【国語が苦手な小学生へ】物語文の「心のズレ」が読めない理由と家庭でできる3つの声かけ

【国語が苦手な小学生へ】物語文の「心のズレ」が読めない理由と家庭でできる3つの声かけ

「物語文・小説はセンスが必要」と思っていませんか? 実はその思い込みこそが、お子さんの読解力の伸びを止めているかもしれません。物語文が苦手な子の多くは、「気持ちがわからない」と感じています。でも、その原因は感性の問題ではなく、「読み方の順番」にあるのです。
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特に、以下の3つの読み落としがよく見られます

  • セリフを本音だと思い込んでしまう
  • 行動と気持ちの矛盾に気づけない
  • 気持ちが変わる「合図」を見逃す

これらは「センスがない」からではありません。 読むべき情報を、正しい順番で拾えていないだけなのです。物語文も説明文と同じく、「どこから読むか」で理解の深さが大きく変わります。 今回は、物語文を読み解くための3つの視点と、家庭でできる具体的な声かけをご紹介します。

目次

セリフは疑え。「本音」は行動に出る

子どもたちはセリフを真っ先に読みたがりますが、実は物語文においてセリフほど“あてにならない”ものはありません。 なぜなら、人は言葉で嘘をつけるからです。たとえば、「怒ってないよ」と言いながらドアをバタンと閉める。 この行動の違和感にこそ、本当の気持ちが表れています。論理瀧思考や批判的思考、共感などを踏まえて作成者の意図に沿って何を聞いているのかの設問はセリフ、言動、情景描写をとらえるところから始まります。

家庭でできる声かけ①

「この行動の裏に、どんな気持ちがあると思う?」
セリフと行動のズレを探す探偵ごっこは、読解力を育てる最高のトレーニングになります。

気持ちは突然変わらない。「変化の合図」を見逃すな

物語の中で気持ちが変わるとき、予告めいたものがあります。 以下のような言葉が出てきたら、感情の変化のサインです:

  • 「しかし」「ところが」などの逆接
  • 「そのとき」「ふと」などの転換
  • 「思わず」などの無意識の反応

これらを見逃すと、話のの展開についていけず、選択肢で迷う原因になります。

家庭でできる声かけ②

「どこで気持ちが変わったと思う?」
「『しかし』のあとかな?」「『ふと』って書いてあるね」と一緒に探すことで、感情のスイッチに気づく力が育ちます。

感情の根っこを探る。「何を大事にしている人?」を考える

「なんで急に怒ったの?」「なんで泣いたの?」 そんな疑問を持つ子は、感情の“枝葉”だけを見ている状態です。しかし、感情の変化には必ず理由があります。 その人物が「何を大切にしているか(価値観)」を知ることで、行動や気持ちの意味が見えてきます。たとえば、「テストで60点を取った」という出来事。 100点を目指す子なら「悔しい」、前回30点だった子なら「嬉しい」と感じるでしょう。 同じ出来事でも、価値観によって気持ちは真逆になるのです。

家庭でできる声かけ③

「この子にとって一番大事なのは何だと思う?」
「友達? プライド? 約束?」と問いかけることで、人物像の核に迫ることができます。

読解のカギは「価値観の軸」を持つこと

「この子は正直でいたいと思ってるんだな」 そんな価値観の軸が見えると、内容のすべての行動が一本の線でつながります。もちろん、リード文があれば確実に内容を理解してから読まないと解けない問題もあります。

  • 嘘をついた友達に怒ったのは、正直を大切にしているから
  • 自分が損をしてでも本当のことを言ったのも、正直でいたいから

物語文・小説は、ただ文字を追うのではなく、 「この人は何を大切にしているのか?」という視点で読むことで、 お子さんの読解力は格段に深まります。文章を読みながら、傍線が出てきたら問題を解くということをしていると、長文では追いつきません。1回全体の内容を通読してから設問に取り組む練習をしないと時間配分がうまくいかないということはよくあることです。対策は個人差がありますので、先生や家庭教師に相談しましょう。中学受験の場合は子どもが自立し修繕する経験やスキルが自分の世界の中で完結します。親の方がそれがわかる場合が多いので、先生には意向を丁寧に伝え、我が子の助けになる人とタッグを組むことです。

まとめ

物語文は「センス」ではなく「手順」で読める

物語文が苦手な子ほど、「気持ちは感覚で読むもの」と思い込んでいます。 でも実際は、以下の3つの手順を踏むだけで、誰でも本音にたどり着けます

  1. セリフではなく「行動」から読む
  2. 気持ちが変わる「合図」を見逃さない
  3. 人物の「価値観」を探る

この3ステップを意識するだけで、選択肢の迷いも減り、読解の精度が安定します。 ぜひ、今日の家庭学習や読書の時間から取り入れてみてください。

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印刷して〇をつけながら使えるチェックリストをご用意しました。 私が実際にお子さんへの声かけで使っているフレーズを厳選しています。

✅ 読解の手順を可視化したい方
✅ 自己採点の精度を上げたい方
✅ テストの時間短縮を目指したい方

中学入試の国語では、文芸春秋から随筆のような高度な文章も出題されます。 大人の登場人物の言動や背景から心情を読み解く力は、日々積み上げていくことで教養としてみにつけるものもあります。

物語文の読み解きチェックリストをダウンロードする(PDF)

ご家庭での声かけが、お子さんの読解力を大きく変えます。 「心のズレ」を読み取る力は、国語だけでなく、これからの人間関係にも必ず活きてきます。 ぜひ、今日から一緒に始めてみましょう。

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