実質倍率は 約2.4倍
募集人数 | 応募者数 2594 | 受験者数 2523 | 合格者数 1085 | 実質倍率 約2.4倍 |
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試験について入試データ→市川中学校
市川中学校の2025年第1回の実質倍率は約2.4倍でした。市川中学校は千葉県の難関共学中学校として有名ですね。
建学の精神
「独自無双の人間観」
人はかけがえのない唯一無二の尊い存在であり、それぞれが素晴らしい個性や可能性を持っている。「よく見れば精神」
生徒一人ひとりの持ち味を見極め、引き出し、開発・進展させる。「第三教育」
本校では家庭教育、学校教育をそれぞれ「第一教育」「第二教育」とし、それに並行して自ら学ぶ自分自身による教育を「第三教育」としている。生涯にわたり学びを続ける能力を育む「第三教育」を教育の主眼とする。
引用:市川中学校・高等学校HPより引用
SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校で、成果も学校のホームページを一通り親子でみるとよいでしょう。千葉テレの有名私立中学入試のヒントも観ている方は多いと思います。
4教科各100点の入試ですので、バランスのとれた学習ができているか、また、理科社会で挽回できるという見方もできる入試です。
大問1: 説明文
論説文「わからない世界と向き合うために」
中屋敷均(なかやしき・ひとし)著 筑摩書房 (2024/2/8)
著書に『生命のからくり』(講談社現代新書)、『ウイルスは生きている』(同/2016年講談社科学出版賞受賞)があります。
無謀じゃダメだし、臆病でもいけない!
消えない不安の中で、自分を見失わないために、大切なことを届けたい。本の内容紹介より
神戸大学 大学院農学研究科 生命機能科学専攻の教授の著書です。農学博士でもある筆者が、様々な自然現象や自らの学生時代のエピソードを引きながら、科学/非科学の二項対立に陥ることなく、ニュートラルに論じています。すぐに正解を出そうとしたり、効率の良い方を優先したりするのはいかがなものかという内容です。
出題は5問、6解答 文字数は約4100文字
55×76=4180として換算しています。
記号問題は5択、記述問題は2題。それぞれ問題用紙に下書き欄もありますが、利用するかどうかは個人差があります。過去問の練習の際にどういう使い方をするのがよいか、使わないことも含め、先生と相談しましょう。下書きを完成させて、もう一度解答用紙に書くことは、2回書くことになります。下書きのメリットはより伝えやすく構成された答えを書けること。デメリットは写す時間がかかることです。1個目の記述は「対比」を用いて説明すると書きやすいです。文字数が多いので、2文に分けて書くと読み手には伝わりやすいので、思い浮かんだ方で迷わず書き切ることです。2個目の記述は本文の内容を参考にしながら「あなたの考えを書きなさい」という問題ですので、過去問題での練習は必須です。特定の中学校や都立や県立高校の入試問題でよく出題される問題ですが「自分事に置き換える」ことがポイントです。塾の教材でも同様の出題が定期的にあるものが多いので、量的にこなしている場合は苦にならないでしょう。ただ、きちんと大人に添削してもらう確認は必要です。
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大問2:随筆「かぞえる」
随筆 数学の贈り物「かぞえる」
森田 真生 (著) ミシマ社 2019年03月発売
独立研究者。東京大学理学部数学科を卒業後、独立。京都に拠点を構えて研究を続けるかたわら、国内外で「数学の演奏会」「大人のための数学講座」「数学ブックトーク」などのライブ活動を行っている。2015(平成27)年、初の著書『数学する身体』で、小林秀雄賞を最年少で受賞。この本は2冊目です。
いま(present)、この儚さとこの豊かさ。 独立研究者として、子の親として、一人の人間として ひとつの生命体が渾身で放った、清冽なる19篇。著者初の随筆集。 目の前の何気ない事物を、あることもないこともできた偶然として発見するとき、人は驚きとともに「ありがたい」と感じる。「いま(present)」が、あるがままで「贈り物(present)」だと実感するのは、このような瞬間である。引用:本書より
出題は5問、6解答 文字数は約2800文字
※文字数は1行54文字で換算しました。
問1は慣用句なので完答必須です。文章を読みながら書ける受験生が多かったと思います。問2は「」を用いた理由を答える記述問題。「」が「強調」していることはわかるが、文中から強調したいことは何かを因果で解答方針が立てられれば書き切れる問題。それ以降は記号問題で「最も適当なものを選ぶ」問題。2択までは絞れるが、最もに当てはまる条件を普段から丁寧に訓練しておかないと、迷って時間がかかることもあります。特に問5は筆者の考えを選ぶ選択文自体が長く選択肢を読むだけで時間がかかりますので確信ポイントを探ることです。
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大問3:漢字の書き取り
8問8解答
普段から漢字練習をしていれば、特に難しいものはないレベルです。ただ、それは大人にとって容易に感じる言葉なので、「宿敵」や「余興」などは聞いたり読み書きしたことはあるが、書けなかった子ども一定数いたと思います。宿敵は、天敵や外敵、宿命のライバルなどの類義語として、また、同音異義語、同訓異字語は確実に点を取れるようにしておきたいところです。

受験者平均点は59.1点。全教科合計も232.8点、約6割が合格の目安でした。文章量や問題数は多くはありませんが、大人が読んでも考えさせられる文章です。文章の読み込みは論理的思考力をもって問題作成者の問いに的確に答えること。特に記述問題は思いっきり書き切ることです。「個性の尊重と自主自立」が教育方針の市川中学・高等学校です。学習指導要領を最低要求レベルと位置づけ、主要教科の時間数を確保し、基礎学力の向上をはかると明言している学校だけに、ハイレベルな論理瀧思考力と説明能力が問われます。
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