親の心子知らず

親の心子知らず - IN国語教育研究室

「親の心子知らず」ということわざは、親がこどものために尽くす深い愛情や心配を、こどもがなかなか理解できないことを意味しています。何年生くらいで子どもは使いこなせるでしょうか?

この言葉の背景にある親子の関係性について考えると、親として、日々の子育ての中で感じる喜びや苦労、そしてこどもが成長する過程で生じるすれ違いを解説します。また、こどもの立場からも視点を探り、親の思いを伝える方法や、親子の絆を深めるコミュニケーションのヒントもご紹介します。親とこどもが互いの気持ちをより理解し、強い絆を築くための参考になれば幸いです。

目次

親の心

親の心とは、子どもへの無限の愛情と尽力を指します。親は子どもの誕生から成長まで、常に子どもの幸せと成長を願っています。子どもが笑顔でいることに喜びを感じ、逆に子どもが困難に直面すると、自分のこと以上に心を痛めます。しかし、こうした親の思いは、必ずしも子どもに伝わるわけではありません。子どもが小さいうちは特に、親の苦労や心配を理解するのは難しいものです。

親として、子どもの未来を見据えて様々な選択をしなければならないことも多いです。例えば、教育や生活環境、友人関係のサポートなど、親は多くのことに気を配ります。これらの行動はすべて、子どものためを思ってのことですが、子どもには過干渉や厳しすぎると感じられることもあります。このようなすれ違いは、親子の関係を複雑にすることがありますが、親の心が根底にあることを理解してもらうための努力は欠かせません。

親ができることは、子どもと対話する時間を持ち、子どもの気持ちに耳を傾けることです。子どもに対しては、愛情と理解を示すことで、少しずつ親の思いを伝えることができます。また、親自身が子どもの頃の経験や感情を思い出し、共感する姿勢を持つことも大切です。これにより、子どもは自分の感じていることが尊重されていると感じ、親との絆が深まるでしょう。

子の心

子どもの心は、純粋で無邪気です。しかし、成長の過程で多くのことを学び、経験し、親とは異なる視点を持つようになります。子どもは自分の世界を広げる中で、自立心や個性を育んでいきます。そのため、親の心配や助言が、時に干渉と感じられることもあります。

子どもにとって、親の思いを理解するのは難しいことが多いです。特に、思春期には自己主張が強くなり、親のアドバイスや指示に反発することも珍しくありません。この時期は、子どもが自分の価値観や意見を確立しようとする重要な時期でもあります。親の言葉が重荷に感じられる一方で、内心では親の愛情や支えを求めていることも多いです。

子どもが親の心を理解するためには、親からの適切なコミュニケーションとサポートが必要です。親が自分の気持ちを率直に伝え、子どもの意見や感情を尊重することで、子どもも親の意図や愛情を理解しやすくなります。また、親子で共通の活動や趣味を持つことで、自然な形で親の思いを感じ取る機会が増えます。

子どもが自分の心を表現しやすくするためには、親が安心できる環境を提供することが大切です。親が子どもの意見に耳を傾け、受け入れる姿勢を見せることで、子どもは自分の気持ちを素直に伝えることができるようになります。こうした双方向のコミュニケーションを通じて、親子の理解が深まり、より強い絆が築かれるでしょう。

「親の心子知らず」という言葉は、親子間のすれ違いや理解不足を象徴していますが、これを克服するためには互いの立場を理解し、尊重し合うことが不可欠です。親は子どもの成長を見守りつつ、適切な距離感を保ち、子どもに対する愛情を表現し続けることが重要です。一方、子どもも親の思いを理解し、自分の気持ちを素直に伝えることで、親子の絆はより強固なものとなるでしょう。中学受験をするご家庭においては、親の心、子の心をそれぞれお互い読んでみて感想を言い合うのもちょっとしたコミュニケーションになりよいのではないでしょうか。

ある子どもの悲しみ

元気がない子どもに声をかける。

親子喧嘩をしたとのこと。

多分一人で怒ったり、悲しんだり、泣いたりしたのだろう。

私がその子に声をかける言葉は決まっている。

親の心子知らず。

親の心こじらす。

ここで笑うことができる子どもには、


「さっきはごめんなさい。」「いつもありがとう。」と親の目を見てゆっくり伝えるようにアドバイスしています。

(「言う」のではなく「伝える」といいます。)

ちなみに「こじらす」をひらがなで書いていますが。「こじらせる」と意味と、「子が親をじらす(焦らせる)」の2つの意味もかけています。前者で理解できていればOKですが、後者まで瞬時に想像ができる子どもは、作文や短歌を作っても独創性がある上手な表現をする場合が多いです。

「交渉学」の観点で、「三方良し」という相手良し、自分良し、世間良しという観点があります。交渉というと、何かを説き伏せるようなイメージが定着していますが、実は「良質なコミュニケーション」と「これ以上は譲れないライン」これらをどう設定してお互いがよりよいパートナーとしてやっていけるかということです。

ちなみに、親からも、「子どもを強く叱ってしまった」といった相談もよく受けます。

親も受験生です。「感情×伝え方」で「子どもがどう受け止めたか」といったん深呼吸してから考えてもらっています。そうしたら、可能な範囲で事情を聞くようにしています。個々に事例は異なりますが、共通しているのは言い方についてのアドバイスです。

「叱ったのか、それとも怒ったのか」は冷静に判断しましょう。

言い方は改めて見直してくださいとしています。

もし、焦りや憤りの感情が湧き出た場合は、まず、以下の文を、を意識して伝え、子どもの反応を見てください。

「そういうことを、言われたら、お母さん、悲しい。」

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