たくさん読書をすれば国語力がつくのか?その3

たくさん読書をすれば国語力がつくのか?その3

前回は「たくさん読書をすれば国語力がつくのか?その2」国語力の5つの力として「2.表現力」についてのお話でした。今回は3.傾聴力についてのお話です。

目次

国語力5つの力

1.読解力:文章を理解し、意味を把握する能力
2.表現力:自分の考えや感情を言葉で表現する能力
3.傾聴力:他人の話を理解する能力
4.文法・語彙(ごい)力:文法のルールや基本的な文節や単語の意味を理解し、正確に使いこなす能力
5.文章構成力:論理的に情報を整理し、文章を構成する能力

今回は、「3.傾聴力」について説明します。クイズあり。

3.傾聴力:「他人の話を理解する能力」について

傾聴力とは、他人の話を理解し受け入れる能力のことです。これは、相手の話に耳を傾け、その内容や感情を理解することを意味します。傾聴力が高い人は、相手の言葉だけでなく、感情や意図を読み取ることができます。そのため、コミュニケーション能力や人間関係の構築において重要な役割を果たします。積極的傾聴=アクティブラーニングなどとも言われています。

傾聴力を高めるためには、いくつかのポイントがあります。まず、相手の話に注意を向け、目を見て聞くこと(場面によっては目を閉じでうなずく場合もあります)が大切です。また、相手の話を遮らずに黙って聞くことも重要です。相手の話に共感し、理解を示すことで、信頼関係を築くことができます。

傾聴力はコミュニケーション能力だけでなく、ビジネスや教育などさまざまな場面で重要です。親の場合、ビジネスの場において、顧客や同僚との円滑なコミュニケーションに役立ちます。子どもの教育の場では、公民問わず、生徒や教師それぞれのニーズを理解し、適切な関係を築くことができます。

傾聴力を向上させるには、日常的な練習が必要です。例えば、友人や家族との会話を大切にし、相手の話に真剣に耳を傾けるよう心がけさせましょう。親自身が子どもの聞いているという意識でも、子どもからすると「話を聞いてくれていない、わかってくれない」という相談を何度も耳にしました。忙しくて、先読みし、切り返してしまうことで、子どもの話を遮ってしまい、結論づけてしまう場合が多いです。子どもにとって些細なことでしたらいいですが、背後に何か大事な相談事が自覚・無自覚にかかわらずもあるかもしれませんの。先読みしちゃったなと思ったら、親子で齟齬を解消することが必要です。また、傾聴に関するトレーニングやワークショップに参加することも有効です。これらの取り組みにより、傾聴力を向上させ、より良いコミュニケーションや人間関係を築くことができます。

傾聴力は、中学入試の読解力にどう影響するのか?

なんとなく、理解できていると思いますが、傾聴力がないと、文章を読んで、内容を理解することは難しいです。読書との対話や文脈を読むということはすべて文字で行うためです。ちょっと詳しく説明します。

個人的な観点ですが、過去の子どもとの学習指導で体感していることとして、傾聴力と読解力は密接に関連しており、相互に影響しあう因果関係があります。傾聴力が高まると、自然と読解力も向上しやすく、その逆も同様です。

まず、傾聴力が高い人は、相手の話を丁寧に聞き取ることができます。相手の発言を的確に理解し、その背景や感情も含めて考慮することで、より深い理解が可能になります。このような聞き取り能力は、読解力の基礎となります。なぜなら、読解力も文章を理解する能力であり、文章は他人の言葉を書き表したものです。

一方で、読解力が高い人は、文章から情報を抽出し、意味を理解する能力があります。これは、他人の文章を傾聴する場面でも役立ちます。文章を読み取るときには、相手の発言を正確に理解し、適切な反応をすることが必要です。読解力が高い人は、相手の意図やニュアンスを読み取る能力が養われているため、傾聴力も向上しやすくなります。

このように、傾聴力と読解力は互いに補完し合う関係にあります。傾聴力が高いと、他人の発言を正確に理解し、適切な反応ができるため、読解力も向上しやすくなります。逆に、読解力が高いと、文章を理解する能力が養われ、傾聴時にも相手の意図やニュアンスを読み取りやすくなります。したがって、両者の向上には相乗効果があり、コミュニケーション能力や人間関係の構築において重要な役割を果たします。

クイズ: 下記の短い対話を読んで、質問に答えてください。

A: 最近、新しい趣味を見つけたんだ。ジョギングを始めたんだ。
B: へえ、ジョギングか。どんなところで走ってるの?
A: 近所の公園をよく走っているよ。自然を感じながら走るのが好きなんだ。

問題:上記の対話でAがどのような活動をしているかを20字以内で説明してください。

制限時間は1分です。

ヒント:ジョギングを始めたということは誰でも答えられますが、正確に伝えることができるかがポイントです。

解答例: 新しい趣味としてジョギングを始めた。

主語をAとして書き出すときは、「Aは最近、新しい趣味としてジョギングを始めた。」と書くといいです。

この対話では、Aが最近始めた新しい趣味について話しています。Bが興味を示し、Aがその趣味について説明しています。Aは近所の公園ジョギングをしていることを述べ、自然を感じながら走ることが好きであることを明らかにしています。このように、対話からAがジョギングを始めたことが読み取れます。これは、傾聴力を試すためのクイズであり、相手の発言から情報を正確に理解し、その内容を把握する能力が問われています。もし、例えば50字以内で説明してくださいということであれば、近所の公園自然を感じながら走るという要素を取り入れてまとめることが必要になります。このあたりがごちゃごちゃになるような答案が多いです。解答例だと「公園で」を入れてきっちり文字数を詰められれば、ほめてあげてください。

傾聴力を評価するには、相手の発言を注意深く聞き、その内容や感情を正確に理解することが重要です。また、相手の視線や表情、声のトーンなど非言語的な要素も考慮します。適切なフィードバックや質問を通じて、相手の発言に対する理解度を確認します。さらに、相手の視点や感情に共感し、適切な反応を示すことも評価の対象となります。練習やトレーニングによって傾聴力を向上させ、相手とのコミュニケーションや人間関係の質を高めることが目指されます。

最後に

繰り返しになりますが、中学入試の国語において、皆さまに少しでもお役に立てれば幸いです。国語力は入試の重要な要素の一つであり、読解力や表現力が求められます。そこで、この文では国語力向上のための助けになる情報やアドバイスとして指導の一部分を提供しています。入試の問題に対処するためには、十分な準備と理解が必要です。適切な対策を取ることで、国語力を高め、入試での良い成績を目指すことができます。どうぞこの機会に、国語力の向上に向けた努力を続けてください。

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中学受験国語の1:1オンライン指導、ブログを運営しています。

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