新年度、国語が伸びない家庭の共通点

春になると、教材が増えます。クラスがかわり、難度が上がり、宿題が増える。親も子も期待と不安が混じり、焦りが増すことがままあるます。「もっとやらないと」でもここに、国語の成績が崩れる落とし穴があります。
国語は量の教科ではない
算数は演習量が一定必要です。でも国語は違います。国語は
「処理の質」で伸びます。
・設問の条件を最後まで読む
・根拠を本文から探す
・選択肢を比較する
・なぜ間違えたか説明する
これをやって初めて、1題が血肉になります。知識と教養ですね。血肉・知識・教養が概念としてグループ化できるような理解ができている状態が望ましいと個人的に考えています。
量が増えると、どうなるか?
解き直しが削られます。そして、「読んだ」「やった」という作業感覚だけが残ります。これが、国語が伸びない一番の理由です。
新年度に起きやすい3つの崩れ
①教材過多
塾+副教材+市販問題集。
全部やろうとすると、全部浅くなります。
②睡眠不足
夜に記述、夜に反省会など苦行ともいうべき儀式化の積み重ね。判断力が落ちた状態で読むとズレた読みが固定されます。
③解き直し不足
丸つけ→解説読む→終わり。これでは思考は育ちません。
教材整理のチェックポイント
今、確認してほしいこと。
▢解き直しまでできているか
▢正答率は50~70%か
▢記述が毎回白紙になっていないか
▢睡眠が削られていないか
1つでも崩れているなら「追加」ではなく「削減」をお勧めします。
削る勇気が未来を作る
多くの家庭が不安から何かしら足します。でも国語は足すほど崩れやすい教科でもあります。整えることが最優先です。国語は努力量×整った環境で伸びます。新年度こそ増やすのではなく整える。その視点を持てる家庭が、最後に伸びます。
学年別・国語の最適演習量目安
※あくまで「回しきれる量」が前提です。
小4(受験準備期)
目的:読む体力をつける/設問の型に慣れる
● 長文:週1〜2題
● 記述:短文中心(40〜60字/20~40文字)
● 語句・漢字:1日10分以内
● 解き直し:必須(時間は長文と同程度)
⚠やりがちなミス
・毎日長文を読ませる
・語句問題を大量に追加する
小4は量より読み方の型。深さが最優先です。
小5(差がつき始める時期)
目的:根拠の言語化/選択肢比較力
● 長文:週2〜3題
● 記述:60~80字前後まで
● 語句・漢字:寝る前10分
● 解き直し:長文1題につき最低15分
⚠崩れポイント
・塾+市販問題集追加
・解き直しが「雑」「作業」になる
小5で量を増やしすぎると小6で失速します。特に記述が書けなくなる場合が多いです。記述を書けていて得点が取れていない場合は処理能力は向上していますので、ズレを修正することです。野球で言えば白紙は三振、得点ができていなければ凡打、配点の半分以上はヒットです。ホームランは不要ですのでヒットを積み重ねる視野と視座をもってテストに臨ませ、答案が戻ってきたら改善することです。(この改善時間と改善方法の積み重ねがなかなか時間がとれないため苦労します。)
小6(完成期)
目的:精度/安定感/本番再現性
● 長文:週3題前後(質重視)
● 記述:学校別形式に合わせる
● 語句:弱点のみ絞る
● 解き直し:最優先
⚠一番やってはいけないこと
・不安から問題集を増やす
・夜に長文を詰め込む
小6は増やすより整えるです。今ある教材だけでも多いはずです。市販の問題集を足すとたいてい終わらないで余計焦るだけになります。もし買う場合は読みきりにするなど1冊お守りとしてプレゼントするといいでしょう。問題集コレクターにならないことを心がけてください。
あくまでも所属する塾の主教材が中心です。
教材削減ビフォーアフター実例

ケース① 小5男子(国語偏差値45→58)
Before
・塾テキスト週2題
・市販問題集週3題
・語句問題集1冊
・漢字ノート毎日2ページ
・解き直しほぼなし
・就寝23:30
→ 記述白紙多発/選択肢ミス連発
After
・塾テキスト週2題のみ
・市販問題集一旦停止
・語句は寝る前10分
・解き直しに20分確保
・就寝22:30固定
→ 記述安定/設問条件ミス激減
追加しないことでやるべきことが子どもの中で絞れ腑に落ち8割がた実行ができることで成績が安定しました。
ケース② 小6女子(不安から量過多)
Before
