国語の読解問題を解く上で「仮説で動く」癖をつけることの重要性をご存じですか?行動スピード(すぐやる)、会話の深さ(因果、対比、置換を駆使する)、思考の柔軟さ(相手との良好なコミュニケーションで自身の視野、視座を冷静に分析する)これらが大きく変わるこの力は、中学受験での成功を左右します。今回は、その「仮説力」を育て、効果的に活用する方法について説明します。
Mastering the Japanese language with hypothesis power! The key to success in junior high school entrance exams.
1.仮説力とは何か?
仮説力とは、情報をもとに推測を立て、それを検証しながら進める力のことです。国語読解では特に重要で、未知の文章をよみ解く際に柔軟性や洞察力が問われます。この力は、単に問題を解くだけでなく、将来の思考力やコミュニケーションにも役立ちます。たとえば、どういうことか、なぜか等問われた場合、ざっくりいうと「A」という主要部分を仮説します。その後、「B」という補助部分をつけ足していきます。因果、対比、置換などの型を身につけておくと記述に強い子どもになります。5年生以上になると解答要素が「A」「B」「C」「D」レベルで仮説を付けることが必要です。傍線の前後をまとめて組み立てるというやっつけ技をして学年が上がってしまったら要対策です。

2.国語問題における仮説力の活用法
読解問題を解くとき、「これはこういうことを言っているのでは?」という仮説を立てながら進めることで、文章の全体像を効率よく把握できます。例えば、筆者の意図を推測する際に、段落ごとの内容から仮説を組み立てるとします。間違いを恐れず、検証する姿勢が大切です。設問者の問いに対して記号なのか、書き抜きなのか記述なのかという出題の大きな枠組みが違うことに気づきながら素材文を読める子どもほど、その時点で時間内に自身でできる最高得点をとることができます。

書き抜き問題は仮説力の象徴ですが、時間を奪う問題が多いので、テストの際は後回しにすると後々成果が出てきます。たとえ、解けなくても、記述で得点を重ねるというメンタルを強化することです。模試の場合は得点調整で書き抜き問題がしつこいくらいに出てくる場合があります。そもそも満点を取らせないための大問、設問なので、全部できる子どもはごく稀です。特に我が子が国語が苦手だと思う場合は書き抜き問題はじめから飛ばすつもりでテストに臨むと時間内に実力を出しきれる子どもが多いです。国語のテスト対策は後回しになりがちですが、読解や設問のスキルは個人差がありますので、最適化=解く順番や答え方は大人と相談しながら繰り返して仮説力を磨いていくことをお勧めします。配点は算数と同じ学校が多いことをお忘れなく。
3.仮説力を育てる方法
仮説力を鍛えるには、日常的に読書やニュースを読む際に「この情報の背景は何だろう?」と問いかける習慣をつけることが効果的です。また、問題演習の際に答えを急がず、「どうしてそうなるのか」を考える過程を楽しむことで自然に身につきます。テストや演習時に、時間があれば解けるのか、時間があってもとけないのかの認識は親子で確認することです。時間があれば解ける場合は素材文の読解スキルや問題処理のスキルに磨きをかけることです。時間があっても解けない場合は、その場合は捨て問、直しのときに正解までの過程にどこまでたどりつけかが重要です。無理はしないことです。
記述の模範解答はあくまでも参考に!
時間内で書き切るために、模範解答どおりには書けない場合がままあります。問題作成者がみっちり作り込んだ答えだからです。作成者の意図通りになっていれば、得点はもらえますので、主要部分と補助部分の組み合わせを意識し、実際に自分が書いた文字数がだいたい文字指定の80%以上で書きあげることです。自由記述や行数記述でもあたりをつけることは過去問対策にもつながります。(訓練すると文字数は感覚でわかるようになりますが、模試の素材文や解答用紙のレイアウトに慣れてしまわないことです。どんな記述でも同様に書けるパーソナルスキルを磨くことです。)解き直しに時間をかけ、その時点での最高の答えを書き切ることが地道ですが最大の訓練です。
まとめ
「仮説で動く」癖をつけることで、中学受験国語だけでなく、広範な学びや人生の思考力にも大きな影響を与えます。日々の学習に仮説力を取り入れ、効率的かつ柔軟な問題解決能力を身につけてみてください。クイズ形式で自問自答ができたり、親子の会話で学んだり気が付いたことを伝えにきたりすることが多いです。これらは挑戦と同じで成功への第一歩です。行動スピード、会話の深さ、思考の柔軟さ、が別次元になります。
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