最近、特定外来生物の「マングース」が「奄美大島」で根絶されたというニュースを何度か耳にしました。今回は日本の生態系や農業に影響を与える特定外来生物8種を紹介します。これらの生物は日本の自然と農業に重大な問題を引き起こしています。影響や管理について、問題と模範解答を作成していますので、お子さんに最後まで読んでもらい、知識として頭の中に入れて解いていただければ幸いです。
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日本の特定外来生物8選
リスト、画像の順に載せているので、名前から画像を想像するようにしています。
- ブラックバス
原産地: 北アメリカ 在来の魚や水生生物を捕食し、食物連鎖のバランスを崩します。 - ウシガエル
原産地: 北アメリカ 在来のカエルや魚を捕食し、生態系に悪影響を及ぼします。 - アメリカザリガニ
原産地: アメリカ 稲作水田や湖沼で在来の水生生物や植物を食い荒らし、土壌を掘り返すことで生態系全体に影響を与えます。 - オオキンケイギク
原産地: 北アメリカ 土壌の栄養を大量に吸収し、他の植物が育ちにくくすることで生態系に影響を与えます。 - ヒアリ
原産地: 南米 攻撃的な性質を持ち、刺されると激しい痛みやアレルギー反応を引き起こします。
生態系への影響よりも、人間の健康への影響が顕著です。 - アライグマ
原産地: 北アメリカ 農作物や家畜に被害を与え、在来の動物や植物に影響を及ぼします。 - ヌートリア
原産地: 南アメリカ 水辺の植物を食べ尽くし、堤防や水路を破壊します。 - ミドリガメ
原産地: 北アメリカ 在来の水生生物に影響を与えます。
上記の画像はすべて写真ac提供です。
パッと見て「動物名」を言えることが大切です。
スマホ画面で見ている方は子どもに画像を見せてクイズとして出してみてください。
生態系への影響
生態系への影響は主に3つあります。
捕食
外来生物が在来種を捕食することで、在来種の数が減少し、絶滅の危機に瀕することがあります。
例えば、ブラックバスやウシガエルは在来の魚やカエルを捕食し、生態系のバランスを崩します。
競合
外来生物が在来種と食物や生息地を巡って競争することで、在来種の生息地が減少します。
アメリカザリガニやアライグマなどがこの例です。前者は日本ザリガニやモズクガニ(淡水のカニ)、後者はイタチやや狸、リス等が考えられます。
交雑
近縁の在来種と交雑して雑種を作ることで、在来種の遺伝的な独自性が損なわれることがあります。
タイワンザルとニホンザルの交雑が問題となっています。
人の生命・身体への影響
健康被害
ヒアリのように攻撃的な外来生物は、人を刺して激しい痛みやアレルギー反応を引き起こすことがあります。
病原菌の伝播
外来生物が病原菌を媒介することで、人や家畜に病気を広げるリスクがあります。
例えば、アライグマはマダニを介して重症熱性血小板減少症候群ウイルスや、引っかかれることにより、狂犬病ウイルスを引き起こしたります。
狂犬病ウィルスは感染すると、ウイルスが脳にまで到達してしまいます。そして、中枢を破壊することで死に至ります。(1975年以降は日本での発生は見られていないとのことです。)
農林水産業への影響
農作物への被害
外来生物が農作物を食害することで、農業に大きな被害をもたらします。
ヌートリアやカナダガンがこの例です。
特に、カナダガンの根絶は見聞きした人も多いのではないでしょうか。
→環境庁の2015年12月08日公式発表HPをご覧ください。特定外来生物カナダガンの国内根絶について(お知らせ)
水産業への影響
水生の外来生物が在来の水生生物を捕食することで、水産業に影響を与えることがあります。
ブラックバスやアメリカザリガニがこの例です。
日本での管理方法
日本では、特定外来生物の管理は主に「外来生物法」に基づいて行われています。
この法律では、生態系や人の健康、農林水産業に被害を及ぼすおそれがある外来生物を「特定外来生物」に指定し、以下の対策を講じています。
飼養・栽培・保管・運搬の禁止
ただし、学術研究や教育などの目的で許可を得た場合は例外とされます。
輸入・譲渡の禁止