・塾+過去問+市販問題集
・毎日長文1題
・夜に親子反省会
・睡眠6時間台
→ 本番模試で失速は避けたいですが、その場合は「来たな!」と心の準備をすることです。その後、教材やテストの解き直しに不備がなければ問題の難度や設問の難度が原因です。次の再現性のアイテムを手に入れたと思い、解き直しをしましょう。
After
・長文は週3題固定
・過去問は土曜のみ
・夜の国語カット
・睡眠7.5時間確保
→ 模試で安定得点
そもそも読み方、解き方がいつのまにかずれていたので私はお子様の能力をアウトプットできるように整えただけです。インプット3割、アウトプット7割がバランスがよいです。
結論
国語の成績が伸びない理由は能力不足ではなく教材過多に振り回され、こなす作業が中心になり、消化不良になることが最も多いです。塾の副教材もここまでやり切ればという視点でセット販売されています。全教科あるので解説の理解も含めたら通常はやり切れない量です。
教材の量が増えると
・解き直しが削られる
・睡眠が削られる
・処理精度が落ちる
国語は努力科目ではありません。処理科目です。処理が整えば、あとから成績はついてきます。ただ、中学受験は学力が高い子どもの集まり、その母集団のテストですのでなかなか伸びないという構造的な仕組みも理解しておきましょう。制限族度で言えば高速道路、50㌔、30㌔の道路を運転するようなものです。各教科の制限速度はまずはあっているかを冷静に考えることが大切です。
最後に一つだけ。
今やっている教材、すべて「目的」を言えますか?言えない教材は削っていいものです。不安は減りませんが不思議なことに成績は安定してきます。
偏差値帯別・国語の削減基準
国語は「今どの段階か」でやるべきことが違います。全部同じ量をやるのが一番危険です。
偏差値40台前半
(読めていない・設問処理が崩れている段階)
状態
・設問の条件を落とす
・抜き出しミス
・選択肢を最後まで比較しない
・記述が白紙
削減基準
❌市販問題集は停止
❌長文の追加は禁止
❌難度高め教材は一旦外す
残すもの
✔塾テキストのみ
✔解き直し時間を倍に
✔音読+設問の読み方確認
この層は「量」ではなく「型」です。まず読む手順を固定させること。増やすと確実に崩れます。(個人の感想です)
偏差値50前後
(波がある・安定しない段階)
状態
・できるときはできる
・記述がぶれる
・ケアレスが多い
削減基準
❌長文の連日演習
❌夜の記述
❌解き直しなしの丸つけ
残すもの
✔週2〜3題固定
✔1題ごとの振り返り言語化
✔語句は短時間集中
この層は「精度」です。量を増やすとブレが拡大します。安定感を作る段階です。
偏差値55〜60
(伸びるか頭打ちかの分岐点)
状態
・読めているが詰めが甘い
・選択肢で落とす
・記述のまとめが弱い
削減基準
❌問題集の多冊回し
❌難問ばかりやる
❌解説読み流し
残すもの
✔学校レベルに合った演習
✔選択肢比較の徹底
✔記述の添削精度向上
この帯は「質の研磨」です。量を増やすより、完成度を上げる改善を積み重ねましょう。アウトプット7割は解き直しです。
偏差値60以上
(完成度を高める段階)
状態
・大崩れはしない
・細かい失点が課題
・学校別傾向対策が必要
削減基準
❌総合問題の乱発
❌睡眠削減
❌不安からの追加教材
残すもの
✔志望校形式特化
✔弱点分野ピンポイント
✔コンディション管理
ここは「再現性」がポイントです。本番で力を出せるかどうか。量ではなく、整え方。インプット3割、アウトプット7割ができている状態ですのでコツコツを積み重ねましょう。
一番大事なこと
偏差値に一喜一憂せずに状態がよくないなと思ったときほど削る勇気が必要です。増やす必要はありません。
多くの家庭は逆をやります。
不安➡追加➡処理崩壊
国語は足し算ではなく引き算で安定します。改善の積み重ねに時間を使ってください。なかなかうまくいかない場合は身近な先生に相談してください。一般論だけならば、「具体的にうちの子には何をどうさせれば効果的ですか?」と聞くことです。国語の先生か担任の先生とコミュニケーションをとっておくとよいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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