状況説明のアプローチ「すみません」の使い方

中学受験において、自分と相手がどういう状況なのかがきちんと説明ができると物語・小説での登場人物の心情読解や、情景描写の理解などにも解答へのアプローチが上手にできるようになります。たとえば、「すみません」は、日本語で多目的に使われる便利な表現です。何通り言えますか?謝罪、依頼、質問、礼儀等、さまざまな状況で活用されます。実生活でほぼ無意識で丁寧さや配慮を示し、コミュニケーションの円滑化に役立ってる表現です。以下に、「すみません」の使い方をパターン別に例文を交えて説明します。

目次

1. 謝罪や許しを示す場合

例文1: 会議に遅れてしまい、すみません。
例文2: ご迷惑をおかけしましてすみませんでした。
例文3: 大きな音を立ててしまってすみませんでした。

主に謝罪や許しを請う表現です。遅刻や迷惑、ミスなどで相手に不快感を与えた際に使います。例文1では会議への遅刻を謝罪しています。例文2は過去の行為に対する謝罪で、迷惑をかけたことを伝えています。例文3は騒音を立ててしまったことを謝罪しています。相手への配慮や丁寧さを示し、関係修復や円滑なコミュニケーションを図る使い方です。

2. 行動をお願いする場合

例文1: すみません、お手伝いいただけますか?
例文2: すみません、この荷物を持っていただけますか?
例文3: すみません、窓を少し開けていただけませんか?

主にお願いや依頼をする際に使われる丁寧な表現です。相手に手助けを求める場面でよく使われます。例文1では、「お手伝いいただけますか?」という丁寧な依頼をしています。例文2では、他人に荷物を持ってもらうことをお願いしています。例文3では、窓を開けてもらうように依頼しています。相手に迷惑をかけないように丁寧にお願いすることで、円滑なコミュニケーションを図ります。

3. 情報や説明を求める場合

例文1: すみません、ちょっとうかがってもいいですか?
例文2: すみません、お名前をもう一度教えていただけますか?

例文1は、質問や情報を求める場面で使われる丁寧な表現です。”すみません”は相手に敬意を表し、”ちょっとうかがってもいいですか?”は「うかがう」という「聞く」の謙譲語を用いた質問です。相手に迷惑をかけないように謙虚に質問する表現です。例文2は、相手の名前を再度確認する場面での丁寧な依頼を示しています。”すみません”は相手に対する謙譲の気持ちを表し、”お名前をもう一度教えていただく”という丁寧な依頼です。相手の名前を忘れないようにするために、丁寧に確認しないと失礼ですね。2.と3.の違いを理解し、自分のことばで説明できるようになると記号問題等での誤答は減ると思います。

4. 通行や場所を譲る場合

例文1: すみません、通していただけますか?
例文2: すみません、お先にどうぞ。
例文3: すみません、席をお譲りいたします。

例文1は、他人に通行の許可を求める場面で使われる丁寧な表現です。”すみません”は謙虚な気持ちを表し、相手に配慮を示します。”通していただけますか?”は丁寧な依頼の表現であり、相手に通行を許可してもらうことを礼儀正しく求めています。例文2は、相手に何かしらのの優先権を譲る場面で使われる表現です。”すみません”は謙虚な気持ちを表し、相手に敬意を示します。”お先にどうぞ。”相手を先に進ませるときの丁寧な表現であり、相手への優先権を与えることを示します。例文3は、自分が相手に席を譲る場面で使われる丁寧な表現です。”すみません”は謙虚な気持ちを表し、相手に敬意を示します。”席をお譲りいたします。”は他人に席を譲ることを礼儀正しく伝えられます。

5.問題が起こった時や人の邪魔になった時

例文1: すみません、トイレが詰まってしまったようです。
例文2: すみません。(私の車が通路を塞いでしまっています。)
例文3: すみません。(荷物で場所をとってしまいました。)

例文1は、トイレの問題を報告する場面を示しています。(困りますね)”すみません”は謙遜の気持ちを示し、丁寧さを表します。”トイレが詰まってしまったようです。”は状況を伝える表現であり、トイレの問題を他人に報告しています。1.の謝罪や許しを請う前段階で問題が発生し、これから相手に迷惑をかける状況を丁寧に伝えることで、迅速な対処を促す表現です。ここでは自分で修繕するか相手に判断を委ねるかは後者の可能性が高いでしょう。例文2.3はちょっと堅苦しい書き方ですが、一般的に「すみません」だけで察してもらえるのであえて( )をつけています。例文2は、自分の車が通行を妨げていることを報告する場面を示しています。”すみません”は謙遜の気持ちを示す一方で、自己責任を認める姿勢も表します。”私の車が通路を塞いでしまっています。”は状況を率直に伝えています。相手に通行の妨げを素早く解消するように促すために使用されます。故障だったら大変ですね。例文3は、自分の荷物が場所を占領、あるいは他社の使用を妨げていることを報告する場面を示しています。”すみません”は例文2と同じく、謙遜の気持ちを示し、自己責任を認めます。”荷物で場所をとってしまいました。”は状況を正直に伝えています。他人に迷惑をかけたことを素早く認識し、荷物をこれからすぐ移動するか状況をそのままにしておいてほしいのかのどちらかに使用されます。基本は荷物を整理するのがトラブルがないですね。

6.その他

相手に何かしてもらったことへの感謝の意(ありがとう)等もありますね。「すみません」、「ごめんなさい」、「申しわけない」等、似たような言葉はいくつかあるので、どういう状況で使う言葉なのか。自分が言った後(相手の反応)、自分が言われた後(自分の反応)をちょっと意識すると言葉の奥深さに気が付きます。

相手があってのことですが、自分と相手がどういう状況なのかがきちんと説明できると物語・小説での登場人物の心情読解や、情景描写などにも適用が瞬時にできるようになります。「すみません」は、日本語において幅広い使い方が可能な表現です。これは謝罪や許しを請うだけでなく、お願いや質問、注意、場所を譲る際の丁寧な表現としても用いられます。そのため、日常会話やビジネスシーンなど、さまざまなな状況で使われます。普段使用するときにちょっとたちどまって状況を確認できると言葉の感覚が磨かれます。

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この記事を書いた人

中学受験国語の1:1オンライン指導、ブログを運営しています。

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