国語の読解問題に関して、「問題数をこなせば学力がつくのか」という疑問は、保護者や子どもからよく寄せられます。保護者は国語の読解問題についてはある程度の理解を持っているかもしれませんが、他の科目に比べて国語力を養うことの重要性を十分に認識していないかもしれません。しかし、単にテストや演習問題を解くだけでは、読解力が向上するわけではありません。日本語を当たり前に読むことができる能力を身につけるためには、文章を理解する力が必要です。そのため、私は「文章を読む力」を養うことが最優先だと考えています。
テストをたくさん受ければ成績があがる?
どの教科もそうですが、テストをたくさん受ければ受けるほど成績があがるというわけではありません。スポーツに例えると、試合だけやっても高いレベルで勝利することは難しいということです。野球やサッカーならば日々練習し、練習したことを活かすべく練習試合等に臨み、公式戦に臨みます。国語の読解問題についても同じで、日々の練習は必要です。それは文章を正しく読むということ、言い換えれば論理的思考力をもって文章と設問を読み取ることです。テストの受けすぎかどうかは、テスト直しができないと想定されるかどうかです。受けないことを勧めることもあります。
文章を正しく読み取ること
テストにおいて、「設問を先に読むか、文章を先に読むかでどちらがいいか」とよく聞かれますが、文章を正しく読むことには変わりありません。読解スピードと論理的思考力がある子どもは時間内で終わるので問題はないので、国語が苦手、成績を上げたい場合、そもそもの文章を正しく読み取ることが不足していると感じます。文章のレベルは時系列に上がっていきますので、ある程度大人向けの文章にも対応できることは必要です。
3.読解力を向上させるための効果的な方法
読解力を向上させるためには、様々な効果的な方法があります。
読書を積極的に行うこと
さまざまなジャンルやレベルの本を読むことで、新しい言葉や表現、文脈を理解する力が養われます。新しい言葉は語彙量に直結します。特に、自分の興味や関心があるテーマの本を選ぶことで、読書のモチベーションが高まり、読解力の向上につながります。興味の薄いテーマでも読解問題のテキストやテストに出た文章は部分的に読むわけなので、出典本を読んだり、作者の関連本を読むなどで、より積極的な読書をすることができます。
たくさん読書をすることと国語力の関係については→コチラ
定期的な読解練習をすること
様々な文章を読んで、要約したり、主題を抽出したりすることで、文章全体の構造や論理を理解する力が身につきます。その際、自分の考えを文章で表現する練習も重要です。自分の意見や感想を整理して表現することで、文章理解力が深まります。これらは学習塾等の教材にあればルーティンになりとても有効ですが、無意識に適当にこなしているかもしれません。ちょと確認してあげてください。内容を読み取る問題で、「これはテストにでないから無理にやらなくていい」といった場合は要注意です。
文学や詩を通じて感性を豊かにすること
文学作品や詩は、言葉の美しさや表現の奥深さを味わうだけでなく、複雑なテーマや感情を理解する手助けとなります。生徒たちには、様々な文学作品に触れ、その中から自分に共鳴するものを見つけることを奨励します。「詩は入試にでないからやらない」というのは個人的にはもったいないと思います。詩をどう味わえるかによってものの見方が変わってきます。また、学校によっては毎年出題されます。
筑波大学附属駒場中の国語では詩は定番の大問です。しかも、試験時間は40分です。12歳の子どもが時間内でやりきるのは意外と苦労します。大人でも時間内にはやりきれないかもしれません。
最後に
読解力を高めるためには継続した努力が必要です。毎日少しずつでも読解力を鍛えることで、徐々に成果が現れます。そして、間違いや理解できない部分があっても諦めずに挑戦し続けることが大切です。第三者の力をかりてでも正しく理解することが他の教科にも応用が利きます。読解力は時間と努力をかけて育てるものであり、その過程で子どもの自信や成長を感じることができるでしょう。お勧めとして、とにかく読む時間を決めて実行すること。新聞の一面を読む、国語の読解教材に取り組む、読書を行う等決め込んで習慣にすることです。特に、国語が苦手な子どもには「音読」を勧めます。個人的には国語が苦手な子どもほど、音読によって自分の読む速さや内容の理解度の深さを鍛えることも重要だと感じています。
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