衆議院議員の総選挙が終わりました。選挙を通じて、我が子がどのように感じたか話し合う時間を持ちましたか?ドント方式については触れておくことをお勧めします。塾等の教材で学んでいればいいですが、中学入試・高校入試でもしっかり理解できている子どもは少ない気がします。選挙は子どもにとっても重要な学びの機会です。ぜひ、家族で選挙について話し合い、子どもの意見や感想を聞いてみてください。未来の日本を担う子どもたちにとって、選挙の意義を理解することは大切です。少しの時間をとって、選挙について話し合うことで、子どもの成長をサポートしましょう。What to learn after the election.
■選挙=行動した事実
①「小選挙区比例代表並立制」で衆議院議員が選ばれたこと
②小選挙区制=直接選挙で人を選ぶこと
③比例代表制=直接選挙で比例区(地域)の政党を選ぶこと
■深堀りしておきたいことは3つ
①衆議院は任期が4年で民意を反映しやすいこと=今回は政策以上に政治と金についてが話題にあがりました
公約=マニュフェストという言葉がメディアの露出が少なかったなと思いました。
②比例代表でどの政党の政策がこれからの社会を良い意味で変えてくれそうかということ
③比例代表の選ばれ方=ドント方式
この説明が少し足りないなという気がします。
ドント式は公民分野の問題で勉強している子どもが多いでしょう。政党の人数の振り分けを学んでいるとは思いますが、まだの場合は以下は知っておきましょう。
各政党が得た票数を1, 2, 3,…といった整数で割り、その商の大きい順に議席が割り当てられます。
この方式により、小さい政党でも一定の議席を確保しやすくなり、議会の多様性が保たれます。
比例票が以下の分布結果の場合、定員が2名の場合はどこが選ばれるか?ちょっと大きな数字で考えてみましょう。
定員が2名の場合は比例代表では120万票の「商の大きい順」政党Aから1名、2名の場合は90万票の政党Bから1名選ばれます。各政党で比例の順位表が事前に準備されて、そこから議員が選出されていきます。
ただし、直接選挙で当選した場合は比例当選は除外されます。
余談ですが、賢い子どもは次の2点を質問してきます。
①「重複」で立候補し、当選した場合って?比例はどうなるの?
日本の小選挙区比例代表並立制では、候補者が小選挙区で当選した場合、その候補者は比例代表の名簿から外れます。そのため、比例代表の名簿に載っていた順位に関係なく、他の候補者がその分繰り上げで比例代表から当選することになります。これにより、重複当選を避け、議席配分の公平性が保たれます。
選挙区で直接選挙で敗れた議員が「比例復活」という意味を真に理解します。
②定員3名の場合、政党AとCが60万で同数。この場合はどう決めるの?
全く同数ということはほぼないと思いますが、追加基準や決定プロセスが用意されています。例えば、総得票数、過去の選挙結果、抽選等で具体的な規則は選挙管理委員会の指示に従います。
個人的には「小選挙区比例代表並立制」という言葉だけ覚えればいいというのはよくないと考えます。政治に無関心な大人を育ててしまっている可能性があります。社会か国語の先生が説明していればいいですが、親か、知っている大人が教えなければわかりませんね。論理的思考力を高めるよい機会です。
より理解ができたかどうかの確認方法
比例定員5名の場合の政党Aの人数を質問しましょう。
表を見ながら割り算①②③を数の多い順に5つ並べればいいわけです。
120万>90万>60万>60万>45万に印がつけられ、政党Aを数えれば、「2名」ですね。
今年の衆議院の選挙は465議席を小選挙区で289名、比例区(11区)で176名で選出されたという規模も子どもが身近に感じることができれば幸いです。
【問題】日本の小選挙区比例代表並立制について、メリットとデメリットを用いて80文字以内で説明しましょう。
ヒントは前半では「仕組み」、後半では「メリットとデメリット」でそれぞれまとめます。
【解答例】
80文字以内で説明する場合
日本の小選挙区比例代表並立制は、小選挙区制と比例代表制を併用し、地域代表と政党支持を反映するが、複雑な制度のため、理解が難しい場合もある。(69文字)
160文字以内だと以下のようになります。2文に分けることがポイントです。
日本の小選挙区比例代表並立制は、各選挙区で1名ずつ選出される小選挙区制と、政党に投票を集めた割合に応じて議席が配分される比例代表制が組み合わされています。この仕組みの利点は、地域の代表性を確保しつつ、政党の全体的な支持を反映できる点です。しかし、複雑な選挙制度であるため、一部の有権者には理解しづらい面もあります。(157文字)
この後、「特別国会」の意味も身近にニュースで流れ、理解が深まると思いますので、特に56年生は学びを深めましょう!
■小56年生には読んで欲しい一冊を紹介します。
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