中学受験親子の疑問2「どんな塾が子どもに向いているのか?」

中学受験親子の疑問2「どんな塾が子どもに向いているのか?」

永遠に変わらないだろうと思われる疑問や時代とともに考えていかなくてはいけない疑問など、経験を踏まえて振り返ります。子を持つ親の心がちょっとでも軽くなれれば幸いです。中学受験において、多くの家庭が利用する塾は必要不可欠なツールです。一言で塾と言っても、指導形態としてグループ指導や個別指導、そして通うかどうかは通塾、オンライン、通信添削。指導方式として講義、授業、自立学習、そして予習型か復習型かなどがあり、子どもに合った受講形態は何かが複雑です。

目次

1.子どもの性格にあった塾

大手塾

競争心があり、割り切りができる子どもに向いています。ほとんどの塾が塾に入るためのテストを備えています。クラスが複数あり、成績順によって構成されている塾、もしくは一定程度の基準はあるが、定員制の塾。カリキュラムが立てられているので日々の学習習慣とテストの計画が立てやすいのが特徴です。授業について、講義形式なのか、先生と生徒が授業時に対話ができる授業形式か、塾に入るまでのテストと体験学習を経てどちらに重きを置くかを経験することが大切です。

個別塾

内向的でちょっと気の弱いなと思う場合は少人数制でかつアットホームな雰囲気の塾、もしくは個別に指導してくれる塾がお勧めです。個別の人数は先生一人に対して生徒一人の1:1、先生一人に生徒二人の1:2、先生一人に生徒三人の1:3がありますが、初見の学習の場合は1:1指導か1:2が指導効果が高いです。1:1は時間内すべて先生がつくので「先生を独り占めできる」と考えれれるならばお勧めです。しかし、「先生に常に監視されている」ような感覚になると、子どもにとっては苦痛の時間ですので、演習と解説を繰り返す1:2形式をお勧めします。1:2の場合、隣の子はどんな感じか?と不安になる場合が多いでしょうが、カリキュラムは個人別に作られているので基本は気にしなくてよいです。個別塾はその日に何をやったか、次は何をやるかの指導報告書がある塾が多いです。

2.指導のシステムやカリキュラム

どの塾でも多少の違いはありますが、中学受験に抜け漏れがないようにシステムやカリキュラムが組まれています。システムとは、授業、宿題、小テスト、季節講習、塾内テスト、外部模試、面談、保護者会等が受験終了まで組み込まれています。ポイントは事前に予習をしてきて授業を受ける予習型か、最初に授業を受けて、復習で力をつける復習型かのどちらがよいかということです。

迷ったら復習型をお勧めします。

予習型は自分で興味をもって進め、わからない部分を授業で聞いて理解するため、自立向上心が強い子どもには効率的です。(親や家庭教師が予習を手助けする場合もあります。)

次に、クラス替えがあるか。競争心を湧き立てます。半面、悪い意味で自信を喪失することもあります。

そして、「塾内のテストはどのくらいのスパンで実施されるのか」についてのサイクルを親子で理解しましょう。知らないと、テストに向けて復習する時間がとれません。例えば、4週間単元を進め、5週目にテスト(塾内模試)を行うことを繰り返すということがわかれば、4週分は週ごとの単元を学び、5週目は過去4週分の復習を行い、塾内模試に臨む必要があります。

「外部模試」とは、塾内だけでなく、塾を問わない公開テストです。外部模試が不要な塾と、必要な塾に分かれますので、「いつからどの外部模試を受けるのか」を塾に入る前に聞いておきましょう。基本、外部模試が必要な場合は塾から案内がされることが多いので、学年の初めにどのような予定なのかを聞いてみるとよいです。首都圏の場合、6年生になると、子どもの学力や志望校に応じてSAPIXオープン、四谷大塚の合不合判定テスト、首都圏統一模試等の案内がされると思います。個別の場合はまずは塾内模試の有無を確認する必要があります。カリキュラムの進度により、時にカリキュラムペースが遅い子どもにとっては模試は圧倒的に不利になります。カリキュラムが終わっていないのにもかかわらず外部模試を受けさせるのは成績は出ませんし、時間と労力の無駄です。外部模試を受けてくださいと言われた場合は、いつ、どの模試をうけるべきかをしっかりと聞いておきましょう。

