親として、子どもが「塾を辞めたい」と言い出したときの驚きや心配は、非常に大きいものです。受験という大きな目標に向かって頑張ってきた姿を見てきただけに、その気持ちを理解しようとすることは簡単ではありません。しかし、まずは子どもの気持ちに寄り添い、その背景にある本音をしっかりと聞くことが大切です。
子どもの気持ちを尊重し、親子の対話を深める
「塾がつらい」「もう頑張れない」という言葉の裏には、ストレスやプレッシャー、学習への不安、あるいはモチベーションの低下など、さまざまな理由が隠れているかもしれません。
親としての希望や願いを伝えることももちろん大切ですが、それ以上に、子どもが何を感じ、何を望んでいるのかを理解しようとする姿勢が重要です。
子どもにとって親は忙しく見えて自分の話を聞いてくれないという場合が多いです。
お子どもが納得できる解決策を一緒に見つけるために、親子の対話を重ねることが必要です。
たとえその過程での困難や葛藤は、子どもととともに歩むこの時間であり、親子の貴重な経験です。
塾の役割を再確認し、柔軟な対応を検討する
小6でカリキュラムを終えている場合は、お子さんが一定の学習基盤を築いている状態です。
ここで一度、塾の役割を見直してみることも有益です。
塾が今後、どのようにお子さんの学習に貢献できるのか、塾の先生と相談し、再度プランを見直すことができます。
例えば、模試の結果をもとにした個別フォローや、志望校に特化した対策講座など、よりお子さんに合った学習方法を提案してもらうのも一案です。
塾の先生と協力し、お子さんが最適な形で学習を継続できる環境を整えてあげましょう。
たいていの場合は、ちょっと休憩をしたり、信頼する先生や友達からの励ましのいずれかで、また流れに乗ります。
ちょっと、回復を待ち、現状維持する>一部個別指導等のフォローを強化する>塾をかえる>家庭で親が観る
6年生は9月以降、過去問題と模試、土日のゼミ等で学習サイクルが最繁忙期を迎えます。
塾のシステムに乗っかるのが最も効率は良いですが、個別最適化がなされていないと感じたら、教科ごとにバランスをどうとるといいかは聞いてあげましょう。
例えば、国語の記述が多い学校は難関校が多いです。
過去問の直しと分析をすることで実施するべき年数と対策方法は変わります。
家庭学習に切り替えるという選択肢
基本は、極力学習環境は替えないことをお勧めします。
切り替えるよりは、特定の教科において、個別学習や家庭教師を追加している状態が好ましいです。
環境を大きく替えると親の心配も募ります。
塾をやめて、家にこもっていると、「今頃みんなは…」と考えてしまう場合、親としてもやり切れませんので、塾を辞める場合は相当の覚悟をもって家庭と塾で話し合いましょう。
塾からの優先順位の提案がある場合が多いですが自分の子どものことを思っての具体案か、一般論かを冷静に考える機会にもなります。
小6の夏休み後はカリキュラムを修了しているため、復習や弱点補強に焦点を当て、家庭でサポートしながら学習をすることが大切です。
どうしても子どもが塾に通うのを嫌がるようならば、塾を辞めた場合、以下の学習に絞ることをお勧めします。
ポイントは3つ
①過去問と模試に絞って学習すること。
②①のやり直しや弱点補強のフォローを行うこと。
③規則正しい学習リズムを維持すること。
親としてサポートを続けることが求められます。(親子で二人三脚ですが、これが非常に大変です。)
学習進捗を確認し、適切なアドバイスやフォローを行うことで、子どもが安心して学び続ける環境を提供し続けなければなりません。
受験への意欲を取り戻すための工夫
子どもが受験に対して前向きな気持ちを持てるようにするためには、モチベーションを高める工夫も重要です。
具体的な目標設定や、達成した際のご褒美を設定することで、目指すべきゴールが明確になり、再び意欲を取り戻す手助けになります。
また、受験の意義や、その先にある達成感を親から伝えることで、子どもにとって受験が「ただの試練」ではなく、将来への大切なステップであることを理解してもらうことができます。
親子の具体例を会話形式でロールプレイングしてみましょう
親: 「ねえ、どうして塾を辞めたいと思ったのか教えてくれる?」
子ども: 「なんか、もう疲れちゃったんだ。毎日塾に行って勉強するのがつらくて…。もう頑張れない気がする。」
親: 「そうだったのね。毎日一生懸命頑張ってきたから、疲れちゃうのも無理はないよ。お母さんは、あなたがどれだけ努力してきたか知ってるよ。辞めたい気持ちもわかるし、無理に続けさせたいとは思ってないんだ。でも、受験について少し考えてみない?」
子ども: 「うん、でも、受験って本当に必要なのかな…。ただつらいだけで、あんまり意味があるように思えなくて。」
親: 「確かに、今はすごく大変だよね。でもね、受験はあなたの将来に向けた大切なステップなんだよ。例えば、志望校に合格できたら、その学校でしか学べないことや、新しい友達との出会いが待っているの。今はまだ見えないかもしれないけど、その先にはたくさんの可能性が広がってるんだ。」
子ども: 「でも、今はその未来が遠くて、何のために頑張ってるのか分からないよ。」
親: 「そう感じるのも自然なことだよね。でも、考えてみて。これまでの努力が無駄になることはないし、受験を乗り越えたときの達成感はきっと大きなものだと思うよ。受験は、あなた自身の力を試す機会でもあるし、将来の夢を叶えるための一歩でもあるの。」
子ども: 「将来の夢か…。」
親: 「そう。将来、何かを成し遂げたいと思ったときに、今頑張った経験がきっと役に立つんだよ。お母さんは、あなたが自分の力を信じて、未来を切り開いていく姿を見たいと思ってる。だから、一緒に考えて、もう少しだけ頑張ってみない?」
子ども: 「わかった、もう少し頑張ってみるよ。でも、お母さんも一緒にサポートしてくれる?」
親: 「もちろん!一緒に頑張ろう。あなたが自分のペースで進んでいけるように、お母さんはいつでもそばにいるからね。」
あくまでも、母親としての一例ですが、親ではなく第三者に頼んだ方がよい場合もあります。
既に気を利かせた塾の先生が子どもに話しをている場合もあるので、杞憂に終わっている場合はが一番良いです。
どんなやり方でも、一緒に一度、親の期待や愛情が、子どもの「やる気」を支える力となるでしょう。
まとめ
すでにカリキュラムを終了している場合は、塾を辞めたとしても、家庭学習で対応できる可能性はあります。
しかし、その決断をする前に、お子さんとしっかりと話し合い、一緒にベストな選択肢を見つけることが大切です。
親としては受験に向けて準備を進めてほしいという願いがある一方で、子どもの気持ちを尊重し、支えていくことを忘れてはなりません。
この時期に親子でしっかりと話し合い,もし、決断する場合の経験は、きっとお子さんの成長に繋がるはずです。
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