【春期講習】「文章を眺めているだけ」を防ぐ。記述対策の最初の一歩は『設問の意図』の言語化から

なぜ、我が子は記述問題で「フリーズ」するのか?
春期講習も3日目、4日目。テキストの記述問題を見て、お子様の手が完全に止まっている。そんな光景を目にしていませんか?「時間ばかりが過ぎていく」「何か書きなさいと言っても、また文章をぼんやり眺めているだけ」。 焦る気持ちから、「なんで書けないの! 読めばわかるでしょ!」と強い言葉を投げかけてしまい、自己嫌悪に陥っている親御さんは少なくありません。
30年間、数多の受験生と向き合ってきて断言できるのは、「文章を読めること」と「答案を書けること」は、全く別の能力だということです。「読めばわかる」のに「書けない」。 それは、お子様のやる気や能力の問題ではありません。答案を作成するための「解法のメカニズム(設計図)」が、脳内にまだ構築されていないだけなのです。
今回は、春期講習で出会う記述問題という「壁」を突破するための、最も重要で、最も見落とされがちな「最初の一歩」について、脳科学的な視点も交えて解説します。
フリーズの正体は「脳内スペックのパンク」
記述問題が出た瞬間、お子様の脳内では何が起きているのでしょうか。 多くの親御さんは「何を書くか(内容)」に悩んでいると思っていますが、実はその前段階でつまづいているケースが圧倒的に多いのです。
私は、子どもの学習を「認知の個性(脳の特性)」から分析します。記述問題に取り組む際、脳のワーキングメモリ(作業領域)には、膨大な情報が押し寄せます。
- 本文の内容を記憶しておく
- 設問の条件(「理由を」「〜から」など)を守る
- 書き出しと結び(末尾)を整える
- 指定された字数に収める
- 正しい漢字と表現を使う
記述が苦手な子どもは、これら全ての要素を「同時に、かつ無意識に」処理することが苦手です。どれか一つでもスペックを超えれば、脳は情報を処理しきれなくなり、「フリーズ(文章を眺めているだけ)」の状態になります。つまり、「眺めているだけ」に見えても、脳内はパニック状態なのです。これを防ぐためには、複雑な処理を「分解」し、一つずつ「論理的な設計図」に落とし込んでいく必要があります。その設計図の「基礎」となるのが、次に説明する「設問の意図の言語化」です。
春の記述対策は、鉛筆を持たずに「口頭」で始める
記述対策というと、すぐに「たくさん書かせる」練習を想像しますが、春のこの時期にそれをやると、お子様は記述が大嫌いになります。なぜなら、書けば書くほど「できない自分」を突きつけられるからです。
私は指導時、記述のペンが止まっている子に対し、こう声をかけます。
「ちょっと待って。今は書かなくていいよ。この問題、結局『何を』聞かれていると思う? 一言で言ってみて」
これこそが、「設問の意図の言語化」です。 記述答案の9割は、この「問いに答えているか」で決まります。しかし、記述が苦手な子は、設問文にある「条件」や「ヒント」を読み飛ばし、自分の書きたいことだけを書こうとします。
まずは、問題用紙を閉じ、鉛筆を置かせて、親御さんとの「口頭」でのやり取りから始めましょう。
親:「この問題は、主人公の『どんな気持ち』を聞いているのかな?」
子:「えっと……悲しい気持ち?」
親:「そうだね。じゃあ、なんで悲しいんだっけ?」
子:「お母さんに嘘をついちゃったから」
この瞬間、お子様の脳内には、「お母さんに嘘をついちゃったから(理由)、悲しい(気持ち)」という、論理的な答案の骨組み(設計図)が出来上がります。この骨組みができて初めて、鉛筆を持って、字数を調整したり、漢字を確認したりする段階へ進めるのです。春期講習の宿題では、まず記述問題の隣に、この「口頭で確認した骨組み」をメモすることだけを目標にしてください。

「認知の個性」に合わせた、世界に一つだけの設計図
このやり取りの中で、親御さんはお子様の「認知の個性」に気づくはずです。「気持ちを言葉にするのが苦手な子」 「理由はわかっているのに、結び(文末)を忘れてしまう子」 「細かい条件を守るのが苦手な子」これらは全て、お子様の「脳の使い方の癖」です。癖がわかれば、それに対する「正しい修正メカニズム」を当てはめればいいだけです。
「気持ちを言葉にするのが苦手」なら、私が開発した「感情の設計図」を使って、選択肢のように気持ちを選ばせてみる。 「文末を忘れてしまう」なら、最初に「〜だから悲しい。」と、結びだけを先に書かせてみる。
30年の経験と脳科学に基づいたこれらのアプローチは、お子様の脳にかかる負荷を劇的に減らします。 春休みという短い期間で記述力が劇的に伸びる家庭の共通点は、「たくさん書かせる」のではなく、「認知の癖に合わせた設計図(解法ロジック)」を手に入れた家庭です。
まとめ
焦りは無用。まずは「問われていること」を、笑顔で口に出す
春期講習は始まったばかりです。今の記述の白紙を、焦る必要は全くありません。むしろ、白紙であるということは、まだ「間違った書き方の癖」がついていない、まっさらな状態とも言えます。
もし明日、塾から帰ってきたお子様が記述問題を見てフリーズしていたら、笑顔でこう声をかけてあげてください。「大丈夫。赤めがね先生が言ってたけど、これは脳がちょっとパンクしてるだけだって。まずは、鉛筆を置いて、この問題が『何を』聞いているか、私に一言で教えてくれる?」その瞬間から、お子様の脳はフリーズを解き、論理的に考え始めます。出口のないトンネルはありません。もし、親子でのやり取りに限界を感じたり、お子様の具体的な「認知の個性」を知りたくなったりしたら、いつでも私の設計図を頼ってください。使える部分だけ利用するだけでも心が軽くなれば幸いです。
最後に
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