以前、「米不足問題」を家族で話し合いましょう(入試問題予想付き)を書きましたが、その続きです。今年、私たちが食卓に運ぶ新米が例年よりも高い値段で販売されています。これは、日本国内外でのさまざまな要因が重なり、米の価格が上昇しているからです。今回は、なぜ米が値上がりしているのか、その背景にある需要と供給のバランスの変化、そして生産者と消費者の立場からの影響について解説します。記述問題と解答も前回同様に作ってみましたので、活用していただければ幸いです。The problem of the rising price of new rice.
なぜ米が値上がりしているのか?
今年の米の値上がりは、主に天候不順や農業コストの増加が原因です。特に、夏場の高温や台風の影響で、一部の地域では収穫量が例年に比べて減少しました。
また、肥料や燃料の価格が上昇したことにより、米の生産コストも増大しています。
これにより、生産者はやむを得ず米の価格を引き上げざるを得なくなりました。
生産者と消費者の立場から見る米の値上がり
米の値上がりは一見すると生産者の利益が増えるように思えるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
農業にかかる費用が大幅に増加しているため、利益率が低下している状況です。
一方、消費者は日々の生活費が増えることに直面しています。
特に家計が厳しい家庭にとって、基本的な食材である米の価格上昇は大きな負担となります。
需要と供給のバランスの影響と概算金
米の価格は需要と供給のバランスによって大きく影響を受けます。
供給が減少すると、需要が一定でも価格は上昇します。今年はその典型的な例です。
また、概算金も、米の値上がりによって見直されており、生産者はこれを元に今後の経営戦略を練る必要があります。
※概算金:予想される収穫量や価格を基にした売上予測
消費者にとっては、今後も米の価格が安定するかどうかが気になるところですが、需給バランスが改善されるまで、しばらくは高値が続く可能性がありますね。(2024.9.4時点)
まとめ
米の値上がりは単に価格が高くなったというだけでなく、その背景には複雑な要因が絡み合っています。
生産者と消費者の双方が影響を受ける中で、私たちは今後の食料事情にも目を向ける必要があります。
入試問題では?
それでは、入試問題ではどのような、出題がされる可能性があるでしょうか。
・都道府県別の生産量の順位や品種名は必須です。
コチラをご覧ください↓
・概算金の表(増加額、増加率)は最新データが出るかもしれません。
概算金の資料は→農林水産省の「26年産米の概算金・相対基準価格の動向について」を参考にし、わかる範囲で理解させるといいでしょう。繰り返しになりますが、概算金とは予想される収穫量や価格を基にした売上予測のことです。
・家庭でできる対策を記述することが考えられます。
問題
お米の値上がりについて、あなたが家庭でできる対策を60字程度で書きましょう。
60文字なので、要素は2つ。米の消費量を減らす、減らさないで考えることです。
米の消費量を減らす場合
→米の消費量を見直し、他の主食や野菜を積極的に取り入れること。(30文字)
米の消費量を減らさない場合
→価格の安いブランドに変更したり、まとめ買いで割引を活用すること。(32文字)
解答例
米の消費を見直す場合は麦や野菜を活用し、見直さない場合はまとめ買いの割引を利用したり、価格の安い米への購入変更を行う。(64文字)
具体例を入れると字数はもっと増えます。前者だけ、後者だけで生活に即した書き方も可能ですし、120文字ならば両方とも具体例を入れることは可能です。例えば、ふるさと納税の返礼品の利用で特産物の米を買うという回答もありですね。災害復興米として福島県や石川県等の例を挙げて書きあげることもできます。問題作成者の問いに対して、対比を用いるか、具体例を入れるのか等、「論理的思考力」をもって時間内で書ききるように勇気づけ下さい。
にほんブログ村
コメント