中学受験は子どもと家族にとって大きな節目です。この重要な段階で、親が果たすべき役割は極めて重要です。適切な学校選び、学力やニーズの把握、学習環境、学習支援を通じて、子どもの成長をサポートし、学習を効果的に促進します。また、家庭内での学習計画やスケジュール管理、経済的なサポートなどを提供する必要があります。しかし、ただ子どもの心身のバランスを考え、興味や能力を尊重することも重要です。子どもが自信を持って中学受験に臨むことができるよう、10のポイントを適切に理解し、実践することで、子どもがより良い未来に向かって歩むことができるでしょう。
中学受験、親がするべきこと10
- 適切な学校を選ぶために情報収集を行う
- 学校のカリキュラムや教育方針を理解する
- 子どもの学力レベルを把握するために模擬試験を活用する
- 学習環境を整え、学習意欲を引き出す
- 定期的な進捗確認と学習サポートを行う
- 適切な塾や家庭教師を選ぶ
- 学習計画を立て、スケジュール管理を行う
- 経済的な面も考慮し、学習費用の予算を立てる
- 学習と休息のバランスを大切にする
- 子どもの意向や能力を尊重し、ストレスを軽減する
上記10を春休み、夏休み、冬休みの前に一度「家族会議」として設定することをお勧めします。
1.適切な学校を選ぶために情報収集を行う
中学受験では、適切な学校選びが重要です。学校のカリキュラムや教育方針、校風などを調査し、子どもの性格や学力に合った環境を選ぶために、十分な情報収集が必要です。中学受験マッチングやシリタスなどのウェブサイトは、志望校選びに役立つ情報を提供しています。学校の偏差値、教育方針、特徴、写真などを比較検討し、最適な学習環境を見つける手助けになります。親子でじっくり考え、子どもの未来を切り開くための一歩を踏み出してください。
2.学校のカリキュラムや教育方針を理解する
中学受験では、選ぶ学校のカリキュラムや教育方針を理解することが重要です。学校がどの価値観や教育目標を重視しているかを確認し、子どもの成長に適した環境を選ぶために情報収集が必要です。ウェブサイトや学校案内を活用して、学校の特色や教育内容を比較検討しましょう。学校見学や先輩の保護者や生徒に聞く、塾や家庭教師等の専門家に聞く等もその一環です。ただし、専門家の意見はどのような観点で学校を評価しているのかを聞いたうえで家庭での判断のひとつとしてください。主役は子どもであり、家族です。
3.子どもの学力レベルを把握するために模擬試験を活用する
子どもの学力を正確に把握するために、模擬試験を活用しましょう。模擬試験の結果を通じて、弱点や改善すべき点を特定し、効果的な学習計画を立てることができます。首都圏で主催される「4大模試」は、サピックス、四谷大塚、日能研、首都圏模試センターがあります。これらの模試は、志望校の選定や合否判定、学校別判定などを行います。最難関中学を受ける場合はサピックスオープンの受験をお勧めします。学習塾に通っている場合は、塾内模試としてAテスト、外部模試としてBテストという行事になります。塾での説明でテストの位置づけをしっかりと確認しましょう。模試は計画的に受けることで、学習の成果を見えやすくし、学習計画を立てる上で役立ちます。※公立中高一貫模試の判定については首都圏統一模試、公中検模試をお勧めします。専門家に聞くときは4大模試についてどう違うのか聞いてみてください。「うちの子がどの模試を受けるのか」がそれでもわからなければ、その場で予定としてどの模試を受けるべきか、アドバイスを受けてください。(たいへん危険です。)
4.学習環境を整え、学習意欲を引き出す
子どもの学習意欲を高めるためには、適切な学習環境を整えることが重要です。まずは、静かで明るい学習スペースが一般的に良い環境といえます。明るい自然光が入る場所や、外からの音が聞こえにくい場所が多いです。ただし、「そばでなんとなくていいので見てほしい」という場合もありますので、テーブルで学習することをお勧めしているケースもたくさんあります。次に、子どもの興味を引く教材や学習ツールを並べてみましょう。塾の教材であればパッケージされていますが、分量が多い場合がままありますのでやり切れないことが多いです。どこまで使えばよいかを親子で確認し、担当のや別の専門家に相談しましょう。