子どもの適切な学校を選ぶために情報収集を行うことはとても大事なことです。どんなポイントがあるか、既知のものもあると思いますが、まずはとても大切なことを何点か紹介するので参考にしてください。最後の「意外と大事な落とし穴」はご自身で中学入学後の我が子と自身を想像し、考えてみることをお勧めします。
1.場所と所要時間
自宅から学校までどのくらい時間がかかるか。当然ですが、中学・高校と6年間通います。家から駅までの時間、駅から学校までの時間をおおよそ勘案しましょう。自宅を出る時間は何時になるか、帰宅時間は何時になるかのおおよその目安を立てられます。自宅から片道60分、90分等、はじめに決めておくといいでしょう。30分の差はざっくりですが、1日片道30分の往復で300日と考えると1年間で300時間を通学に使います。6年だと1800時間ですので、魅力がある学校かどうかは大事なポイントです。郊外の学校の場合、駅からスクールバスがある場合がほとんどですが、遅刻などで乗れなかったときは代替手段があるかどうかの確認は重要です。首都圏だと1/10~入試が始まりますが、試験慣れだけのための受験なのか、通ってもいい学校かは受験前までにはこの後に書いてある内容をある程度抑えながら決めておきましょう。首都圏の場合、東日本大震災前までは、遠くても通うという方が多かったと思います。最近は、いざというときに自力で帰れるかどうかを意識・検討する方は少ないかもしれませんが、これはご家庭の判断です。(多くの学校では、災害時に生徒を外に出す状況でないと判断したとき、食料などの備蓄を数日分は備えていることが多いので学校見学の時に聞いてみるといいでしょう。)
2.学校内の生活時間
デフォルトは何時間授業か?
放課後の行動は?
土曜日の行動は?
1.に関連しますが、学習、郊外活動、部活、学校行事等、どのような生活を送るのかをホームページやパンフレット等をみながら親子で想像しましょう。模試の成績等のフィルターで「滑り止めだからここに時間をかけない」のはもったいないです。どの学校も通える範囲ならば期待を込めて見られるかがポイントです。興味がある授業やイベント等、子どもが思いを寄せるものが一つでもあればよいです。例えば、学校見学に行ったときに先輩の様子をみて「ここなら中高6年間過ごせる」というイメージが湧いて勉強を頑張る子どもも何人もみてきました。そこにいた先輩から「見学ですね、入試頑張って!待ってるよ!」と言われて感動したという子どもの声も何度も聞いています。(すばらしい学校ですね)学校主催の説明会でなくとも、校門まで行くだけでも問題はないです。まずはその地に行ったという事実と行きたいという感覚を子どもが抱き(最低限行ってもいいという感覚)、学習のモチベーションをちょっとでもあげることが大切です。その中に、学校内の生活時間が小学校と比べてどう変わっていくのかというイメージをもつことが大事です。これがないうちは中学校生活のイメージは湧きにくく、ただ見学した事実しか残りませんので子どものモチベーションは上がりません。
個人的なお勧めはボランティア活動や社会貢献活動等、「課題活動」を盛んに行っている学校です。これは学校の教育理念とあわせて、子どもの人間性を高めるという意味で投資価値がある、または、付加価値があると判断します。課外活動に参加するかどうかは強制以外は子どもの自主性が大きいですので我が子の成長の期待を想像しましょう。また、部活動や課外活動が見学できるようであれば、在校生の雰囲気を直に感じることができます。興味のある部活動や課外活動がある場合は、活動風景等ももし見学できるようであればしましょう。「勉強と両立して部活動を続けられるか?先輩後輩の仲は健全で良好か?また上下関係には節度があるか?部長やコーチと在校生と保護者の関係は良好かどうか?」を可能な限り確認しておくことも大切です。
3.学校の売りと卒業生の進路
説明会やホームページから、「何が売りなのか」を親の視点と子どもの視点で考えましょう。親子共通では大学進学実績。これは重要ではありますが、絶対視はしないことです。個々に進路は違うことと、あくまでも過去の実績です。在校生がどのような生活をして大学に進んでいるかのパターンを2~3程度は知っておくのがよいでしょう。親の時代との進路の違いは何ですかとストレートに学校の先生に聞くこともいいです。一例として、「理系に力を入れている。」「学校行事で盛り上がる。」「留学プログラムがあり、海外の大学進学もサポートしている」「基本自由(笑)」等があります。大まかには附属系と進学校系にわかれますが、付属校では他大学に行く卒業生はどのような理由で行くのか。附属は行けるが、推薦や受験をして他大学に行く等聞くといいでしょう。進学校の場合は、卒業生や在校生は授業後、塾や予備校に行くのか、または、学校内に予備校があるのか、すべて勉強や進路指導は学校で行うのかによっても生活が変わります。もちろん、大学へは推薦入試(多岐にわたります)か一般入試かによっても変わります。子どもが将来やりたいことがあればそれを叶えられる環境なのか、特にやりたいことが現時点でみつからなければ選択肢が広いかということを想像しながら「学校の売り」について、情報収集を行い、親子で一度は話し合いましょう。
4.意外と大事な落とし穴(番外編)
給食はあるか?または、食堂はあるか、食事を購入できるか?
給食があるか
食堂があるか
購買で食事は買えるか
これは意外と盲点です。朝、親が弁当をつくるかどうか(自分でつくるという子どももいます)その時間も生活の考慮にいれておくべきだと私は考えます。朝食時に「こどものお弁当をつくるのはついでだから問題ない」というのでしたら大丈夫ですが、ご自身の朝の活動時間で仕事や家事、家族の世話などを考慮することが多ければ食堂や購買があり、利用できることは親にとっても大事なことです。
これらを考慮し、子どもが通う学校の候補として、親としてその学校に投資する価値があるかどうか、学費や諸経費を勘案しましょう。受験案内やパンフレット等ある程度参考にできますが、可能であれば学校見学に行き、在校生の保護者や教員が質問受付等してくれる場合が多いです。質問したい内容を事前にメモをして臨むと複数の学校と比較もできます。特別授業があるか、志望校別の指導を行っているか、模擬試験は学校で行うのか等、学校によって指導方法は違うため、数校比較できるようにしておきましょう。聞きにくく、細かいことですが、「寄付金はあるか?あるとしたらどんな寄付なのか?何回あるのか?それはほぼ強制か?」をやんわりと聞いていた方がよいこともあります。学校見学についてはオープンスクールや説明会、文化祭、体育祭等いくつか学校によって機会がありますので4年生~6年生の受験前までに、一度は親子で足を運ぶようにしましょう。
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