灘中学校の入試は全国屈指の難関とされ、特に国語は高度な思考力と表現力を問われます。2日目の国語の問題では、文章読解の深掘りや記述力を求める出題が多く見られます。この記事では、例年の出題傾向や、日々の学習で注意すべきポイントを整理し、受験生が万全の準備を整えられるよう解説します。
Consideration of the entrance exam questions for Nada Junior High School, Day 2, 2025.
灘中学校2025年2日目入试问题的考察
例年の出題傾向—攻略のポイント
灘中学校の国語2日目では、教育方針・特色にのとった、以下のような特徴が見られます。
- 深い読解力が試される長文問題、そして詩歌
評論文や文学作品を題材にし、筆者の主張を正確に理解する力が求められます。文章構造を把握し、キーワードの関連性を意識することが重要です。 - 論理的な記述問題
論理的に述べる記述式問題が頻出します。時間内に説得力のある文を書く力が必要です。 - 語彙力と表現力
文脈に適した表現を書く問題が多く出題されます。文章の言葉を使う以外にも幅広い語彙を身につけ、適切に使いこなせるようにすることがポイントです。自由記述が多いので、一行15~20文字を目安に書ききることです。
二日目
大問1「あなたを変える行動経済学」大竹 文雄 (著)
行動経済学の第一人者が、身近な話題からわかりやすく解説する行動経済学入門書です。高校生向け講演がベースになっているので、読み易い、読みにくいがはっきりしたかもしれません。興味をもって読み解きしたい文章です。問題作成者も、しっかり読めたかという問いを出していると思います。
大問1:出題は6問、6解答 文字数は約5200文字
文字数は65×80で概算しています。資料もあるのであくまでも目安としてください。
小問1.は表の空欄を書く。読み込めていないと書けない問題です。ここで時間をかけずに次にいけたか。
小問3.は理由。唯一の字数指定なので、対比表現でさっと書き終えたい。
小問4.は「置換」。元どおりの/苦しみをそれぞれ文中の言葉に置き換えて説明したい。
小問5.は「サンクコスト」について理解ができていないと書きにくい問題ですが、オランダ語について勉強するべきではないという主要部分は書けるのではないかと思います。
一度支払った費用や使った時間で、もう取り戻せないもののことを経済学ではサンクコスト(埋没費用)といいます。
大問2『つぼみ』所収の「まだまだ、」から 宮下奈都(著)
2020年に、麻布中の素材文としても出題されました。2016年『羊と鋼の森』が本屋大賞を受賞した作品としても有名ですね。
大問2:出題は8問、18解答 文字数は約4600文字
文字数は64×80で概算しています。会話文なので余白も多くあるのであくまでも目安としてください。
小問1.は漢字。全問正解できた子どもも多かったと思います。
小問2.はこれは「きまりきったこと/きちんとこなす」の具体例置換。さっと書き終えたい。
小問3.は理由。囲碁と将棋を比較していることを見落とさずに、設問の意図に応えて得点したい。
小問4.は漢字の抜き出し。( )よくですぐに探せた子どもも多かったと思います。
小問5.は型のそれぞれの説明。この形にテスト慣れしている子どもも書きにくかったと思います。
国語が苦手な場合は最低限、それぞれ⊖と⊕であることは書いて部分点でもとれるとよいと思います。
小問6.はこれより前の問題文中の言葉と条件付きなので、解答の方針が立てられたかどうかです。
小問7.は解答がかなり割れたのではないでしょうか。主要部分を「どんな花」かを決め、補助部分を
継ぎ足していくようにし、次に進んでいかないと時間を奪われます。
小問8.は「どきどきした」のは⊕の理由なので、「因果」の形式で答えましょう。
ただし、補助部分は人物関係と機微の表現は書いておきたいところです。
大問3:出題は5問、7解答 「どこにでもあるケーキ」 三角みづ紀 (著)
題名はプラネタリウム。7連23行からなります。詩人の記憶を重ねた13歳を描く33篇の書き下ろしです。
小問1.は直視できない理由。あの子と自分を対比して書けたか。第1連なので、全体を読んだうえで答えたい。
小問2.は解答欄で書く字数が違うので、
Aは「たとえを具体的に」
Bは「流れ星」をふまえた「⊕の存在」
として、時間をかけずに書き切りたい問題です。
小問3.は焦らないこと。プレゼント問題です。
小問4.Aは「置換」。脳裏も/満天でをそれぞれ書き換える問題。
Bはそのあとに続けることばを補うとしたらどう書くかが問われる問題。
個人的には先にBからやりAを書きました。
小問5.は主人公の人物像。詩歌の人物像なので、「幼さ」につながるように書き切りたいところです。
日々の対策で注意すること
1. 読書を習慣化する
評論、文学作品、詩歌をバランスよく読み、多様な文章構造に慣れることが重要です。ただ読むだけではなく、要約をしたり、意見を述べる練習をすると効果的です。
2. 記述の練習を積む
毎日短い文章を自分で書き、論理的に説明する力を養います。模範解答を分析し、採点基準を理解することで、より良い答案作成が可能になります。
3. 語彙力を鍛える
日々の読書や問題演習を通じて、難解な語句の意味や使い方を学ぶことが必要です。辞書を活用しながら、実際に使う場面を意識することで定着しやすくなります。自分で説明できるレベルが必要です。
まとめ
灘中学校の国語入試2日目は、高度な読解力と論理的な思考を試す問題が中心です。また、詩歌の読み取りもあります。日頃から幅広い文章に触れ、記述の練習を積むことが合格への近道となります。単なる知識の蓄積ではなく、自分で考え、表現する力を磨くことが重要です。地道な努力が、本番での自信につながるでしょう。
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