お題で短歌!親子で楽しむ国語力アップ法

お題で短歌!親子で楽しむ国語力アップ法 - IN国語教育研究室

短歌は、いつでもどこでもできるコミュニケーション。お題を作る方も、短歌を作る方も頭を使う。
朝日新聞の​beの記事をふと眺めた。

お題
教室を生き抜くための短歌をください。

返歌
違いとは間違いじゃない窓ひとつひとつに別の青空がある
※引用 朝日新聞2024.11.2.be 「あなたのための短歌集」 木下龍也 より

お題の「もやっとした気持ち」をくみ取り、晴れ晴れしたところにもっていってくれますね。

目次

短歌の基本構成で整理しておきたいこと

上の句と下の句の2部構成で、「57577の三十一文字」を基本とする。

三十一文字「みそひともじ」と読み、表現技法や字余り、字足らずを等を見つけて強調や整調を示します。

「何を伝えたかったのかな」と詠んだら考えるクセがついていると主題に迫れます。

ちなみに、短歌・俳句は音数が決まっているので「定型詩」に分類できます。また、石川啄木の「三行分かち書き」についても、一通り学んでいれば。いい先生に出会えていると思います。

最近は文学作品や詩歌を出題する学校が固定されている気がしますが、個人的には出題する学校の先生の顔を思い浮かべながらその問題と対話して解いています。

短歌と語彙量と論理的思考力

日常短歌を創作し、納得できる言葉にたどり着く感覚はつかんでほしい。

それを読み手がどう感じたかも話し合ってみてほしい。

以下、どちらが先に作ってみてもいいですが、見本になれば幸いです。

例えば、受験期の過去問で思ったような点数が取れない場合

過去問が 難しくっても あきらめず 勉強がんばる 夢の第一歩

素直に気持ちを書き込んでいますね。体言止めで意欲を感じます。

追いかけて 夢の先まで 走る道 過去問越えて 未来掴む手

下の句にぐっと惹かれます。

親の返歌

当日に取れるかどうかなので、今を頑張れという意味で作ってみてください。

今日こそは 頑張る姿に 親と先生 合格見守る 全力の今

「今日こそは」:特別な日が始まる瞬間、期待と不安が交差する場面です。「頑張る姿に 親と先生」:受験生を支える親と先生の温かい視線。彼らの見守る姿が、子どもにとって大きな励みとなります。「合格見守る 全力の今」:これまでの努力を今こそ全力で発揮する時。受験生の覚悟と、それを見守る親や先生の期待が詰まっています。この短歌からは、全力で挑む受験生の姿勢と、それを応援する大人たちの思いが伝わります。

受験の朝 見守る瞳 親と先生 今こそ力 全て出し切れ

「受験の朝」は、その特別な日が始まる瞬間を指し、期待と不安が交錯する場面を想起させます。「見守る瞳 親と先生」は、子どもを支える大人たちの姿勢を表現しています。彼らの温かい視線が、子どもにとって大きな支えとなります。「今こそ力 全て出し切れ」は、これまでの努力を今こそ全力で発揮する時であることを強調しています。この短歌は、受験生が持つ覚悟と、それを見守る親や先生の思いが凝縮されたものです。全力で挑む姿勢が伝わります。

意見交換により作りても読み手も感性は磨かれます。自分はどう思ったか。相手にはどう伝わったか。いわゆる、受験国語ができる子は、問題作成者の欲しい問いをほぼ正確に答えることができている。短歌の創作は普段とは違う方法で自分を見つめ直すことができるし、「自分と向き合う時間」になると木下さんは語っています。

入試問題を解くうえで、短歌の鑑賞ができているかどうか、は得点にも大きく影響します。

短歌・俳句と命名した正岡子規の短歌。百人一首は等、時代背景とともに、作者の込められた思いを知覚できるようになる。その時点で理解できる範囲で出会った短歌を学ぶことです。今できることは問題作成者の問いに答えることです。正岡子規あたりの時代の作家は有名な作家と作品名は整理しておくといいでしょう。たとえば渋谷幕張中を受験する場合は、個人的には便覧を利用すして調べると知識が深まります。(黒の太字はチェックしておくといいです。)

鳥取砂丘を広めたのは有島武郎(ありしまたけお)

鳥取砂丘 Tottori Sand Dunes

浜坂の 遠き砂丘の中にして 寂しき我を 見いでけるかも​

と詠みました。

浜坂という地名から始まり、広大な砂丘の中で孤独を感じる自分自身を見つめる情景が描かれています。広がる砂丘の中に立ち、自分の存在の小ささや孤独を感じ取る瞬間を詩的に表現しています。

この短歌を通じて、自然の中で感じる感情の深さや、孤独という普遍的なテーマが浮かび上がります。言い換えれば、鳥取砂丘の美しさと、その中での内省的な体験を詠んだものです。

鳥取砂丘を見たり、訪れる際には、この短歌の風景を思い浮かべながら、その魅力を堪能してみてください。

ちなみに、彼はこの歌を詠んだ1か月後、自殺し、亡くなったということで、鳥取砂丘が一躍有名になりました。

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