子どもにぴったりの進路を見つけるためには? 中学受験は家族にとって大きな挑戦です。その過程で適切な進路指導が、子どもの学びと成長を左右する重要な鍵となります。今回は、志望校の選び方から受験計画まで、親子で取り組むべき具体的なアドバイスを詳しくご紹介します。
[Saved Edition] Advice on career guidance for junior high school entrance exams.
1. 志望校の選び方
① 偏差値だけで決めない
偏差値は参考情報の一つにすぎません。学校ごとの校風や教育方針、学びの特色などを重視することが、子どもの成長に合った選択につながります。
具体例:「A中学とB中学の両方が合格圏だったが、より自由な校風のA中学を第一志望に決定」
② 通学の負担を考慮する
通学時間が長すぎると学習時間や生活リズムに悪影響を与えることがあります。現実的な通学ルートや所要時間を事前に確認しましょう。
具体例:「ドアtoドアで90分かかる学校を外し、60分圏内の学校を優先的に検討」
③ 校風や特色を確認する
学校ごとに行事や部活動、教育方針などが異なります。オープンスクールやホームページ、パンフレットなどを活用して、子どもに合う環境を見つけましょう。よさそうだという期待感を子どもが抱くことです。
具体例:「理科好きの子どもに、自由研究の発表を重視しているC校を勧めた」
2. 併願校の組み方
① 受験日程を整理する
志望順位の高い学校が同じ日に重ならないように、日程を先に確認しておくことが重要です。カレンダーに書き出しておくと整理しやすくなります。出願日、入試日、発表日時、手続き締め切り、登校日が必要です。
具体例:「2月1日は本命校、2日は抑え校、3日はチャレンジ校と受験日を調整」
② 安全校を確保する
万が一のときにも合格校がある状態にしておくことで、安心感が得られ、精神的にも安定して本番に臨めます。
具体例:「1月の埼玉受験で確実に合格できる学校を受け、2月に挑戦校を受けた」
③ 同系統校で固めすぎない
すべて同じ出題傾向の学校で固めてしまうと、一つの苦手が足を引っ張ることも。問題形式の異なる学校を組み合わせてリスク分散しましょう。
具体例:「算数重視のA校と国語に比重があるB校を併願し、出題傾向を分散」

3. 模試の成績の見方と対策
① 偏差値より正答率を見る
偏差値の上下に一喜一憂するよりも、どの問題で失点したのかを分析し、具体的な対策を立てることが重要です。
具体例:「社会の記述問題が書けない。知識ではなく記述力が課題だとわかった」とわかったら、どのような対策をいつまでにどの頻度で対策するかを相談しましょう。困ったら塾や家庭教師の先生に具体的なアドバイスをもらいましょう。一般論ではなく、何をいつまでにどうするかの目安をもらうことです。
② 伸びている科目に注目
得意科目をさらに伸ばすことで、総合点アップにつながります。本人の成功体験にもなり、自信を深めることができます。まずは得意教科から始め、その後苦手教科に進むとペースがあがります。
具体例:「理科の偏差値が60から68に上昇。図解を使った勉強法が効果的だった」
③ 志望校判定はあくまで目安
模試の判定は過去のデータに基づくもので、あくまで目安です。偏差値を出すために、時間がかかる構成や、国語ならば書き抜きや記述の量を増やします。書いた部分が得点できているか、時間があれば全部できるのかをその時点の模試で判断しましょう。判定が悪くても諦めず、残りの期間でどう伸ばすかが大切です。最高の学力は入試日まで続きますので、頑張れば到達できるかどうかを4教科合わせて検討するデータとして見ることが大切です。
具体例:「第一志望の合格可能性20%だったが、冬から集中して逆転合格」極端ですが、稀なケースです。その前がどういう学習をしていたか、模試がどういう変動だったかはここでは判断できません。しかし、合格した子どもはその模試で結果がたまたま悪かったか、以降分析しなおし、学習を改善したか、志望校の過去問題を通じて答えるべき感覚を磨き上げた場合の子どもです。
4. 塾のカリキュラムとの付き合い方
① 宿題を全部やらない勇気
すべての課題をこなすことが目的ではなく、苦手を克服することが目的です。取捨選択し、重要な分野に集中しましょう。各教科の宿題は全部やろうとすると、やり切れない場合があります。絞ってできることを増やすことが地道ですが効果があがります。
