2025年灘中学校国語試問題の考察(1日目)

2025年灘中学校国語試問題の考察(1日目)

灘中学校は兵庫県の男子校最難関中の一つです。関西の男子最高峰校の一つです。首都圏男子最高峰の開成高校と同様に全国から受験者が集まります。2025年は1月18日(土) 国語・理科・算数 1月19日(日) 算数・国語で実施されました。調査書も考慮されます。一日目、二日目ともに全問書き切るレベルに、そして倍率を乗り越えるヒントになれば幸いです。共通テスト日程と灘中入試日程を重ねて思い出す保護者の方も少なからずいらっしゃると思います。
Examination of the Japanese language test questions at Nada Junior High School in 2025 (Day 1)2025年灘中学校国语试题的考察(第一天)

実質倍率は2.78倍​(2024年度)4/15時点では2025年度でのHP更新は今後

​試験について入試データ→​​​2020~2024の入試状況・結果
灘中学校​の2024年実質倍率は2.78倍でした。​※2025年度は公式発表が出たら更新します。
国語1の受験者平均点は54.7点、合格者平均点は60.5点。(配点80点)。最高点は78点
国語2の受験者平均点は66.9点、合格者平均点は72.9点。(配点120点)。最高点は93点
国語合計の受験者平均点は121.6点、合格者平均点は133.点。(配点200点)。最高点は170点

配点と別に考慮すべき事項は国語1日目は大問として文章題1題に知識問題が5題、正答率は高め。国語2日目は論説文1題、小説1題、詩が1題で正答率は低めです。

3科目(国語、算数、理科)を2日間

国語の比重は高いことは念頭に置いているご家庭も多いと思います。中学受験においては、国語と算数は非常に重要であるということを改めて感じさせられます。過去問題対策を入念に行い、時間配分を怠らないことです。2日間での実施なので、1日ごとに修正が効くと前向きに進めることが大切です。

目次

【お勧め本】 

灘中に合格する子は学力のほかに何を持っているのか: ワンランク上の志望校に受かるための能力と習慣
 橋本 憲一(著)


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灘中と書いてはありますが、ご家庭の第一志望の学校に置き換えて読むとよいです。同感する部分もそうでない部分も含めて読んでおくとよいと思います。

教育理念(学校長挨拶)

灘校の特色の一つが、「担任持ち上がり制」です。

灘校のもう一つの特色は、「生徒が主役の学校」であることです。開校から85年が経った平成25年の春に、2棟の校舎の建替え、中学棟の耐震補強リニューアル、充実の新図書館の新築、2つのグラウンドの人工芝化、柔剣道場やトレーニングルームの更新など、大規模な工事が竣工しました。また、令和2年には、高速大容量通信ネットワークと中学生向けの「1人1台端末」の整備も完了しました。今後も、良き伝統を維持しつつ、新しい時代に適応した教育環境の充実を図ってまいります。緑に囲まれた校舎で、同級生との友情や先輩後輩の絆を育みながら、自分の個性をのびのびと伸ばしたい、と思っている皆さんの入学を心よりお待ちしています。

灘中学・高等学校HP学校長挨拶より抜粋

「温故知新」をイメージできますね。

教育方針・特色

  1. 「精力善用」「自他共栄」の精神に徹した健全な社会人を育て上げる。
  2. 自主性を養い強固な信念を育てる。
  3. 質実剛健をモットーとし勤労をよろこぶ習慣を養う。
  4. 運動を奨励し強靭な体力と明朗闊達なスポーツマンシップを育成する。
  5. 豊かな趣味を養い高尚優雅な品性を育成する。 HPより引用

灘中学校・灘高等学校は担任持ち上がり制による六ヵ年完全一貫教育や自主性を重んじる自由で伸びやかな校風であることがうかがえます。

一日目 

大問1文章「記憶を食む」僕のマリ著

noteの好評連載に書き下ろしを加えて書籍化された本です。

長い間忘れていたことを突然思い出すと、狂おしい気持ちになる。
頭のなかで突風が吹いたような、満潮の海が荒れるような、
スノードームをひっくり返したような、
そんな風に全身の細胞が泡立つのを感じる。
頭で覚えていないようなことでも、
匂いや音で急に記憶の蓋がこじ開けられることもある。
忘れて、思い出して、また忘れて、そんなふうにあと何十年も
自分の内面と向き合っていくことになるのだ。
(本文より)

大問1:出題は5問、10解答 文字数は約2500文字

文字数は63×41で概算しています。

大問1.2は理由、説明 ここが書き切れたかどうかが肝です。
大問3は慣用句「矢」を用いた慣用句の完成。
大問4.5は記号 外来語、文法上の役割を問われています。

私なら、一読後、大問345を解いた後、大問12をやります。個人差はあると思いますので過去問を2・3年やってみて最高点がとりやすい解き方を考えてみるといいでしょう。

