小4・小5・小6の国語記述問題の採点基準

小4・小5・小6の国語記述問題の採点基準

新学年を迎えて、学習リズムができてきたころ、進出単元、難易度、学習量に悩みながらも方向性がかたまりつつある時期かと思います。今回は学年別に記述問題の採点基準から、どのようにアプローチしていくかを俯瞰的に書きました。子どもの状況により個人差はありますので、学年は目安としてお読みいただけば幸いです。Grading criteria for Japanese composition questions for 4th, 5th, and 6th grade elementary school students.

目次

学年別の採点基準のポイントと注意点

小4 は基本を重視(やさしめ)
キーワードの有無:答えに必要な言葉が含まれているか。
文末表現の適切さ:問題文の指示に合った文末表現(例:「〜こと」「〜から」など)が使われているか。
誤字脱字や細かい表現ミスは大幅減点せず、部分点を与える。

小5 要素を重視
要素採点:記述内で求められる複数の要素(例:背景、出来事、気持ちなど)ごとに配点を設定。
文章構成や論理性も評価:設問意図に沿った回答かどうかを確認。誤字脱字や文法ミスは減点対象。
ただし、内容が正しければ部分点を与える。

小6 厳格な採点(入試基準)
配点基準の明確化:各要素(例:A要素6点、B要素4点)に基づき厳密に採点。
過不足なく書けているか:指定字数内で簡潔かつ正確に答えられているか。
誤字脱字や文末ミスは厳格に減点。
設問意図から外れた場合は大幅減点。
特にGW明け6月の模試から、夏休みから、9月から、過去問対策から等、留意する時期を決めましょう。

小4では「記述の楽しさ」を重視し、自信を持たせるため、柔軟な採点を心がけます。
小5では「論理性」と「設問意図への対応力」を養うため、部分点を活用します。
小6では入試本番を想定し、厳密な採点基準で実力を測ります。

国語記述問題の採点基準を理解するための具体的な方法

① 問題文の意図を把握する

設問に含まれる「どのように」「なぜ」「何」などのキーワードを特定し、それに応じた答えを導く。問題文が求める情報を明確にする。 – 例:「空は何色?」→「青色」、「空どんな大きさ?」→「果てしなく広がる大きさ」など、設問ごとに異なる答えが必要です。こと、ため、もの、気持ちなどで文末を抑えることが前提であり、多くの子どももそこは理解しています。

② 必要な要素を分類する

A.骨格要素
B .加点要素
C .無益要素(影響なし)
D .減点要素

例えば、「空」の説明では「青空」が骨格部分、「雲一つない」は加点要素、「赤い空」は減点要素となります。これらは解答・解説を見ながら、自分なりの最善の解答をつくり、入試過去問演習時に自力でできるようになるとよいでしょう。それまでは主要部分(A)と補助部BC)とし、記述の際に主要部分と補助部分の組み立てを頭の中で意識してから答えを書くことが大切です。

子どもにとっては、「書けたけど、何点くらい取れたか。」という期待や不安も多いと思いますので、大人が見て認めながら補強する必要があります。

③ 要素採点法を活用する

模範解答を参考に、必要な情報を要素ごとに分けて配点を設定(例:背景3点、出来事3点、気持ち4点など)。 各要素が正確であれば部分点を与える。表現が稚拙な場合でも趣旨が合っていれば減点しない場合もあります。その時には他の書き方はどうやったらできそうかを話し合えると語彙量も増えます。難しい場合はプロの先生に導いてもらいましょう。

④ 字数制限と優先順位を意識 する

字数制限内で最も重要な情報から順に組み立て、記述することを意識させ、採点時もその観点で評価する。
例:10字以内なら「広くすみわたった青空」、20字以内なら「雲一つなく、広くすみわたった青空」など、制約条件によって評価基準が変わります。45字、60字、90字、120字等で答えられるようにテストでは指定されます。字数指定がない場合でも、文字数の目安はつくようにしなければなりません。主要部分と補助部分の組み合わせで文をつくる地道な練習が必要です。

指定文字数が多い場合の字数制限の目安は8割以上です。40文字を越える場合は、0.8を掛けてそれ以上の文字数で書くことをお勧めします。50文字ならば50×0.8=40文字以上で書くという意味です。※制限指定されている場合は除く

⑤ 文法・表現ミスへの対応

設問指示と異なる文末表現や誤字脱字は減点対象ですが、回答の趣旨が合っていれば大幅減点は避けられます。特に小4〜小5では柔軟に対応することが必要です。子どもが文を書く型を身につけることを優先し、書くこと自体が嫌にならないようにすることが大切です。

例:「空は青くない。」→×か△、「空は青い。」→○。

自己採点を子どもができるようになるまで

自己採点では保護者や指導者が模範解答と照らし合わせて採点基準を確認し、子ども自身にも改善ポイントを伝えることが重要です。記述問題では設問意図の理解が最優先であり、それは問題文を深く読み込んでいるかどうかに応える力を養うこととして採点基準を理解する基本となります。

例えばよくある記述問題の模範解答例として、以下の文は3つの構成からなります。

「息子はまだ数の概念を理解していないので、パンケーキを実際に数えているのではなく、ただ順番に数字を唱えているだけであるということを表すため。」

息子はまだ数の概念を理解していないので、(B)パンケーキを実際に数えているのではなく、(C)ただ順番に数字を唱えているだけであるということを表すため(A)

因果を使って書いていますが、「息子はまだ数の概念を理解していないので、ただ順番に数字を唱えているだけであるということを表すため。」と書ければ大筋はあっています。まずはこの型が思い浮かべるようになることです。あとは設問の要素をみつけ、字数に合った解答を書くにはどんな言葉を書けばよいかを組み合わせるように考えさせます。この場合は数字を唱える対象はパンケーキなので、「パンケーキを実際に数えているのではなく」という表現を加えて整理してから答えを書きます。 

まとめ

設問は文章を読んで、その内容から記号や書き抜き、記述と回答方式がことなります。あくまでも聞かれていることに対しての答え方なので、記号の場合は選ぶ、書き抜きの場合は抜き出す、記述の場合は自分で書くという手段だと認識できていることが前提です。設問を読んで、脳内で設問に対する答えの方針をつくってから取り組むことをお勧めします。一問一問に丁寧に向き合うことで、確かな知識を身につけることができます。焦りを感じるときこそ、「進度」よりも基礎レベルの「習得」を意識し、合格への道を確実に歩んでいきましょう。学びの質が高まり、最終的には大きな成果につながります。

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この記事を書いた人

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