「できる子」は解く前に何をしている?時間配分の黄金ルール

中学受験の国語で「時間が足りない」と感じるお子さんは少なくありません。本文が長く、記述も多く、焦ってしまう気持ちはよくわかります。でも実は、点を取る子ほど「解き始める前」にしっかり時間を使っているのです。今回は、国語の時間配分のコツと、ご家庭でできるサポート方法についてご紹介します。
“What Do ‘Capable Kids’ Do Before Solving Problems? The Golden Rule of Time Allocation”
① 試験開始直後の「見通し」が勝負を分ける
試験が始まった瞬間、すぐに本文に飛び込む子が多いですが、ここに落とし穴があります。国語の試験は、文章量や設問の数・形式が毎回違います。そのため、最初の1〜2分で問題全体をざっと眺めることが重要です。
- 設問の数は何問か
- 記述問題はどれくらいの分量か
- 選択肢の多い問題はあるか
こうした情報を先に把握することで、「どこに時間をかけるべきか」の見通しが立ち、本文の読み方が変わります。
② 本文の読み方にも「戦略」がある
ただ読むだけでは、時間が足りなくなるのも当然です。設問を先に確認しておくことで、本文の中で「何を探すべきか」が明確になります。
- 主題や筆者の考えに関わる部分は、特に丁寧に読む
- 登場人物の心情や場面の変化には印をつける
- 記述問題に関係しそうな箇所は、根拠を意識して読む
また、読みながら簡単なメモを取ることで、後の解答時間が短縮されます。たとえば「①は心情」「②は理由説明」など、設問のタイプに合わせて本文の対応箇所を整理しておくと、迷わず答えにたどり着けます。
③ 理想の時間配分「本文6:解答2:見直し2」
時間配分の目安は「本文6:解答3:見直し1」。たとえば60分の試験なら、以下のようなバランスが理想です。
- 本文の読み+メモ取りや線引き:約35分
- 解答作業:約20分
- 見直し:約5分
この配分を守ることで、焦りが減り、設問の読み違いや記述のミスも防ぎやすくなります。特に見直し時間を確保することで、記述の表現や選択肢の根拠を再確認でき、得点が安定します。試験時間が50分、40分の場合も想定して試験前にはある程度の対応をするイメージをつけておくことです。大問の数によっても変化はありますが、自分なりのペース配分をつくれているかを確認してあがると試験中の焦りが減ります。また、スピードがある子どもの黄金比は「本文6:解答2:見直し2」で飛ばした問題を見直しで使うというお子さんも多くいます。
④ 家庭でできる「時間感覚」のトレーニング
保護者の方ができるサポートは、「時間感覚を体に染み込ませる練習」です。たとえば、家庭学習でもタイマーを使い、「設問確認→読解→解答」の流れを再現してみましょう。
ポイントは、時間を測るだけでなく、終わったあとに「どこで時間を使いすぎたか」「見直しはできたか」を一緒に振り返ることです。何度も繰り返すうちに、お子さん自身のペースが自然と身についていきます。

成功例と失敗例
成功例
試験開始直後に設問をざっと確認し、「記述が多いから後半に時間を残そう」と判断。本文を丁寧に読みながら、主題に関係しそうな部分に印をつけ、記述では根拠を明確にして回答。最後の10分で見直しをして、誤字と表現ミスを修正。結果、記述で高得点を獲得。
失敗例
試験開始と同時に本文に飛び込み、設問を確認しないまま読み進める。途中で記述が多いことに気づき焦るが、時間が足りずに解答を急ぎ、見直しもできず終了。記述の設問で設問の意図を読み違え、得点が伸びなかった。
効果的な改善策は解き直しです。全体を振り返り、どのような進め方をしたか、どこで時間がかかったか、書き直しをしたか、文章と設問を必要以上にいったりきたりしなかったかなどを考えなおすこと。そして、記述問題で得点をとれたか、より1.2点加点されるにはどうすればよかったかを時間をとって振り返ることです。(この時間を確保するのが難しく、直しノートを作りなさいと塾などで言われて自分の問題点と課題を洗い出さない作業になったりします。直しノートでなくとも、自分の問題用紙や答案に書き込むでも内容は同じなので何かの時にすぐに取り出せるようにしていれば構いません。)
まとめ
国語の試験で時間が足りない原因は、本文に入る前の準備不足にあります。設問の確認と読み方の工夫で、時間配分が整い、得点が安定します。たとえば、家庭ではタイマー学習で「自分のペース」を育てることが、焦らず解く力につながります。中学校によって試験時間は前後しますが、文章の難易度、文字数、設問数によって、時間内に自分の持っている力をテストに書き切ることは誰しも同じ思いです。準備不足×熱量×学力という観点で振り返ってみるといいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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