日本全国には伝統的なかまぼこがたくさんあります。かまぼこの起源は古く平安時代にまで遡ります。昔の人は魚を保存するために塩漬けにしたり、干物にしたりする方法が一般的でした。その中で、魚のすり身を形作って作る「かまぼこ」が生まれました。
かまぼことは?
いうまでもなく、かまぼこは日本各地で親しまれる食品で、多くの種類があります。蒸しかまぼこ、焼きかまぼこ、ちくわ、ゆでかまぼこなどがあります。白身魚を原料にしています平安時代から食されてています。かまぼこの名前は、蒲の穂に形が似ていることから付けられました。めでたさや魔除けなどの意味があります。
かまぼこの由来
かまぼこの漢字は「蒲鉾」。昔は竹に魚のすり身を塗って焼いて作られていました。それが川辺にある蒲の穂に形が似ていることから、その名がつけられたと言われています。
かまぼこの代表は5つ
紅白かまぼこ
紅白蒲鉾は、おせち料理の定番。縁起の良い一品です。紅白の紅=ピンク色には「魔除け」白色は「清浄」の意味が込められています。また、切り分けると半円形の形になることから、初日の出を連想させる料理とも言われています。冷蔵庫がない時代の人々は、魚を長期の保存させることができないため、重宝されたことでしょう。
ちくわ
ちくわは、魚肉のすり身を棒にぬりつけ、加熱した魚の加工食品です。主に白身魚(タラやスケトウダラなど)を使用して作られ、滑らかなペースト状になるまで練り込まれます1。ちくわはそのまま食べても美味しいですが、さまざまな料理にも使える万能な食材です。炒め物や焼き物、和え物、煮物など、さまざまなレシピで活躍しています2。お弁当のおかずにもぴったりですよ!
さつまあげ
さつま揚げは、魚のすり身に豆腐や卵などを混ぜて成型し、油で揚げたものです。独特の食感と旨味があり、おでんや煮物、スープ、サラダなどさまざまなバリエーションがあります。「さつま」=鹿児島にゆかりのある食材で、白身魚や野菜、魚介類を組み合わせて作られています。
はんぺん
はんぺんは、魚肉たんぱくから作られる食品で、真っ白な見た目とふわふわした食感が特徴です。おでんには絶対的存在であると個人的には思っています。スケトウダラやキントキダイのすり身に卵白や山芋を加えて形を整え、茹でて作られているため、低カロリーで低脂肪、かつ多くのタンパク質を含むヘルシー食材です。生でも食べられるうえに、火の通りも早いので調理も時間がかかりません。加熱されているため、生で食べても問題ありません。
つみれ
つみれは、汁が入った鍋に、魚介類やひき肉で作った練り状のタネを、手やヘラで少しずつすくって投入する調理法で作られます。もちもちとした食感が特徴です。魚で作られたものが一般的ですが、肉類でも作られることがあります。鍋料理で竹筒に入った生のつみれをヘラなどで少しずつ分けて鍋に入れた体験は大人になれば誰しもあると思います。昔、魚のすり身を竹の中につみ入れることから「つみれ」と知ったときに感動した経験があります。つくねも原料は鶏肉が多いですが、原理は同じです。手でこねて丸めることですね。
かまぼこの歴史
かまぼこの原材料となる白身魚は高級魚。時代は平安時代まで遡ります。主に、貴族階級のお祝いの席や贈答品、おせち料理に食されていました。板付きのかまぼこは室町時代に始まり、現代のかまぼこに近い形になったようです。また、江戸時代には蒸したかまぼこが売られていることが文献でも記述されています。関西では焼きかまぼこ、関東では蒸しかまぼこが主流となり、今はどちらも手軽に食せるようになっています。かまぼこは、日本の食文化に深く根付いている食品ですね。物語や小説でかまぼこが出てきたら、電気冷蔵庫があるかないかで生魚やかまぼこを通じて時代背景をある程度察することができますね。背景描写のヒントになるかもしれません。
原料
エソ、グチ、ハモ、トビウオ、アジ、タチウオ、ヒラメなどです。加熱すると良いアシ(弾力性)が出ます。独特な歯ごたえをアシといいます。たんぱく質の繊維の絡み合いによるもので、いい弾力を得るためには、鮮度の良い魚を用い、様々な工程において技術が駆使されています。スケトウダラは、冷凍すり身として広く使われています。昭和30年代に、冷凍すり身の開発により普及が広まったそうです。
かまぼこはなぜ板にのっているのか?
かまぼこをつくるときに形を整えやすいこと。また、持ち運びに便利であることがあげられます。そののほか、蒸したり冷やしたりするときに余分な水分を吸ってくれるので腐敗するのを防止する効果があるようです。古の知恵ですね。
日本かまぼこ協会ホームページより引用
中学受験においてのポイント
かまぼこといったら、白身魚=スケトウダラが原料といわれることが多いですが、そもそも、「原料」で述べた魚のすり身であることと。そして、先に画像でしめしたようにかまぼこ以外の食べ物も連想できるようにしておくと平行思考ができるという意味で語彙量も増します。また、「魚のすり身」の発想以外でも、「おでんの具」をイメージしても思考が広がります。食べることが大好きな子どもにはより学習効果があがります。さらに、かまぼことなるとの違い、ちくわとちくわぶの違い等も理解し、自分のことばで説明ができると語彙量の増加、論理的思考力を鍛えるだけでなく、社会科の学習においても有用です。
学校の自由研究や調べものの必要がある場合に、困ったらかまぼこについて調べてみてはいかがでしょうか。過去に、教え子から「自由研究何やったらいいか困っている」ということで、調べものとして、冷蔵庫から、魚から等を発想としてアドバイスしたことがあります。保護者にも「かまぼこやはんぺんをスーパーで買ったら、包装紙の裏にある原料を子どもに見せてあげてください」と言っています。
お勧めのホームページ→日本かまぼこ協会ホームページ
前回の話はコチラ↓
コメント