読解問題で線を引くのは蛍光ペン?鉛筆?

読解問題で線を引くのは鉛筆?蛍光ペン?

前回はプログラミング的思考と国語力向上についての話でした。今回は表題のとおり、テキストやテストに線を引く作業について、どういう使い分けが効果的かについて述べていきます。テストの時ははカラーペンや蛍光ペンは使わずに鉛筆やシャープペンを使うことをお勧めします。

目次

線を引くことの意味と効果的な方法

線を引くことは、理解を深め、正確な解答を導くための重要なスキルです。しかし、その方法は何でも良いわけではありません。では、鉛筆と蛍光ペンのどちらがより効果的なのでしょうか?

鉛筆・シャープペンで線を引く

鉛筆は、文章中の重要な情報を強調するのに最適です。それは、線を引くことが目的であり、後で情報を振り返る際にもっとも役立つからです。また、鉛筆の細かい線は、文章の中で特定の単語やフレーズを強調するのに適しています。しかも、修正や追加情報を書き込むことも簡単です。最も無駄な作業がないということです。筆圧には個人差があるので、苦も無く書く書けることが前提ですが、細い線・太い線の差がわからない場合は一段階濃い目の芯がお勧めです。シャープペンを使う場合は筆圧の強弱がつけられる芯としてHBやBなど使いやすいものをお勧めします。

蛍光ペンで線を引く

一方、蛍光ペンは、より広い範囲の情報を強調するのに適しています。重要なパラグラフや主要なポイントを見つけ出すのに役立ちますが、細かいニュアンスや詳細な情報を抜き出すのは難しいかもしれません。蛍光ペンは、全体像を把握しやすくするのに役立ちますが、細かな注釈や分析には向いていません。ただし、自分なりに工夫し、記憶に定着させやすいルールができるようになるならば、それは素晴らしいことです。

効果的な使い分け

  1. 目的を明確にする: 線を引く前に、何のために強調するのか、つまり、線を引きたいのかを考えます。
  2. 適切なツールを選択する: 文章のタイプや目的に応じて、鉛筆か蛍光ペンかを選びます。
  3. 適度な強調: 全てを強調しすぎず、重要なポイントに焦点を当てます。適切なバランスが必要です。
  4. 要約になっているか確認する: 線を引いた部分がまとまったおり、全体像を理解しやすくなっているか確認します。要約を作成できればよいですが、文章の内容を再確認し、どこに何が書いてあるかある程度記憶に定着させることが大切です。

線を引くことは、読解力を向上させ、テストの正確な解答を見つけるのに役立ちます。テキストに線を引いたり、テストに線を引く、大切なのは引いた後もう一度振り返る時間をつくるための証跡です。鉛筆やシャープペン、色ペン、蛍光ペン等、適切な方法を選択し、効果的に活用することで、学習効果を最大限に引き出せる型を整えましょう。

テストでは鉛筆・シャープペンを推奨

テストにおいて、蛍光ペンや色ペンの使用が禁止されている場合があります。そのため、鉛筆やシャープペンは線を引くための最適なツールです。その理由は次の通りです。

1.修正が容易

鉛筆で線を引く場合、誤った情報を強調したり、後で訂正することが容易です。誤った線を消すことができるため、間違った情報を強調する心配はありません。

2.細かい作業が可能

鉛筆の先は細かく、特定の単語やフレーズを正確に強調することができます。文章の中で重要な情報を見逃さず、適切に強調することができます。

3.詳細な注釈が可能(ちょこっとメモ)

鉛筆やシャープペンでの線引きは、後で詳細な注釈やメモを追加するのにも適しています。重要なポイントを強調しながら、自分の考えや洞察を追加することができます。

効果的な線引き(アンダーライン)の使用法

1.軽く引く

強調したい部分を軽くフリーハンドで線を引きましょう。強調しすぎないように注意しましょう。
重要なポイントに焦点を合わせる: 文章の中で重要な情報やキーワードに焦点を当て、それらを鮮明に強調しましょう。※定規で引く子どももいますが丁寧に引くことに集中すると文章を読むことよりも線を引くことが優先されてしまったり、線を引くことに時間をかけてしまうため、お勧めしません。


2.修正を忘れずに

誤った情報を強調した場合や、後で見直す際に情報が不足している場合は、遠慮せず修正しましょう。個人的には基本、消しゴムは極力使わないことを推奨しているので、引いた線に×を使うように指導しています。

3.要約になっているかどうか線だけをさっと見返す

線を引いた部分を要約とし、文章全体の意味が把握できているか、またはその手掛かりとなっているか。設問になっており、すぐに答えが浮かび正解を確信した場合は自分の読み筋があっていることがほとんどです。(たくさんの生徒の解答を見て採点、アドバイスをしてきた経験則です。)また、先に設問で要約を読み、そのあと文章を読む子どももいますが、それでも構いません。テストで文章を読む順番は論理的に読めていれば僅差というか誤差です。むしろ、消しゴムを多用する方が大幅に時間をロスします。(これ、意外と誰からも指導されません。答案分析でもここに触れている指導者はあまりいません。)

線の種類:傍線、波線、二重線の使い分け

傍線、波線、二重線の使い分けの一例を挙げます。

線の種類説明使用方法
傍線主要な情報やキーポイントを強調する際に使用します。文章の中で重要な部分をすばやく見つけるのに役立ちます。主要なポイントや重要な情報を強調する際に使用します。
波線言い回しや表現が特徴的な部分や、感情表現が含まれている部分を強調する際に使用します。感情やニュアンスを示すのに適しています。特定の言葉や表現が特に重要である場合や、感情表現が含まれている場合に使用します。
二重線疑問や重要性を示す際に使用します。特に、その部分が物語や文章の展開に大きな影響を与える可能性がある場合に有効です。特に疑問や重要性を示す必要がある部分に使用します。展開に大きな影響を与える可能性がある箇所にも使用します。
線の種類

その他として、疑問符や感嘆符、登場人物が初めて出てきた場合は〇で囲む。エピソードは塊で大きく〇で囲む、またはエピソードとわかる最初の一文には線を引く。など、自分なりのルールがあるといいですね。しかし、ルールが多すぎても、線を引きすぎるのも、「何が大切なのか」がわからなくなります。(線の引きすぎは自信がない子どもに多いです。)子どもが自分なりに線を引いたり〇をつけることをルール化し、論理的に文章や設問を読む道具として証跡を残すこと。これこそが時間内に問題作成者の意図にあった答えを書くことにつながります。を無意識になるまで常に意識してほしいです。

文章と設問両方に線を引く

「設問をよく読む」ように指導される機会はたくさんありますが、問われていることは何か。設問に線を引いているでしょうか。この積み上げ次第で答えの方向性が変わってきます。

特に記述問題では模範解答を「福神漬けがあるカレーライス」とすると、カレーだけだったり、ライスだけだったり、福神漬けだけだったり、カレーそばだったり、読み違えるとハンバーグだったりします。問題作成者が「福神漬けがあるカレーライス」をつくってほしいという要望に応えるための準備として自分が引いた線が手掛かりになっているかがポイントです。

前回の記事はコチラ↓

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