赤とんぼの歌詞は老若男女問わず、知ってると思います。夕方のサイレン音も聞いたことがある方も多いと思います。詩の問題ですが、初見の小学生にクイズを出すと論理的思考力が一発でわかります。子どもにおもしろおかしく学んでもらうために、私がよく板書してクイズを出す詩です。学習=楽習という意味で読んでいただければ幸いです。
1番だけ板書します
ゆうやけこやけの あかとんぼ おわれてみたのは いつのひか
問題
「おわれて」を送り仮名を含めて漢字に直しましょう。
今までで5,000回以上の子どもに質問したでしょうか。子どもの解答ベスト3は以下です。
①追われて…これが圧倒的に多い解答です。
「赤とんぼの大群に襲われて大けがをした」のでしょうか(笑)と私からお返しします。
②終われて…疲れての意味、あるいは寝てしまったという感じです。
③負われて…背負われて。おんぶの状態が理解できています。
※既に知ってる子が答えることが多いです。
正しい歌詞は以下です。
夕焼け小焼けの 赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か。
山の畑の 桑の実を 小籠(こかご)につんだは、 まぼろしか。
十五で姐(ねえ)やは 嫁にゆき お里のたよりも たえはてた。
夕やけ小やけの 赤とんぼ とまっているよ 竿の先。
三木露風の作詞、山田耕筰の作曲
ポイントは情景を論理的に想像すること
この時代のレベルの詩を理解できるかどうかで、難関校の詩の正答率は大きく変わります。
物語・小説も同様、文章に書かれた時代背景が理解できていないと解くことに時間がかかり苦労します。
はじめは①でもかまいませんが、②③のように子ども自身が積極的に論理的思考力を発揮することです。
かなり前ですが、筑波大附属駒場中でもこの詩が出題された記憶があります。
次のレベル
うさぎおいしかのやま こぶなつりし かのかわ
これも、理解できるようになります。ただし、紹介する順番が大切なのです。
「し」についての解釈がわからないと、普通にうさぎが「美味しい」と解釈し、「迷子」になるわけです(笑)
うさぎを食用にしている国もあるので「おいしいかも」と認めながら正しい方に切り返します。
私は、文法で助動詞「た・だ」を学んだあとに紹介するようにしています。
「し」が過去形であることを小学生のうちに理解することにより、過去の助動詞「だ」が昔は「し」だったことがわかり、中学生になって古文がより取り組みやすくなります。
時間があれば、2番3番を読みます。
定型詩であること=歌だから、一定のリズムであること。
難関系レベルの子どもには「七五調」を説明します。
3番が「体言止め」であることを確認します。
余談として、時代背景を理解してもらうために、以下を簡単に紹介します。
「三木露風」は5歳の時に両親が離婚しました。
母親とは生き別れとなり、祖父の元で子守り奉公の女中(姐や)に面倒を見てもらっていました。
女中の姐や(お姉さん)に背負われて「夕焼小焼の 赤とんぼ」を見た幼い頃が1番。
その姐やもやがてお嫁に行き、姐やからの手紙(便り)も送られてこなくなってしまったのが2番。
最後の歌詞はあれから幾年月を経て見る現風景だということで紹介を終えます。(回想の概念と体言止め)
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「お里のたより」については、誰から誰への手紙なのか?
姐やの故郷から姐やへの手紙なのか、お嫁にいった姐やから三木露風への手紙なのか、母親から三木露風への手紙なのか、どう思いますか?
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