極論ですが、最難関コースでバリバリやっている子ども以外は全教科の教材を全部やる必要はないと私は考えます。また、市販教材や学習アプリ、オンライン教材等も活用できますが、時期と所要時間を考えて、子どものモチベーションがあがるかも含めて検討・実施してください。個人的には親が買ってあげて役立つものは、知識系のもの(例えば、ことわざ辞典)が必要な時にすぐ開けられるのでよいと思います。何冊も与えてあげることは大変失礼ですが、親の「与えた」という満足感と子どもの「所有欲」を満たすだけで実利が伴いにくいのが実態です。どういうときに使うのかをアドバイスして与えてください。そして、親のサポートと関心が子どもに伝わっているか。子どもが学習に取り組んでいることを認め、関心を示しましょう。質問に答えたり、一緒に学習する時間を作ることで、子どもの学習意欲を促進できますが、子どもが追い込まれることがないようにしましょう。関心→寒心になっていることがままあります。
5.定期的な進捗確認と学習サポートを行う
定期的な進捗確認は、子どもの学習を効果的に管理する上で欠かせない要素です。これを通じて、子どもの学習状況や理解度を把握し、彼らの成長を見守ることができます。進捗確認では、子どもがどのように学んでいるか、どの分野で苦労しているかを特定し、必要に応じて適切な対策を講じることができます。たとえば、特定の科目やテーマでの理解度が低い場合、補習や追加の学習リソースを提供することで、子どもの学習をサポートすることができます。(うまく言えない場合もあるので、聞き取りは子どものペースに合わせて具体的にゆっくりこたえられるように努めてください。)また、学習が順調な場合は、定期的な進捗確認を通じて子どもの自信を高め、ポジティブな学習環境を維持することが重要です。親が積極的に子どもの学習に関心をもって、成長をサポートすることで、子どもは自信を持って学習に取り組み、目標を達成することができます。自信がない時期も当然あるのでその場で回復するか、しないようならば、その週はリセットして次の週から改める等の判断は家族でしましょう。
6.適切な塾や家庭教師を選ぶ
子どもの学習を効果的に支援するためには、学習スタイルやニーズに合った教育機関や個人を選ぶことが極めて重要です。パッケージされた塾の中でやりくりできるのが近道と言われていますが、学習スタイルや興味には個性があります。一律の教育方法ではなく、個別に合わせた指導が必要です。そのため、専門的な指導や個別対応を提供する教育機関や個人を選ぶことが有益です。例えば、特定の科目やテーマに苦手意識を持っている子どもには、その分野に特化した専門の家庭教師が適しているかもしれません。また、個々のニーズに合わせてカスタマイズされたカリキュラムを提供する塾や教育機関も有用です。学習塾に通いながら、特定の教科において、個別指導やオンライン指導を併用している方も多いです。これらの選択肢を検討する際には、子どもの性格や学習スタイル、目標に基づいて適切な教育プランを立てることが重要です。親が子どもの学習を効果的にサポートするためには、子どものニーズに最も適した教育環境を提供することが不可欠です。すなわち、子どもの学習スタイルやニーズに合った塾や家庭教師を選ぶことが重要です。ただし、やりすぎはいけません。
7.学習計画を立て、スケジュール管理を行う
子どもの学習を効果的に促進するためには、計画的なアプローチが不可欠です。まず、学習計画を立て、目標を明確に設定することが重要です。この計画は、子どもの学習目標や能力、日常のスケジュールに合わせて作成されるべきです。また、学習計画には適切な時間配分も含まれます。具体的な学習時間を設定し、適度な休憩を取りながら効率的に学習を進めることが必要です。さらに、目標設定は子どもが目指すべき具体的な成果を示すものであり、それらの達成度を定期的に確認することでモチベーションを維持できます。学習計画とスケジュール管理は、子どもが自律的に学習を進める能力を養うと同時に、親が彼らの学習をサポートするための手段でもあります。このような計画的なアプローチにより、子どもは時間を効果的に活用し、学習目標に向かって着実に進歩することができます。そして、これらのスキルは将来的にも役立ち、自己管理能力や時間管理能力の向上にもつながります。個人的にお勧めしているのは最低限、家族の予定として、家族の予定が書き込めるカレンダーやアプリ等で共有できるようにしましょう。学校(家出の宿題含む時間)、受験勉強(受験に関するすべての時間)、習い事(習い事に関するすべての時間)それぞれの時間を曜日ごとにざっくりでも決めておくといいです。経験則としてですが、起床時間と就寝時間は一定にする。そして、土日は何もしない予備の時間をどちらか3時間程度は仮に作っておくとよいです。
