国語の入試問題を解いたあとの「分析」が合否を決める

国語の入試問題を解いたあとの「分析」が合否を決める

過去問題は中学校からのメッセージです。特に国語の場合は説明的文章、文学的文章、詩歌、文法、漢字に大別できますが、出題の仕方は中学校によって異なります。なんとなく解いて、得点と直しをしがちな科目かもしれませんが、テストの受け方を改めて見直し、修正する機会です。

目次

■大問として説明的文章と文学的文章の2題構成が基本の場合

文章の中で文法や漢字を入れ込む形式です。詩歌と解説文を入れ込む場合もあります。

・どういう取り組み方を我が子はしているでしょうか?

読みながら知識や文法を解く場合、一度読んでから知識や文法を解く場合がありますので、どちらで進めているかは確認しましょう。自分のフォームになっているので、時間内に自分の実力を出し切れない場合はフォームを変えるとよい場合もあります。たとえば、最初に文章量を確認し、時間配分を確認、設問を読んでから文章を読むというフォームなのか、最初に文章量を確認し、時間配分を確認し、文章を読んでから設問を読むフォームなのか、個性があります。

■大問として、知識や漢字、詩歌が独立して出題される場合

知識や漢字が独立している場合は、すぐに終わらせて文章題に取り組みやすいメリットがあります。

・特に詩歌が問われる学校の場合

筑波大附属駒場や灘中の詩歌は有名ですね。これは教養が問われていると個人的には思いますが、合格する子どもは将来の共通テストの国語も難なく解き切れると思います。なぜなら、単純に、詩歌が古典分野に変わっただけですので処理能力も語彙量も苦もないレベルです。(共通テストの問題を時間内に解いてみると大人でも意外と難しいものです。)

・超長文の場合

たとえば、8000文字を越える場合などは、スピードが必要です。読み直す時間はないので、最初は時間オーバーしても構いません。2回目、3回目と別の問題で、少しずつでも追いつくようになっていれば入試までには時間切れの問題は解消されます。

親子ともにかなり焦りますので、冷静にすすめるといいでしょう。11・12・1月で比較するといいでしょう。最初はてこずったけど、何とかやり切れるようになったね。と見込みがたてれらる状態にすることです。

■過去問題の国語は「分析」がポイント!

時間を計って、そのあと〇付けをする。記述は大人に仮採点をつけてもらうといいでしょう。大事なのはその後、「分析」がポイントです。やり直しとも言いますが、厳密にあえて「分析」とします。どういう出題傾向で、時間内にどう処理をしたら、数点アップするかという考察をし、ノートにまとめることです。当日の問題への向き合い方を念頭に置くことができるからです。

同じ問題を同じようにやることは個人的には国語についてはお勧めしません。文章の内容や答えを覚えていることが多いので、効率が悪いです。分析ノートを見直すことで終わらせる、もしくは間違えて修正すれば得点できる問題だけを実施することをお勧めします。(担当に質問したり、外注してプロに任せる)

■漢字・文法はどうする?

「まとめテキスト」の見直しが一番です。

模試や過去問題で一定の得点が取れている場合は、普段の学習でよいと思いますが、半分取れない場合は語彙量が不足しているため、同音異義語、同訓異字語、よく出題される漢字の順で練習をすることをお勧めします。ことわざ、慣用句がよく出題される学校を受験する場合は、10日程度は勉強する時間を見るだけでもいいので5~10分とっておくといいです。

■記述の採点はどうする?

・小4~小5の間の場合

小4~5年生では「だいたいあっていれば〇」、「ここをちょっとこうすれば◎」などとするといいです。ちょっとしかできていない場合は「×でなく△にする」ことです。これは、記述が特に苦手な子がより嫌いにならない大人のするべき配慮だと考えます。厳しすぎる採点は、子どもにとっては、たとえば唐突に、「車のキーを渡され、どうして運転できないの?」という受け取り方をします。国語の得点が平均前後の子どもには大人が原因の場合が多いかもしれません。

話を戻しますが、〇が多くなったら「部分減点」をしていくようにするといいでしょう。「10点中なら8点」という具合にするといいです。国語ができる子どもならば「10点中なら何点ですか?」と聞けるようになります。

6年生の場合

・過去問ならば誤字脱字は1点、文末が指定どおりでなければ1点、要素が抜けていれば2点と減点要素を決めて一定基準で採点をすることです。模試によって採点基準は異なりますが、「軸」ができていないとその模試の減点要素がわからず、親子ともに「迷子」になります。特に字数が30字を越える場合の記述問題は第三者に見てもらい、アドバイスをもらうことです。(アドバイスが不適切な場合は子どもが判断できる場合と親が判断できる場合があります。)

■消しゴムの跡で時間を取られていることを認識する

漢字の答案で消しゴムを何度も使っている場合は、要注意です。その時点で大きな時間ロスをしています。具体的には読んで解くのに10秒、消して、思い出し5秒、読み直し、書き直すのでさらに10秒かかります。書き直してあっていたとしたも2.5倍の時間を費やすので、記述問題にまで手が回らない子どもが多いです。私の場合は子どもの小テストを見て消しゴムを極力使わないようにアドバイスします。

■100点答案は目指すべきか?

個人的にはお勧めしません。90点満点くらいでよいと思っています。理由は2つあります。満点者はほぼいないこと。これは問題作成者が差がつかない問題をつくるように意図的に難易度をあげているからです。もうひとつは、言い方を選ばずに言うと、逃げ道を作っておくことです。これはどの教科にも当てはまります。
入試問題の中で、時間がかかる問題は勇気をもって、「やらない」と決めて後回しにすることができる子どもが安定して高得点を取れる場合が多いです。お勧めは書き抜き問題。この作業は設問の意図をくみ取ったとしても、探し出すことに時間がかかる場合があります。3問出ていたら、1つは初めから飛ばすくらいで取り組む。苦手な子どもはすべて飛ばすくらいレベルなのかを模試や過去問題でどうやって最高の得点が取れるかを知っておくことです。

過去問をやったらまずするのは〇付けではない

すぐに得点を出したくなるところですが、傾向と対策を知るために、設問ごとに子ども自身が〇△×をつけてから採点作業に臨むことです。自分のイメージと異なる場合にどうやって対応するのかの指針になります。

たとえば、記号問題は2択まではいけたが、最後のツメで不正解だった場合、〇と△の状態での×は対策が異なってきます。中学受験は現実にはこういうレベルで戦っているというスタンスです。

■受験者平均点と合格者平均点を取れるか?

これは試験当日の最高の状態の先輩の得点平均です。2学期から過去問題を実施し、数年分繰り返すうえで受験直前期までに受験者平均点は4教科合計で越えておくことが重要です。2月校が第一志望であれば、1月の入試を過ごしながら過去問演習と分析で合格者平均点を目指していくことです。

■わからないことをわかる

テストでハイパフォーマンスができたというのは答えた問題に対しての正答率です。
​わからないことをわかり、それ以外でほぼ100%とれていたかどうかに集中する。​
わからないものはテスト直しで補う。それを繰り返して文章読解や語彙のレベルをあげ論理的思考力を高めていくことが大切です。メタ認知と最近耳にする方も多いと思いますが、テストでは実力を出し切るということです。

■最後に

国語の得点は何が問われているか?を正確に理解し、最適解を探し、時間内に文字で答えること。出題者のクイズを緊張感をもって楽しめるようになって欲しいと願っています。中学入試の国語の文章レベルは最低でも中学校の教科書から大人レベルだという現実に子どもは向き合っています。

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