社会問題から読み解く「ぶさいく」

絵本の表紙

前回は『ブルーノ』主に平和を話題にしました。今回のテーマは「愛」。作者は不詳、英語圏のインターネットで小説として広まった悲しいお話。最近は野良猫を町ではあまり見かけませんが、とあるかわいそうな一匹の野良猫のお話。たとえ、誰かのつくり話だとしても、私はいっこうに構わない。

ぶさいく GAKKEN 増見 芳隆 (写真)  小松 伸子 (翻訳)

目次

あらすじ

「ぶさいく」という絵本は、耳がちぎれて足も不自由なおすの野良猫のお話です。彼は、他の動物たちからいじめられても、ひるまずにがんばって生きています。このお話は、「ぶさいく」が大切なことを教えてくれます。信じても裏切られても、愛することをあきらめなかった「ぶさいく」の勇気は私たちに元気や勇気を与えてくれます。美しい猫の写真と一緒に、英語圏のネットやブログで話題になった素敵なお話が楽しめます。

      汚れのない純粋な心を持ち

まっすぐに心から人を愛することは

          こういうことなんだと思いました。

ぶさいく GAKKEN

ぶさいくの最期のシーンは涙が止まらない。優しい人に看取って貰えたのが救いだろう。純粋な気持ちを持った純粋な命、一層悲しさが増します。作者も読み手も「ぶさいく」から愛をもらえたのならば、「ぶさいく」の魂は少しでも救われたと思います。

読書中、「ぶさいく」の姿が浮かび上がり、感情が高ぶり涙が込み上げるが、それを押し殺す。物語が終盤に差し掛かると、感情が爆発し、涙があふれ出す。

猫を見かけると、「ぶさいく」の絵本を思い出します。

中学入試の視点 

この絵本(写真集)のテーマは「愛」。以下に当てはまる言葉をひらがなで書きなさい。

この話の主人公「ぶさいく」は耳がちぎれ、足も不自由なノラ猫である。ぶさいくは、どんなにうとまれても、いじめられても、〇〇〇〇生きていた。誰からも愛されず、見捨てられ、疎外されているぶさいくが、作者の人生に大きな影響を与える話。

ヒント 「〇〇〇〇」で一文節、一単語です。言い切りの形は「〇〇〇だ」という形容動詞。

答え 「けなげに」 ひらがな5文字ならば「いじらしい」という表現もありますね。

動物が好きな人ならば、みなが感動するすばらしい作品です。愛をテーマにのべてきましたが、「生き物との向き合い方」や「動物虐待」について親子で考える一冊です。

親子で何を話そうと思ったら、切り出しとして、「見た目や障害によるいじめや偏見に立ち向かう大切なこと」がこめられているのではないかと切り出してみてください。具体的には、「ぶさいくの外見や他者の評価をそのままで判断しないこと。」「相手の内面の心の美しさを理解すること一番大切だということ。」また、「困難にぶつかってもあきらめない勇気や、他者を思いやる心も大切なこと」等と広げていければよいでしょう。

前回の記事はコチラ↓

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