お盆が過ぎると夏休みも終盤。保護者にとっては焦りが募る時期かもしれませんが、「後でやる」という言葉は危険信号。夏休みの貴重な時間を無駄にしないための注意点や、親子で効率的に学習を進める方法を探りましょう。小さな工夫が大きな成果につながります。The trap of exams caused by the ‘I’ll do it later’ after Obon.
お盆明けの憂鬱:原因と解決策
お盆が明けると、「夏休みがあと少ししかない!」という焦りが一気に押し寄せ、憂鬱な気分になることがあります。例えば、夏休み前半に掲げていた学習計画が予定通り進んでいないと感じた時や、模擬試験の結果が思ったよりも振るわなかった場合、「間に合わないかもしれない」という不安が膨らみます。この時期は、家庭学習の進み具合が思うようにいかず、取り返しのつかない事態になるのではないかと考えがちです。また、保護者として仕事と家庭学習のサポートを両立させるプレッシャーも重なり、「自分ばかりが頑張っている」と感じることもあるかもしれません。
そこで、まずは自分のストレス要因を認識することが重要です。例えば、計画が遅れている原因が時間管理の甘さなのか、それとも子どもの理解度の問題なのかを明確にすることで、対策が見えてきます。そして、「今日はここまでやろう」と小さな目標を一つずつ設定し、それを着実に片付けていくことで、心が軽くなります。例えば、朝の1時間は算数の苦手分野に集中する、夜は親子で15分の読書時間を確保する、といった短時間で達成できる取り組みを積み重ねるのがおすすめです。こうした方法で、一歩一歩前に進む感覚を得ると、自信とやる気が自然と湧き上がってくるでしょう。
「後でやる」を避けるための工夫
予定を先送りする癖は、時間管理の大敵です。「次の週末にまとめてやろう」ではなく、一日を区切って少しずつ取り組む方法が有効です。また、子どもと一緒に短期目標を設定し、達成を共有することでモチベーションが上がります。
後でやらないチェックリスト
□プリントやテキストの解き直し(優先順位をつける)
□模擬試験の復習と間違い直し(忘却曲線にそった直近の大きなテストの解き直しの確認)
□語彙カードや単語帳の見直し(教材でも構いません)
□短い時間でできる暗記項目の確認(どうやって覚えているのか、どう工夫するのか)
□計算ドリルや苦手な問題の反復練習(どこに書き込むのか)
□時間を測った過去問演習(いつからやるかを決める)
□日記や反省ノートの記入(日々の夕食や就寝前の会話でも構いません)
□計画の見直しとスケジュール調整(子どもが自分で気が付き言える)
□教科ごとの優先順位の整理(親子で話し合う)
□保護者と子どもで進捗の共有・話し合い(特に週末)
解き直しが宿題になっている場合は、答えを写しているだけではないかどうかを先生と連携して確認しましょう。そもそも授業と解説メインの塾ならば、親か、プロに診てもらうことです。
気づきにくい盲点:家庭全体のバランス
勉強だけではなく、親子のコミュニケーションや家庭環境も見直しましょう。「リラックスする時間を作ること」が学習効率を高める鍵になることがあります。一緒に夕食を作ったり、家族全員で話し合う時間を設けることで、心の余裕を取り戻せます。親子ともに孤独な時間が欲しい場合も含めてバランスです。お住まいの地域により4教科、3教科、2教科受験それぞれ学習バランスが異なりますが、算数・国語の配点は同じ学校がほとんどであることを子ども自身がわかっていない場合は苦労する子どもが多いと個人的に感じます。算数の分量が多い分、国語・算数の応用部分以外を学ぶなど工夫することです。やらないことを決めるというのも戦略です。
国語学習の成功事例

国語の学習では、ある家庭で「毎晩10分間親子で音読練習」を続けた結果、子どもが文章の内容をより深く理解できるようになり、模擬試験の記述式問題で飛躍的な成績アップを実現しました。なぜ記述問題?と聞いてみると、「何をかけば得点がとれそうかを考えるようになった。」とのこと。「いやいや、塾でやっているでしょ。」と思わないことです。親や先生から学んでいることがリンクした瞬間に立ち会えたのでしょう。具体的には問題を解くときに読解問題で親子で読んでいる感覚を思い出して解いた感覚です。アンカリングといいます。「あのときのあの感情」を思い起こして取り組むことです。この習慣の成功ポイントは、保護者が子どものペースに合わせて励ましながら進めたこと。親子のコミュニケーションが自然に深まり、自信を育てる結果につながりました。これが難しい場合はプロに頼みましょう。子ども自身が自分でできる場合はやり終えたら、どうしたら正答率を上げられるか、他の教科に振り分けるべきかを自分で考えてさらっと宣言させるといいです。
まとめ
お盆明けは夏休み最後のチャンス。「後でやる」という言葉を禁句にし、短期目標を共有することで、親子ともに充実した学習時間を過ごせます。家庭内のコミュニケーションを大切にしながら、できるだけ楽しく効率的に受験準備を進めましょう。 魔法の言葉「どうせやるなら真剣に、集中してすぐに取り掛かる。」
