中学入試の文章題で、野球やサッカーなどのスポーツに関する文章が出題されることがあります。普段見たり聞いたり、体験したことのあるスポーツに関する文章であれば問題ありませんが、慣用表現や専門用語が使われると理解が難しいことがあります。そこで、このブログでは中学入試におけるスポーツに関する文章の理解をサポートするための情報を提供します。是非ご覧ください!
野球が舞台でない文章例
劇団Xは、夏の学園祭での公演に向けて最終リハーサルを行っていました。しかし、主役の一人が急病で欠席してしまいました。劇団の監督は、重要な役を演じるために、他のメンバーの中から代役を探しました。全体の配置を考えた末、脇役を演じていた恵美子がその役に選ばれました。彼女は急な役の変更に戸惑いながらも、自分の力を信じて舞台に立ちます。彼女の演技は見事であり、観客たちは彼女の想像力と才能に感動しました。恵美子のピンチヒッターとしての活躍によって、劇団の公演は大成功となりました。
「ピンチヒッター=代役」という言葉の置き換えができればしっかりと理解できています。
野球が舞台の文章例
前回、我がチームは大事な試合で負けてしまいました。しかし、今回は最後のイニングで、スコアは同点。ここで監督は、チーム勝利への望みを託すために、和人をピンチヒッターとして送り込みました。彼はこれまであまり出場機会がなかったが、チームの期待を背負ってバッターボックスに向かいます。彼は緊張しながらも、初球を、力強いスイングで右翼フェンスの向こうへ運びました。ホームランです。ピンチヒッターとしての和人の活躍に、チームメイトや観客は大歓声を上げました。
野球経験者は苦もありませんが、ある程度、カタカナの意味がわかっていれば理解しにくいことは減ります。和人が代打として打席に立ち、最初の投球に対し、強くバットを振ってボールを右方向に打ったこと。それが本塁打となったということがわかるかどうかです。もしも、子どもが所見で意味があやふやだとしても、攻撃に成功し、得点したことは最低限知っておきたい内容です。
野球用語が文章に用いられる理由
野球のルールが他のスポーツと比べて文章や議論で用いられることが多い理由はいくつかあります。
広く普及しているスポーツ
野球は世界中で人気があり、多くの人々がそのルールや用語を知っています。そのため、一般的な認知度が高く、比喩として、慣用表現として使われやすいです。
複雑な戦略と情景
野球は戦略性が重要なスポーツであり、様々なプレー、状況、戦術が存在します。そのため、文章や議論で用いられる際に、複雑な状況や戦略を表現するのにも適しています。
時間の流れとドラマ
野球は攻撃と守備の時間の流れが決まっており、他のスポーツとは異なった緊張感や期待感が高まる場面が多々あります。この時間の流れやドラマを表現するのに野球用語が適している場合が多いと考えられます。(もちろん作家次第ではありますが。)
これらの理由から、野球のルールや用語は文章や議論で広く用いられることがあります。
野球用語で日常化している表現
「ピンチヒッター(代打)⇔リリーフピッチャー(救援投手)」は攻撃側・守備側でそれぞれ言い方が異なります。特に、防御の要であるリリーフピッチャーは「クローザー」や「守護神」とも言われます。
「空振り」は「失敗する」という意味として残念な結果を表すときに使われます。
「ストライクゾーン」は「好みの範囲」として広いか狭いかで用いられます。
それでは、「9回2アウトから」はどういう意味でしょうか? これは「最後まであきらめない」というときに使われます。(逆転勝ちを狙う立場ですね。)
比喩表現として日常化されている野球のことばの他に、サッカー、ラグビー、相撲、剣道など、最低限は知っておきたいものです。
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