豆腐の原料は大豆であることは、自然と学ぶことが多いと思いますが、大豆から、実際にどんなものが加つくられているのかという引き出しは、原料と食品という上位語と下位語の考え方で役立ちます。主に4つの視点で紹介しますが、知識としての引き出しは子どもにもたせておきたいものです。次に、「豆腐は発酵食品か?」どうかをを話し合ってみてはいかがでしょうか。
1.生の大豆からできるもの
1.生そのもの
成長過程で大豆を熟す前に収穫したものが「枝豆」。
暗いところで発芽させた芽と茎が「大豆もやし」です。
2.乾燥させたもの
大豆を乾燥させたものが「乾燥大豆」。
大豆を粗く潰して乾燥させたものが「打ち豆」。
乾燥大豆を、そのまま粉砕したもの「大豆粉」。
大豆粉は糖質OFFとしてパンやスイーツの材料として有名ですね。
3.炒ったもの
大豆を火で煎ったものが「炒り豆」。節分でまく豆。
炒り豆を粉にしたものが「きな粉」。
2.大豆を発酵させたもの
大豆を発酵させると、「納豆」、「醤油」、「味噌」ができます。この3つの名詞は食品として中学受験では知識として習得できていないといけません。
は蒸した大豆を、納豆菌で発酵させたものが「納豆」。
日本のソウルフードの1つで、その起源や発祥には様々な説があります。長期休みの自由課題として学ぶというお勧めをしたこともあります。個人的には八幡太郎義家説が面白いです。馬の飼料は、煮て乾燥させた大豆がポイントかなと思います。
大豆から皮を取り除き、醤油醤油醸造用に加工したものに醤油麹菌などを利用し、醸造したものが「醤油」。
蒸した大豆に米麹と食塩を加えて発酵・熟成させたものが「味噌」。
発酵については理科でも学びますので学齢とともに理解が増すと思います。豆腐と別にしたのは、豆腐が発酵させたものではないということです。(後で問題として出します。)
3.豆腐:木綿豆腐をつくる工程から考える
よりおいしく豆腐が食べられると思います。ざっくりですが木綿豆腐の工程を見ていきましょう。
1.乾燥大豆を一晩水につけ、大豆を膨らませる
2.水と一緒に大豆をすりつぶす
3.すりつぶした大豆を煮る
4.大豆の水分を絞る
→絞った液体が「豆乳」、これが豆腐になります。加熱すると「湯葉」。
→絞った大豆のかすは「おから」。
5.豆乳に「にがり」を入れてかき混ぜプリン状に固める
「にがり」とは凝固剤で、一定時間がすぎる(数時間~十数時間)と豆乳のたんぱく質成分と反応し、ゲル状に固まります。
豆腐は発酵食品ではないことが説明できます。 ※中国や台湾の「豆腐ルウ」のように発酵させたものもあります。
型箱の内側に木綿の布をはり、プリン状の豆乳をくずし、穴の開いた型箱に入れる
7.「すだれ」をしいて「押し蓋」をする
8.「おもし」を乗せて水分を抜き、固まるのをゆっくりと待つ
型箱に圧力をかけて水分を抜き固めるので「すだれ」「押し蓋」「おもし」は器具により違いがあります。
9.木綿豆腐のできあがり(布の跡がついてぼこぼこしている)
木綿豆腐は、製造する際に水分を抜くために、栄養分が圧縮されます。その分、たんぱく質や・カルシウム・鉄分が、絹ごし豆腐に比べると2、3割程度多く含まれるそうです。
絹ごし豆腐とは?
豆乳は絹ごし豆腐用よりも濃度は高いものが使われます。穴のない型箱に豆乳を入れて、凝固剤を投入し、プリン状に固め、水分は抜かない。水分を残したているのでツルっとした食感。(木綿は水分を抜いているため、固めの食感。)また、絹ごし豆腐は、水分を抜かない分、ビタミンB類やカリウムが木綿豆腐よりも多いそうです。
エネルギー量を100gあたりで比べると、木綿豆腐は72kcal、絹ごし豆腐は56kcalと木綿豆腐が少し高め。
その他の栄養素でも、たんぱく質・脂質などでは木綿豆腐の方が絹ごし豆腐より少し高めの値を示します。
参照URLは→コチラ
トクバイニュース より
これ以外には
水をきった豆腐をまるごと揚げたのは「厚揚げ」。
水をきった豆に野菜や胡麻を練り混ぜてまるめて揚げたものが「がんもどき」。
薄切りにして水を切った豆腐は「油揚げ」。 ※油揚げ専用に固めに作った豆腐
豆腐を凍結・熟成させた後、解凍してから乾燥させた「高野豆腐」。
身近にありますね。
表題の答えの一例で14個、アンダーラインを引きました。たくさん言えるといいですね。
4.豆腐料理メニューとして考える(発想の転換)
アンダーライン以外の答えが出てきた場合はどこから出てきたかを子どもに聞いてみてください。
一例ですが、発想の転換として語彙を引き出す場合、仮に食卓を「豆腐づくし」としたメニューを考えさせます。
ご飯一杯の他に豆腐料理を5品程度考えてみましょう。
1.とうふと油揚げの味噌汁
2.がんもどきの煮物
3.豆腐サラダ
4.焼いた厚揚げ
5.おからの煮物
6.冷ややっこ
そのほか、湯葉をを成分無調整の豆乳から作るというのも素敵ですね。
一度親子でメニューを考えてみてはどうでしょうか。
視点や発想により、「大豆という一言から、連想できるもの」は個人差があり3つ程度~15個以上も言える子までいます。新しい切り口と言葉と形、食感をインプット・アウトプットすることは語彙量を実感できる一助になります。
以下の違いは知っておきたい
【問題】今まで書かれている豆腐について、次の2問について答えましょう。
1.豆腐は発酵食品ではないことを説明しましょう。
(解答例)豆乳のたんぱく質成分と、にがりの凝固剤によりゲル状に固まったものなので、発酵食品ではない。
2.木綿豆腐と絹ごし豆腐との違いを簡単に説明しましょう。
(解答例)木綿豆腐は、豆乳に凝固剤を加え、布を敷いた型箱に入れた後、箱型に水分を抜き固めたもので、絹ごし豆腐は、木綿豆腐よりも濃度の高い豆乳に凝固剤を加え、そのまま固めたものである。
豆腐自体の違いを説明することが主なので、字数を多めにするのならば、食感や栄養の違いも加えることになります。
大豆は日本の食卓において欠かすことのできない身近な食品でした。スーパーの冷蔵コーナーで食品を親子で改めて覗いてみましょう。豆腐屋さんが近くにあれば一番いいです。昔は自転車やバイクで豆腐屋さんがラッパを鳴らして売りに来ていましたが、見かけません。
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