大問2 門を用いた言葉を作る

熟語や、慣用表現を使いこなせているかが問われています。語彙量の深さが問われています。

大問3 形容動詞の語幹の完成(副詞的慣用表現)

□や□やという独特の語幹をヒントを元に完成させる問いです。豊富な語彙量が問われています。

大問4 俳句の完成

7句を上の句、中の句、下の句の空欄を選択する問題です。選択肢が8つあるのである程度の時間がかかりますが、できるものから答えていくことが王道です。句の全体像を意識し、当てはめるものを直観だけに頼らないことです。

大問5 慣用句の完成

5問全問ひらがな3字指定なので、解きやすかったと思います。小問3は2文字の連想はできるが、3文字を連想できたかどうかです。焦らず飛ばして最後に考えることです。4はできたらすばらしいと思いますが、飛ばしたとしても大問1の記述で合格者平均点は十分にカバーできます。

大問6 漢字しりとり

訓練している子どもが多いと思いますが、条件を読むことを怠らないことです。すべて音読みと書いてくれているので絞りやすくなります。10問あるので、条件に沿って解くのが近道ですが、解きやすいブロックから探すことがポイントです。普段からこの手の問題を何分で解けるかをクイズとして訓練していることです。

知識問題集は一通り終わる時期を決めておきましょう。夏休み終了時に2周はしておきたいレベルです。

ここだけの話

国語スピードを上げる方法
語句や漢字の問題を即答することで試験全体の時間短縮を図る。とりあえず知っている言葉を埋めることです。書き直しはしない。飛ばしても気にしないで全体を解き切る。テスト後、直しをしたら、関連の問題集に戻る。これは入試直前期まで徹底してほしいことです。

正解を選ぶ確率を高める方法
これから書く方法については論理的思考力がついていれば「普通に解く」で問題ありません。ただし、もしも過去問題を解くときに不安があれば、初見の問題で「解答用紙に答えを書いてから問題を解く」ことをお勧めします。具体的には志望校の過去問題を5年分解くとしたら、初手の1年分だけやるといいです。その後、問題文を読んで、設問を読んで考えると同時に正解がどれかをつかむことが目的です。「こういう感じで解答を書けば得点が取れる」という感覚がつかめます。

まとめ

​灘中学校は関西で最難関の男子校で、全国から優秀な受験生が集まる憧れの場です。東大合格実績が多い学校として有名ですが、世界の大学へ入学していることも踏まえて子ども自身の進路を自分で決められる環境があり、入試問題も算数国語に重点を置いた2日間にわたるいわば、最高難易度の「小学生版共通テスト」といっても過言ではないでしょう。2日目は次の機会に更新します。

記述力は一長一短には身につきません

記述力とは、文章を的確に読み取って整理し、問題作成者の問いに理解したことを表現する能力です。このスキルは、短期間で急激に向上するものではなく、日々の地道な努力と適切な訓練が求められます。

  1. 読解力が基盤
    記述力を高めるためには、読解力が不可欠です。文章を正確に理解できなければ、その要点を押さえた記述が困難になります。
  2. 論理的思考力が必要
    情報を整理し、論理的に文章を組み立てる能力が求められます。このスキルを身につけるには繰り返しの練習が必要です。
  3. 表現力の向上
    適切な言葉や文法を使い、自分の考えを正確に伝える表現力も重要な要素です。これもまた継続した学習によって育まれます。

対策

  1. 日々の読書習慣
    本や新聞を読むことで、語彙力や読解力が向上します。また、読んだ内容を簡単にまとめる練習を行うと効果的です。国語の問題文を読むことも同じです。
  2. 過去問や模擬問題の演習
    実際の中学受験の問題を使い、記述の練習を積み重ねることが重要です。定期的に時間を設けて解き、答えの質を高めていきます。
  3. プロによる添削と指導
    演習した記述問題を、国語指導に精通したプロの先生や家庭教師に添削してもらいましょう。プロからの具体的なフィードバックを受けることで、自分の弱点を発見し、効果的に改善できます。模試→過去問対策に有効です。
  4. 文章の要約練習
    新聞記事や短い文章を読んで、それを自分の言葉で要約する練習を継続的に行うことで、要点を押さえた記述が可能になります。
  5. アウトプットを増やす
    作文や感想文を書くなどの機会を増やし、それを他人に読んでもらいフィードバックを受け取る習慣を身につけます。どんな話だったか、どんな設問だったかを話し合うだけでも効果はあります。
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