特定外来生物の輸入や譲渡も禁止されています。これにより、新たな外来生物の侵入を防ぎます。
早期発見と拡散防止
まん延した場合に重大な影響を与えるおそれがある特定外来生物については、早期発見と拡散防止のための検査や移動制限、消毒廃棄などの制度が設けられています。
国民・市民の協力
国民・市民にも外来生物の情報提供や駆除活動への参加が呼びかけられています。
地域社会全体での協力が重要です。
外来マングース根絶のニュースを見て奄美大島は鹿児島県にありますが、世界的規模の駆除で話題になっています。
参考HP:東京都の「外来生物が及ぼす被害について」
コイも特定外来種ではないが国内外来種だと知ると、あまりに身近すぎて、驚くのは子どもだけではありません。
参考HP:筑紫の市「特定外来生物などの外来種について知っていただきたいこと」
まとめ
特定外来生物は、日本の生態系や農業に多大な影響を与える存在です。
これらの生物を適切に管理し、被害を最小限に抑えるためには、法律に基づいた対策と私たちの協力が不可欠です。
私たち一人ひとりが外来生物の問題に関心を持ち、積極的に対策に参加することが求められています。
ただし、当の生物は、好きでそこにいるわけではく環境適応しているだけです。
これらの問題の人間が「マングースはハブの対策のために」「ブラックバスは、食用のために」意図をもって輸入され、意図しない方向で繁殖したものです。その責任や対策は人間側にありますね。
入試問題では
特定外来種生物とその影響について、どんな管理や改善の方法があるかが国語、理科、社会で出てくる可能性があります。ギリギリ時事問題の最新情報で入試問題に出てくる可能性があるかどうかです。
問題 奄美渡島は何県?
答え 鹿児島県 場所も地図帳で確認しておきましょう。
問題 特定外来生物は全部で何種類あるか
答え 162種類(2024年7月時点)
問題 知っている特定外来生物を3つ書きなさい
答え 上記から3つ 全部カタカナです(笑)
※記号であっているものをすべて、また、間違っているものを答えなさいという問題もありえます。
その他とした、生態系を守る対策として、自分の意見を求められる場合も考えられます。
記述問題
特定外来生物は日本の生態系に多大な影響を与えています。アメリカザリガニやアライグマなどの特定外来生物が在来種との競争により、生態系のバランスを崩すことがあります。あなたは、日本の生態系を守るためにどのような対策が必要だと思いますか?80文字以内で答えましょう。
ポイント
問われていることは対策ですので「対策」を答えることです。持ち込まない、持たない、駆除する等が書かれていればよいでしょう。対策を並列するか、因果で一つの対策を書くかに分かれますが、日本の生態系を守るためにとあるので一つに絞らずに並列で書くことがこの場合はよいです。対策が多いことにより効果的な影響が与えられるからです。
解答例
日本の生態系を守るためには、外来生物の侵入を防ぐための検疫強化や駆除活動が必要です。また、国民への啓発を通じて外来生物の放流防止を促すことが必要だと考えます。(79文字)
具体的な理由を挙げて説明してください。と出題されたら?
という場合は長めに模範解答を書いてみました。これよりも少ない文字数で記述はできると思います。
日本の生態系を守るためには、まず 外来生物の侵入を防ぐ対策 が重要だと思います。具体的には、空港や港での検疫を強化し、不適切に持ち込まれる生物を厳重に取り締まる必要があります。さらに、すでに侵入した外来生物に対しては、 地域ごとの捕獲活動や駆除プログラム を行い、被害を抑えるべきです。また、 国民への啓発活動 も不可欠です。外来生物がどのように生態系に影響を与えるかについて、教育やキャンペーンを通じて人々に理解してもらい、意図的に外来生物を放流しないように促すべきです。(231文字)
まとめを入れると、さらに以下になります。
「このように、 法的規制と教育、実際の駆除活動を組み合わせて進めることで、日本の在来生物と生態系を守ることができると考えます。」(292文字)
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