3.合格実績

知的好奇心や、自立心、バランスの取れた学習ができる成績優秀な子どもは正直、どの塾に行っても結果を出せます。我が子と同様の成績の子どもがどんな中学校に進学したかを聞いてみましょう。有名進学校に何名合格させたかという塾の進学実績は、あくまでも塾の宣伝です。校舎の合格実績を気にしましょうというのも巷では言われますが、参考にはできるものの、我が子が合格するかどうかは全く別の問題であることを念頭におき、可能性と期待をこめながらも合格実績は過去の先輩の例としての一つの指標にしておきましょう。

中学校に合格することは、その先の生活を獲得する第一歩です。そこに至るまでの軌跡は家庭の方針や子どもの性格によりさまざます。軌跡として平常時の塾を通じた生活で、学習内容で困ったときは親が観るか(見守るのとは違います)、その塾で対応してくれるのかどうかががあります。質問対応はあるのか、してくれるのならばどういう対応ををしてくれるのか。また、自習室があるのか、そしてそのサービスを利用するのか。これらを勘案して受験に向かうまでの道筋が見通せそうかという観点を常に持ちましょう。そして、親が困ったときにはどこに相談できるか、その塾の担当が対応してくれることで安心できるか。そこは子どものためだけではなく、親にとってもセカンドオピニオン的な塾の併用や家庭教師をつけるという考え方もあります。親の親戚や知り合いのアドバイスも大切ですが、あくまでも個人的経験値の範囲であることを念頭におき、我が子のために「親として子どもをどのように支えながら受験をしていくのか」を常に考えて進めていきましょう。

これから塾の利用を考える、または、セカンドオピニオンの利用を考えている場合

塾に正式に通う前に、可能であれば体験授業(実際に授業をうけられる機会)、もしくは授業見学(授業を全部または一部を見学する)を親子で1週間することをお勧めします。1か月体験ができる塾も数多くありますが、ほぼ確定の場合は利用するとよいと思いますが、例えば2つの塾を体験するとまる2か月かかります。2か月も必要なことを「体験」といえるのでしょうか?大人の2か月と子どもの2か月は人生においての時間軸が全く異なりますのでここは親として特に注意してください。カリキュラムが2か月進み、3か月目に正式に通塾することを念頭に置きましょう。宿題と生活のリズム、子どもに合っているかどうか等を含めて2週間ずつ二つの塾程度でとどめておくことです。ちなみに季節の講習体験は塾生にとっての復習なのか、カリキュラムを進めるのかを確認しましょう。講習は数日間、連続して毎日授業があるので、カリキュラムが復習の場合は塾生は既に学んでいるので学習内容が濃いことが多く、かなりハードです。ただし、体験で苦労しても本人が頑張りとおせれば、平常月の学習のペースはつかめることが多いです。(親としては習い事の整理は事前に済ませてあげることが必要です。)

セカンドオピニオンを検討する場合は、子どもの苦手教科のフォローをすることが効率的です。通うことで心が楽になる場合もありますが、苦手な意識が和らげることを目標としましょう。時間の苦痛、内容理解の苦痛、食わず嫌いの解消、誤答の修正と予防、暗記の手助け、予備知識のアドバイザー等、子どもにとってセカンドオピニオンがどのように受け止められるか、その時間で次の日からもまたがんばれる環境を提供できるかがポイントです。我が子がこれからの人生において「そういえば受験勉強大変だったな」と忘れてしまう場合もありますが子もまた親になれば中学受験がどのくらい大変だったかをわかるときが将来のお孫さんができた場合に必ずやって来ます。親のセカンドオピニオンという場合もありますので、そこは親としての自信と不安を担当にどう伝えるか次第です。

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