絵本「君のいる場所」を読み解く

Decoding where you are in the picture book

前回は3.11以降の絵本についての紹介でした。今回は一度話題にした作家ですが、改めてジミーの「君のいる場所」について述べていきます。主題は「孤独」「恋」。

小学館出版 ジミー (著), 宝迫 典子 (訳)

思う気持ちは同じなのに、互いの声は届かない…。人々が心に持つ光と影を鋭くみつめ、季節の中で移ろいゆく彼と彼女の心情を、詩情豊かに繊細なタッチで描いたラブストーリー。台湾から世界にヒットした大人向け絵本。ワーナー・ブラザースで映画化された。

出典紹介 小学館

君のいる場所は全国学校図書館協議会選定図書にもなっています。13か国で翻訳されており、映画やドラマ化もされています。作品名は「向左走・向右走」か。直訳すると「左へ行き、右へ行き」です、宝迫 典子 (訳)で「君のいる場所」映画は「ターンレフト・ターンライト」という題名で、金城武が主演。中国のドラマにもなっています。 参照元:ウェキペディア→「ターンレフト・ターンライト」

目次

あらすじ

人混みの中にいながらも、「孤独」を感じる。彼女は左に曲がる癖があり、彼は右に曲がる癖がある。本来出会うべきではない二人が、偶然出会った。雨が降る中、お互いの連絡先を交換し別れたが、雨のせいで連絡先は消えてしまった。季節が流れる中で、それぞれの心も揺れ動いていく。出会ってから一年が経ち、二人は諦めからそれぞれ旅に出た。左と右。そして、運命的な再開。「恋」。12月31日。広場には多くの人が集まっていた。その中で、二人を見つけた。春が訪れ、二人は壁を壊し、玄関には二つの色の違う傘が置かれていた。

孤独が恋を暗示する

『彼には右に行く癖があり、彼女には左に行く癖がある。二人は、めぐり会うはずもなかった。』

君のいる場所

作品の中で何度も出てきます。二人の歩みは偶然の産物であり、運命の糸が交差することは想像もしていなかったがある日、突然二人がであうことを暗示している。

入試問題として出てくるとしたら

『ラビリンスのような都会では互いに呼び合う声も聞こえず、どこを探せばよいのかもわからない』

君のいる場所より

【問題】ラビリンスのような都会とはどういう状況か。自分のことばで簡単に説明しましょう。

【ヒント】「互いに呼び合う声も聞こえず、どこを探せばよいのかもわからない。」から、「お互いの声が届かない、相手を見つけ出す手がかりすらない」ことを類刷し、「~状況。」で「ラビリンスのような」というたとえが「どんな都会」かを想像して書きましょう。直訳で分かればその言葉を使っても構いません。

【模範解答】多くの道や建物が入り組んでおり、迷いやすい状況。(24字)

ラビリンスとは直訳すると「迷路」。迷路や入り組んだ道が多く、迷いやすい場所を表現します。都会がラビリンスのようであるということは、多くの道や建物が入り組んでおり、初めての人にとっては迷いやすい状況であることを意味します。

読む機会があれば12月31日のページで人ごみの中の2人を探して感動してみてください。ウォーリーを探せみたいな気分になります。また、その次のページの2本の傘の絵まで注目してください。幸せを感じます。さらに花と蛙が幸せを引き立てています。裏表紙の文字が日記と詩になっており、左右で文字色が異なり、それぞれ彼、彼女側の挿絵があるのも魅力的です。

君のいる場所 裏表紙

前回の記事はコチラ↓

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中学受験国語の1:1オンライン指導、ブログを運営しています。

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