「米不足問題」を家族で話し合いましょう(入試問題予想付き)

最近、米の不足と価格の急騰が話題になっています。これは日常生活にも大きな影響を与える深刻な問題です。そこで、家族で「なぜ米が足りないのか?」「価格が上がるとどうなるのか?」を一緒に考えてみませんか?未来の入試にも役立つ、論理的な思考力を育てるきっかけとして、米不足について深掘りして話し合ってみましょう。

最近、米の不足と価格の急騰が話題になっています。これは日常生活にも大きな影響を与える深刻な問題です。そこで、家族で「なぜ米が足りないのか?」「価格が上がるとどうなるのか?」を一緒に考えてみませんか?未来の入試にも役立つ、論理的思考力を育てるとして機会とし、米不足について親子で深掘りして話し合ってみませんか。Let’s discuss the shortage of rice with your family.

目次

主な原因は3つ

​​1. 異常気象

​昨年の猛暑の影響で、主要産地である新潟県などで米の品質が低下し、不作となりました。

過酷な天候条件により、米が小粒になり、精米後の白米の量が減少しました。​

2.インバウンド需要の増加

コロナ禍が明け、観光業や飲食店が日常に戻り、訪日外国人の増加に伴い、米の消費量が急増しました。

これにより、供給が追いつかず、価格が上昇しています。​

「インバウンド」とは、外国から日本に来る旅行者や観光客のことを指します。観光業や経済において、外国人観光客を誘致し、国内での消費や観光を促進することが目的です。特に日本では、食文化や伝統文化、自然景観が人気で、観光地や都市でインバウンド需要が高まっています。これにより、経済の活性化や地域振興にもつながっています。

3.農業労働力の減少と高齢化

​農業従事者の高齢化と労働力の減少も、米の生産量に影響を与えています。

若い世代の農業離れが進み、米の生産が追いつかない状況が続いています。

このような「複合的な要因」が重なり、米不足と価格の高騰が発生しています。

​​なんか、しっくりこないのでさらに深堀りしてみませんか?​​

  1. 「米の在庫が減少している理由を考える
    ​米の在庫が減っている原因として、異常気象による収穫量の減少や国際的な輸出入の問題が挙げられます。
    例えば、長雨や干ばつによって米の生産量が減少していることや、他国が米の輸出を制限していることが原因です。子どもに「どうして米が減っているのかな?」と質問し、いくつかの理由を示しながら深く考えさせます。

「例えば、台風が多かったり、大雨が続いたりしたら、農家の人たちはどうなると思う?」

「昨年、田んぼが水浸しになって収穫できなかったニュースを覚えてる?あのとき、米の生産量が減ったんだよ。」

「もし、他の国でも同じように天候が悪かったら、輸入するお米も少なくなるね。」

「タイやベトナムからも米を輸入しているんだけど、どこでも天候不順だったから、全体的に米が不足しているんだ。」

  1. 米の価格が上がると、生活にどんな変化が生じる?」
    ​米の価格が上がると、家計に負担がかかり、他の生活費にも影響を与えます。お米を買うために使うお金が増えることで、他の食材や家庭の支出を見直す必要が出てきます。子どもに「米の値段が上がっているから、何を節約しようか?」と問いかけ、選択肢や工夫を考えさせることをお勧めします。

「お米を買うお金が増えたら、他に何を買うお金が減っちゃうかな?」

「例えば、お菓子やジュースを少し控えるとか、お肉を少し減らして野菜を増やすという工夫ができるかもね。」

「今まで週に1回外食していたけど、それを減らしてみたらどうかな?」

「例えば、外食1回分のお金で、お米をもう一袋買えるかもしれないね。」

  1. 「家庭でできることと今後の見通しを話し合う」
    ​米不足や価格高騰が続く中で、家庭でできることには、食材の工夫や、無駄を減らす取り組みなどがあります。また、今後の供給見通しについて、政府の支援や農業技術の進化も期待されます。子どもに「私たちができることは何だろう?」と問いかけ、現実的な選択肢を考えさせるとともに、未来に対する前向きな視点を持たせることもできます。

「お米が高い時に、他の食材を工夫して使うにはどうしたらいいかな?」

「お米の代わりに、パスタやパンを使う日を増やしてみたり、豆類やおからを使ってみたりするのも良いかもね。」

「お米を無駄にしないために、私たちができることは何だろう?」

「食べ残しをしないように、ちょうどいい量を炊いたり、余ったご飯は冷凍保存するのもいいね。」

「政府や農家の人たちがこれから米の供給を増やすために、どんな対策をしていると思う?」

「新しい農業技術を使って少ない土地でも多くの米を作ったり、他の国と協力して輸入量を増やす対策を進めているんだよ。」

話し合いの内容は社会や適性検査型の中学入試や、高校入試の社会や、課題作文でも記述問題として出てくるかもしれません。

問題

米不足について、家庭でできる対策としてどのようなことが考えられるか。

40字以内で答えましょう

解答例

食べ残しを減らしたり、パスタやパンなどの代替食材に切り替えたりする。(35文字)

並列で具体例を挙げることがポイントです!