8.経済的な面も考慮し、学習費用の予算を立てる
中学受験においては、学習費用は避けて通れない重要な要素です。そのため、親は経済的な面も考慮に入れて、学習費用の予算を立てる必要があります。(特に必要がない方は以降は読み飛ばしてください)まず、家計を見直し、収入と支出のバランスを考慮しながら、中学受験に必要な費用を見積もります。この際には、学校の入学金や授業料、教材費、模擬試験の費用などを含めて十分な予算を設定することが重要です。また、学習費用だけでなく、その他の日常生活費や家計の予備費も考慮しておくことが賢明です。さらに、予算を立てる際には無理のない範囲で子供の学習をサポートできるように配慮することも大切です。必要な支出を見積もり、家計に負担がかからないように計画を立てることで、子どもの学習に安心して取り組むことができます。経済的な面を考慮に入れた賢明な予算立ては、子どもの学習を円滑に進めるための重要なステップと言えます。
9.学習と休息のバランスを大切にする
学習と休息のバランスを保つことは、子どもの健全な成長にとって極めて重要です。適切な休息時間を確保することで、子どもの身体的な健康や精神的な安定を促進します。学習と休息の適切なバランスを取ることで、疲労やストレスを軽減し、より効果的に学習することができます。休息を取ることで、脳は情報を処理し、新たな学習を効果的に取り込む準備ができます。また、適度なレジャーの時間も重要です。遊びや趣味に時間を割くことで、子どもはリフレッシュされ、学習に対するモチベーションが高まります。さらに、レジャーの時間は創造性や社会性を発揮する場でもあります。バランスの取れた生活を送ることで、子どもは学習への熱意を維持しつつ、ストレスや疲労から解放されます。親は子どもの日常生活におけるバランスを見守り、必要に応じて学習と休息の調和を取るようサポートすることが重要です。子どもが充実した学習と健康的な休息の両方を経験することで、彼らの成長と発達が促進されます。適切な休息時間を確保し、学習とレジャーの時間をバランスよく配分することで、子どもの学習効果を最大化しましょう。
10.子どもの意向や能力を尊重し、ストレスを軽減する
子どもの個性や好みを尊重し、彼らが自らのペースで学習に取り組むことは、彼らの成長にとって極めて重要です。親が子どもの興味や能力を尊重し、それに合った学習サポートを提供することで、子どもは自信を持って学習に臨むことができます。例えば、子どもが特定の科目や活動に興味を持っている場合、それに関連した教材やアクティビティを提供することで、彼らの学習意欲を高めることができます。小説が好きな子どもには、私が子どもの時に読んで感動した本や、先輩が読んでいた本等を2~3冊紹介し、興味があるもの一つを選んで読んでもらいます。また、子どもの能力に合わせて適切な難易度の学習内容を提供することで、彼らの成果を引き出すことができます。小説であれば、どの時期の舞台かを学齢や教材の設置とともにあったものを紹介します。スマートフォンがない時代なのか、冷蔵庫がない時代なのかによっても読みやすさが変わってきます。さらに、子どもが自らの興味や能力に基づいて学習に取り組むことで、モチベーションが向上し、彼らは自らの目標を達成するために努力するようになります。このように、子どもの個性や好みを尊重し、それに合った学習環境を提供することで、ストレスを軽減し、彼らの学習効果を最大化することができます。子供の意向や能力を尊重し、適切な学習サポートを提供することで、ストレスを軽減しましょう。子どもが自らの興味や能力に基づいて学習に取り組むことで、モチベーションが向上し、成果を上げることができます。※チックが出てきた等気になることがある場合は、まずは医者に相談しましょう。
親という漢字は「木の上に立って見る」という成り立ちです。子どもの何が見えていますか?
前回の記事はコチラ↓
コメント