび仮説と思考するときが楽しいというような感覚です。
漢字を練習するとき、プログラミング的な思考で行うとするとどういうやり方になるか。
- 目標を設定する: まず、練習したい漢字の目標を設定します。例えば、「日常生活でよく使われる漢字を覚える」という目標を設定します。これは漢字練習テキストやドリルで集約されていますので効率がいいですね。
- データを整理する: 学習する漢字をリスト化し、その漢字ごとに読み方や意味を含めたデータを整理します。例えば、漢字「食」の読み方は「た」と「しょく」で、意味は「食べる」と「食事」などです。
- アルゴリズムを設計する: 漢字の練習方法を考え、アルゴリズムを設計します。例えば、「1日に3つの漢字を選び、その漢字の読み方と意味を覚える」というアルゴリズムを考えます。これも1.に準じますのでどこでやるか、いつやるかを決めること大切です。
- プログラムを実行する: 設計したアルゴリズムに従って、漢字の練習を行います。例えば、毎日3つの漢字を選び、その漢字の読み方と意味を覚える練習を行います。これは認知能力の個人差があるので、練習方法はいくつかあります。
- 結果を評価する: 練習した結果を評価し、自分の進捗や理解度を確認します。間違えた部分や覚えられなかった漢字を見つけ、再度練習することで、理解を深めることができます。見直す、読む、テキストの主要部分を隠してテストする等ですが、とにかくもう1回触れるということができるかどうかです。
具体例
例えば、「食」の漢字を練習するとします。
漢字: 「食」 読み方: た(音読み)、たべる(訓読み) 意味: 食べる、食事、食べ物
この場合、「食」の漢字の読み方は、「た」と「たべる」の2つあります。また、その意味は「食べる」と「食事」、「食べ物」などです。これらを覚えることで、この漢字を理解し、使いこなすことができます。
漢字の練習は「食」の読み書きから、「食べる」と「食事」、「食べ物」までを網羅的に学ぶことで、漢字の読み方と意味をしっかりと覚えることができます。再現性が上がります。
間違えた漢字や覚えられなかった漢字を見つけ、再度練習する方法。
- エラーログを作成する: 練習中に間違えた漢字や覚えられなかった漢字をメモしておきます。どの漢字が問題だったのか、どの読み方や意味が不明確だったのかを具体的に書き留めます。〇付けしたあと、すぐ直すことにあたります。
- 再度練習する漢字をピックアップする: エラーログを基に、再度練習する漢字をピックアップします。間違えたり覚えられなかった漢字に焦点を当て、それらを重点的に再度学習します。漢字練習帳を作成し、1回、ピックアップすることです。時間的な余裕がなければ1.だけで3.に飛ぶのでもよいです。
- 繰り返し練習する: 再度練習する漢字を定期的に繰り返し練習します。例えば、1日に1回、再度練習する漢字を取り上げて復習を行います。また、問題を特定してその漢字だけを集中的に練習することも有効です。漢字練習帳を作成し、漢字だけなら3回程度書く。
- フィードバックを取る: 繰り返し練習を行った後、改めて自分の理解度や進歩を評価します。再度練習した漢字に対して、どれだけ正確に読み方や意味を覚えることができたかを確認し、必要に応じてさらなる練習を行います。練習する時間があればよいですが、ここでも、書き直したものを見直す。もしくは、見ながら音読するなどでも効果はあります。
繰り返し練習するにも、やり方はいろいろある
- フラッシュカードを使用する: 間違えた漢字や覚えられなかった漢字をフラッシュカードに書き、漢字の一方を見てその読み方や意味を思い出します。次に、裏返して答えを確認し、正確な読み方や意味を確認します。間違えた場合は、何度も繰り返し練習しましょう。単語練習帳やアプリを使うのも同じです。
- 漢字クイズを作成する: 間違えたり覚えられなかった漢字を含むクイズを作成します。例えば、漢字の読み方や意味を問うクイズを作成し、その漢字に関する問題に焦点を当てます。クイズを解くことで、漢字を再度覚えることができます。1.と同様と考えてもよいです。どちらも自分で作れるようになるといいです。
- 書き取り練習を行う: 間違えたり覚えられなかった漢字を書き取り練習します。漢字の形をしっかりと覚えるために、何度も書き写し、漢字の形を確認します。また、書き取り練習を通じて、漢字の読み方や意味も復習します。
- ストーリーを作成する: 間違えたり覚えられなかった漢字を使って、ストーリーや文章を作成します。漢字をストーリーに組み込むことで、漢字の意味や使い方を覚えやすくなります。
これらのやり方は指導者や親のいわゆる指導の「引き出し」。「漢字練習帳に20回書け」という昭和的な学習方法から時代は進み、学習方法も進化しています。子どもが自分で再現性を高められるまでのヒントです。どうしても覚えられないという漢字についてだけのやり方として保持できるといいです。野球の投手にたとえると、球種です。ストレート・カーブ・シュート等の球種です。(基本はストレートです。)
情報をとらえ、与えられた条件をこなして実行する。これが単純に問題に答える、単純に文章を読む、単純に漢字を書くということが呼吸をするようにできるまでは訓練が必要です。※国語の成績が今一歩の場合、「単純」は「適当」に置き換えてるとよいです。とりあえず解くこと、書くことだけになていたら成長への第一歩です。
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