​「早場米」や「新米」が出回り、心配は和らぐかも

​米の不足や価格の急騰は確かに心配な問題ですが、状況は少しずつ改善されつつあります。

特に「早場米」や「新米」がこれから出回る時期なので、供給量も徐々に回復してくる見込みです。

これは、早めに収穫されるお米や新しく収穫されたお米のことを指し、これによって市場の米の在庫が補充され、価格も安定し始めるかもしれません。

よって、家族として今できることを工夫しつつ、これからの改善に期待して、心配しすぎないようにしましょう。

「状況が変わっていく中で、適切に対応していこうね」と話し合うことで子どもの論理的な思考力も整います。

​ちょっと気になること

農林水産省は7月30日に食糧部会を開き米の基本指針を示した。6月末時点の米の民間在庫量は前年にくらべ41万t少ない156万tとなり、過去最低水準となった。

日本政府観光局によると22/23年度(22年7月~23年6月)の訪日外国人数1404万人に対して、23/24年度は2.3倍の3213万人となった。平均泊数も8.8泊から10.1泊に伸びた。

​こうしたデータをもとに訪日客が1日2食(入国日と出国日は1食)米を食べると仮定して試算したところ、インバウンドの拡大によって米の需要量は昨年より3.1万t増え5.1万tとなった。 引用抜粋:JAcom​​

​​​​日本の米の年間消費量は2022年度は約630万トン、23年度は約680万トン、24年度予測は約670万トンです。 

個人的には賢い子どもへは「23年度の日本の米の生産量をインバウンドの24年度の予測消費量で割合を出すように」と誘導します。なぜ23年度なのか、なぜ24年度なのかを確認し、論理的思考力がつきます。

インバウンドもあげられてはいますが、一因の一つなのだろうなという感じになります。
規模は小さいことは認識させましょう!
 複合的な要因とはこういう現象がいくつも重なりあうことです。

夏休みの自由研究がまだでしたら​以下をまとめるといいですね(笑)
米の消費及び生産の近年の動向について→農林水産省のHP
​NHK NEWS WEB 8/20→​​“米がない” 米不足はいつまで続く?

中学入試でよく出るコメの生産量ベスト5 

1.新潟県 コシヒカリ
2.北海道 ゆめぴりか、ななつぼし 品種名が商品のきらら397も過去に出題されています。
3.秋田県 あきたこまちやひとめぼれ
4.山形県 つや姫、はえぬき、コシヒカリ
5.宮城県 ササニシキやひとめぼれ
※2023年2022年も順位は同様なので、古い資料で迷うことはないと思います。

6年生の社会の副教材で塾で配布される場合が多いですが、5年生に持たせてもよいと思います。

日本のすがた2024 (『日本国勢図会』のジュニア版) [ 矢野恒太記念会 ]

中学入試でよく出る年号「1918年」 

お米が話題になったので「米騒動」が出題されるかもしれません。ちなみに大正時代(大正7年)です。

大正時代になると人々の生活水準が向上して、一般家庭でもお米を主食とする家庭が多くなった背景があります。

1918年8月、日本政府はシベリア出兵を実施することを決定しました。※日本は連合国側の立場です。

シベリア出兵がはじまれば、戦争になります。

戦争が起きると、米の需要が増えるので地主や商人が米を買い占めます。

みんなが米を欲しくて困っているところで高値で売りさばくというサイクルも考えていいでしょう。

また、出兵に伴う食糧は政府が買い取りをしてくれるので、それを利用して儲ける背景も想像できます。

米の価格は暴騰し、生活に苦しむ人々が、富山県を発端に日本各地で大規模な暴動を起こした事件が米騒動です。

どれくらい価格があがったかというと、

1918年1月にが30キロで15円の市場価格が8月には3倍以上の50円に跳ね上がりました。

暴動を沈静化するのに2か月かかったそうです。要するに米の価格が下がったということです。

寺内正毅内閣総理大臣が辞職し、新たに立憲政友会の「原敬」が内閣総理大臣となったのは有名ですね。

初の政党内閣であり、また、爵位をもたない「平民宰相」として大いに期待されました。

ピンとこない子どももいるので、コロナ禍のマスクが不足騒動を伝えると子どもはわかりやすいかもしれません。

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この記事を書いた人

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