具体例:「毎週の漢字練習は週1回にして、国語の記述対策と算数の図形問題に時間を割く」
② 苦手単元を見える化
復習テストやカリキュラムテストで、何が定着していないかを明確にし、対策を優先的に行うようにしましょう。特に「説明しなさい」という問題に対し、模範解答どおりに書くことは現実的には難しいです。その時の子どもの最高の書き方を身につけベースアップしていくことがレベルアップしていく時間と内容に対応できるようになります。
具体例:「地理の知識問題で失点が多かったため、週に1回復習タイムを設定」
③ 質問タイムを活用
塾や家庭教師の先生とのコミュニケーションを大切にし、自力では解決できない問題は積極的に子どもに質問を促しましょう。
具体例:「授業後に納得いかない問題や応用問題を先生に質問して理解を深めた」
5. 家庭学習のバランス調整
① 家庭では復習中心
塾で習ったことの定着と応用を家庭学習で行うのが効率的です。家では「わかる→できる」に変える時間にしましょう。インプット⇒アウトプットが大切です。認知には個人差がありますので、言葉を発声する、文字を書く、イメージする等知覚しやすい訓練をすることです。
具体例:「国語の記述問題をどうやって書いたかを先生に見せてアドバイスをもらった」、「塾で学んだ地理の内容を、家では地図帳を使って確認した」新しい気づきや面白さがわかると学びが深まり、アウトプットをしやすくなります。
② 週に1回は整理日
溜まったプリントやノートの整理を行うことで、知識の定着や見直しの習慣につながります。
具体例:「毎週日曜日は、1週間分のプリント整理とテスト直しを実施」
土日を午前午後の四分割し、その一つを予備の時間にしておくとよいです。4.5年生は総復習に、6年生は過去問の直し時間にあてると「やりっぱなし」がなくなります。
③ 生活リズムの見直し
睡眠・食事・休憩など、基本的な生活リズムが乱れると学力にも影響します。体調管理も含めた学習環境づくりが大切です。睡眠時間は確保することです。朝起きる時間を一定にするとリズムが作りやすいです。
具体例:「毎日22時に就寝し、朝学習は15分だけでも継続して実施」
6. 志望理由の整理
① 子どもの言葉で答える
作られた答えではなく、本人の想いや体験をベースにすることで、自然な説得力が生まれます。
具体例:「実験がたくさんできる学校に行きたい。理科が大好きだから」
② オープンスクールでの体験を盛り込む
学校見学や文化祭での体験は記憶に残りやすく、具体的な志望理由として活かせます。
具体例:「文化祭で話した先輩の雰囲気が良く、自分もあの学校に入りたいと思った」
③ よくある質問に備えておく
「なぜこの学校?」「入って何をしたい?」などの質問には、準備しておくと安心して答えられます。面接の有無にかかわらず、簡単な理由でもかまわないので、自分の言葉で答えられるようにすることです。過去問の取り組み度合いも変わります。
具体例:「将来は科学者になりたい。そのために理科部に入りたいです」
7. 親子での受験計画の立て直し
① 不安は言葉にする
子どもが「疲れた」「やめたい」と言ったときは、無理に励まさず、まずは気持ちを受け止めてあげましょう。
具体例:「塾をやめたいと言った子に、週末だけ休む提案をして気持ちを整理させた」
② 月単位で計画を見直す
模試の結果や学習の進み具合を見て、月ごとに学習計画を修正することで無理なく継続できます。
具体例:「社会の成績が伸び悩んだため、10月は理社の学習比率を高めた」
③ ご褒美や息抜きを仕組みにする
努力に見合う小さなご褒美や楽しい時間を意識的に設けることで、子どものやる気や継続力が高まります。できれば家族で一緒にできるご褒美を用意しましょう。息抜きと思い出を兼ねることができます。
具体例:「今度の土曜夜は映画鑑賞デー。模試のがんばりを家族でねぎらう時間に」
まとめ
中学受験は親子での協力が鍵です。学校の選び方から受験計画まで、家族全員で取り組めば、子どもが安心して試験に臨む準備ができます。それぞれのポイントを活かして、子どもにとって最適な進路を見つけてください。

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